くちづけ(The Sterile Cuckoo)
- 2016/09/27
- 00:18

1969 108分 アメリカ
ニューヨークのナイーブな学生と、奔放な性格で突飛な行動をするが実は孤独を抱えた娘・プーキーとの出会い、恋愛、別れを綴る青春映画。パクラ監督のデビュー作。
CSの映画チャンネルで放送されて「今は見ることが難しいもう一度どうしても見たい名作をスタッフが買い付けてきました!」と説明されていた作品の一つで、何となく気になって録画しておいたのですがとても感動したので録画して良かったです。
因みにそのチャンネルでは「胸しめつけられる60’sヤンデレ純愛物語」と紹介されていました。
ライザ・ミネリの映画デビュー作だそうです。
冒頭の画像に象徴される様にいつもどしゃぶりの雨の中に一人でいる様な心情のプーキー(それが彼女がやたらエキセントリックな言動を取ることの根底にあるのね)
(-_-)を完璧に演じていました。
一言で言うなら胸が張り裂ける物語です。見終わってほのぼのとした気持ちになったというレヴューもありますが私はその正反対。本当に悲しい物語です。
二人は大学入学に向かうバス停で出会い、道中ずっとプーキーのマシンガントークに圧倒されるジェリー。変わった子だなぁと思いつつも二人はつきあうことに。
でもらぶらぶ期間は長くは続かず。プーキーにはジェリーが全てて彼の傍にいられないとヒステリックになってしまう。実際は一緒にいてもプーキーの心の底から闇が消えることはないのだけれど。。。
彼女が如何にエキセントリックであるかも冒頭の画像に象徴されています。ジェリーが落第しそうになったので一人で勉強に集中したいと言ったがプーキーは納得せずジェリーの部屋に押しかける。その時の彼女の言動一つ一つが尋常ではなく(「トマトの皮を剝く?」はともかく)見ていて神経を逆なでされる様だった。でも私にはプーキーの気持ちは分かる。悲しいかな彼女の様なタイプを受け止めてくれる人は殆どいないのだけれど。ジェリーとは元から性格も違うし、まだ10代の男子には重すぎるし受け止められなくても仕方がない。でも彼は彼なりにプーキーを愛していたけれど。
初恋ってやっぱり辛い方が大きいのかな(;_;💔
二人の場合は特に辛かったかもm(__)m
サントラのSandpipersのCome Saturday Morningと言い、二人が過ごした東海岸の景色と言い全てが美しすぎて切なすぎる(ノД`)・゜・。
思ったのですがプーキーが情緒不安定になったのは生い立ちによるものと思われるので、パパは無理でも周りの誰かがそれに気づいてあげて何とか助けてあげて欲しかったと思いました。あるいは彼女はセラピーを受けに行くべきだったと思います。そういうことも思いつかないくらい病んでいたのかもしれませんが。あるいはセラピーがまだ一般的ではない時代だったのでしょうか。あの後プーキーがどうなったのかとても気になります。。。
最初に書きましたがライザ・ミネリの演技が本当に素晴らしく、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたというのも納得ですが、受賞は逃したそうで、彼女が受賞できなかったのはとても残念と思ってしまった。因みにこの回の主演女優賞は「ミス・ブロディの青春」のマギー・スミスでした。因みに未見です。
未見の方には是非見て頂きたい素晴らしい作品です!
TV(CS)にて
★★★★★★★★★