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「有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」






表紙は永井荷風の濹東綺譚ですね。 
私は背表紙の檸檬(梶井基次郎)がお洒落だなあと思いました。


いやー長いですねこのタイトル(笑)
中身そのまんまのタイトルなのもなんとも言えませんね(^^;

コンビニで見かけて気になり¥850(税別)もするのに買ってしまいました。
私はこの絵柄からてっきり水木しげるさんが生前お描きになったもので、ドリヤス工場という別名で出されたのかと思ってしまいましたが、全くそういうことではなくてこういうお名前の漫画家さん?らしいです。存在を知りませんでした。この絵柄は水木先生へのオマージュらしい(?)です。





全部で25作品です。
私は内容を知らない話は七つ位ありました。

内容は原作を10ページ前後に漫画化したものの後にそのお話の原作者の簡単なバイオがあります。


読んだ感想はやっぱり中途半端だなと。


著者によるあとがきでは、

>原作に思い入れのある人にとっては不満の残る点もあるかもしれませんが、あくまで未読の方が「読んだ気になれる」という趣旨の企画ですのでご理解頂きたいと思います。

と、あります。

しかし私はあまり「読んだ気」にはなれませんでした。意味が分からないものもあったからです。後からインターネットであらすじを読んでやっと分かったものもありました(^^;


例えばラプンツェルは全く意味が分かりませんでした。王子様が塔の窓から落ちたらしい?シーンがありましたが(王子様が実際に落ちる描写は無い)何が起きたのか分かりませんでした。私はてっきり魔女に落とされたのだと思いました。その時王子様の目が見えなくなっていたのですが、それは落ちる前に魔女に攻撃されたのだと思いました。訳が分からずネットであらすじを見てみるともうラプンツェルが塔にいないことを知った王子様が絶望して自ら塔の窓から身を投げ、それで目を負傷したのたそうです。(なんぢゃそりゃー😣全く違った❗💦)
それから王子様はさ迷ったあとに砂漠の町でラプンツェルと再会したのですが彼女は子供たちと一緒にいたのです。
え??子供⁉😲⚡⚡誰の?ラプンツェルは塔を出た後に誰かと家庭を持った後に破局したの❔
早速虎の巻(ネット💦)で確認するとそうではなくて塔で王子様とラプンツェルが魔女の目を盗んで密会していた時に二人は既に男女の仲であり、その時にできた二人の子であると(@o@)
これはあまりにも衝撃的な展開❗❗


これはこのお話の内容を前もって知っている人でなければこの漫画を読んだだけでは到底理解できないのではないでしょうか。だって「そういう事情」は完全にはしょられているからです。

因みにラプンツェルはディズニーのアニメで見たことがあり、とても大好きでしたがそれもディズニーなので当然男女の描写は無い訳ですが、原作では二人の間に子供がいたということを今回初めて知りあまりにも驚きました(@_@)

これがこの本に収録されている全ての作品の中で私が一番驚いたことでした(笑)。

他に話の内容(オチ)でぶっとんだのが「モルグ街の殺人」でした。(これも漫画ではイマイチ理解ができず虎の巻で確認したのですが。)凄いオチだなあと。でも当時はかなり斬新だったのでしょうが現代的にはちょっと無理があるんじゃないのかなあという気もしました。でもこの話は子どもの頃から存在だけ知っていたので内容を知れて良かったです。

その他では「阿Q正伝」❗凄い話ですね
(@o@)今の過激な思想に走る若者と共通するものを感じました。無知は破滅に向かうという強烈な教訓でした。阿Q正伝と「変身」は個の命が尊ばれないという皮肉な結末が共通しているのが興味深かったです。


この様な発見もありましたが総評としては私は¥850(税別)も出してこれを買う必要は無いと思います。あらすじだけ知りたいのであればインターネットであらすじを読んだ方がずっと分かりやすい。ドリヤス工場さんのファンであるとか活字はなるべく読みたくない、お手軽な漫画として楽しめるという人以外は。

私は古い小説(鴎外や鏡花)を青空文庫で読むのですが私的にはふりがなが無いと厳しいのでふりがながある方を読みますが(それでも読むのはとても大変ですが)、今よくある現代語訳版は絶対読む気になりません。昔の言葉を現代の言葉で読んでも趣が半減すると思います。小説の漫画化も同様に思います。小説はやはり原作を読まないと正しく理解できないし堪能もできないと改めて思いました。

因みにこの中に鏡花の「高野聖」も収録されていましたが、原作を読んだときのまるで映画を見ているかのようにありありとかきたてたれる想像力は漫画では全くかきたてられません。そりゃそうでしょう(鏡花は言葉の魔術師だから)とは思いますが果たしてこの漫画を読んで原作を読んでみようかなと思う人がどれだけいるのかなと。


話ついでに🌷

ずいぶん前に買ったのですがこういう本を持っています。









税別¥514
これは各作品に関するうんちくとストーリーをそれぞれ見開き1ページでまとめてあります。
50作品を取りあげており、上の漫画の倍の数です。こちらは日本の文学限定です。この本は読んでいて意味が分からないと思ったものはなかったので私はこちらの方が分かりやすかったですし今も重宝しています。因みにこのシリーズの「世界の名著」というのもある様です。

因みに、有名すぎる~とこちら(2時間で~)は共にKindle版もある様でした。

コメント

No title

かずさん

雑学的には有りかもしれませんが、当然作品を堪能することはできません

No title

こんな本があるんですね~。
確かに読んだことのない人はお手軽感を感じる人がいるかもしれないですね。

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kamieru

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三匹のにゃんずと地味に暮らしています。
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