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人生の約束





2016  120分  日本

 
「池中玄太80キロ」「菊次郎とさき」をはじめ数々のTVドラマを手がけてきたベテラン演出家・石橋冠が初めて撮り上げた映画作品。主演の竹野内豊、江口洋介のほか、西田敏行、ビートたけし、柄本明はじめ豪華キャストが結集。富山県の新湊を舞台に、友を失ったIT会社社長の再生の物語を描く人間ドラマ。
 会社の拡大にしか興味のないIT関連企業CEOの中原祐馬。その頑なな態度が原因で、創業からの盟友でかけがえのない親友でもあった航平とも、会社から追い出す形で決別してしまう。それから数年後のある日、祐馬の携帯に航平から何度も着信がある。無視し続けた祐馬だったが、胸騒ぎを覚え、航平の故郷・新湊へ向かう。だが既に、航平は病に倒れ帰らぬ人となっていた。航平の義兄・鉄也からは、祐馬の冷たい仕打ちをなじる言葉を浴びせられる。そんな祐馬の前に、航平の一人娘・瞳が現われる。存在すら知らなかった航平の忘れ形見に驚く祐馬は、瞳からある頼み事をされるのだったが…。




allcinemaより






以下はあくまでも私個人の感想です。

原作の小説は未読です。予告が素晴らしかったのでかなり期待して見たのですが期待外れでした。久しぶりにあまりにも退屈で駄作だと思いました。海の向こうに見える立山連峰はとても美しかったしハイライトの祭りの長尺部分も綺麗でしたがとても退屈で早く終わらないかなと思ってしまいました
(-_-)映画自体にのめりこめなかったからだと思います。


まず演出が信じられないクサさで、こういうクサさは何十年ぶりに見ただろうと思う位。でもそのクサさが功を奏しておらず白ける。今は昭和では無いので浮くと思うしクサさを表現するにしてもセンスが悪すぎると思った。「繋がるぞ!」や「玄さん!」の連呼シーンなど有り得なさすぎて只々クサい。本当の「繋がり」というのはああいう形で表現されるものではないと富山にも新湊にも所縁のない私ではあるがそう思う。

全般的にリアリティーが無さすぎるところも白けた。自分の会社の超一大事にあんな流暢なことやってられる訳ないでしょう。気持ち的にはそうだったとしても現実的にはパニックの筈。大事な会議も酔っぱらってすっぽかすし。全てにリアリティーが感じられなかった。

それとメインの人たちの歴史が説明不足。祐馬と航平の過去も価値観の違いを示す一瞬しか描かれず、出逢いや起業の経緯も説明が無いし、航平と家族についても娘が航平を「あの人」と呼ぶ理由や、その時航平の奥さんがどうしていたのかも一切描かれない。秘書が祐馬に渡した写真も普通はその写真を撮ったシーンが回想で出てくるけどそういうのも無いしね。だから観てる人はイマイチ感情移入できないんじゃないかと思う。私の場合はそれ以前にクサすぎてそもそもそこが駄目だったけど。


竹野内豊が出ていることしか知らずに見たので蓋を開けてみたら豪華俳優陣で驚いたが個人的にはキャスティングも想定内という感じでもっと意外性が欲しかった。偏屈な意地悪おじさんが柄本明で人情おじさんが西田敏行なんてハマりすぎていて間違いはないキャスティングとは思うけれど如何にもすぎてつまらない。地方のバーのママも美保純の右に出るものはいないと思う位ハマりすぎだけど(他の映画でもやっていました)これは個人的にツボで良かった(笑)。ビートたけしは存在感は流石だけど別に他の人でも良かったのではと。
竹野内豊は微妙かなぁ。どうも深みが感じられなかった。個人的には秘書の優香の方が良かった。あんな有能で誠心誠意尽くしてくれる秘書はお宝でしょう。江口洋介は気合の短髪もお似合いで演技もカッコよく惚れ直しました!鉄也のキャラ自体が好きというのもありますが。小池栄子はいつでも好きです。凄くいい女優だと思う。室井さんは富山の人なので一番適役だったのではないでしょうか。それと新人の女の子。美少女ですね~竹内結子さんが登場した時の様なイメージがありました。これからも頑張ってほしいですね。


脚本も良くないのだと思いますが結局退屈だと思うのは監督の力量が無いのだと思います。ベテランカメラマンの木村大作さんの監督作品を観た時あまりにもつまらなくてもうこの人の監督作品は二度と観ないと思いました。撮影は流石に一流でとても素晴らしかったですが映画としては全く面白くなく。その映画も一流俳優が出ていましたが感動できず。その時「餅は餅屋」だと思いました。今作の監督石橋冠さんは長年TVをやってきた人の様ですが映画には向かないと思います。個人的にはTVではいいけどお金を払って映画館で観る作品ではないと思います。


でもこの作品を高評価している人たちも少なからずいて(
地元の方の支持が多い様ですが)その中には「ある程度以上の年齢の人が観ると感動できる」という意見がありました。その点で言うなら私はとっくに(階段の)「踊り場」より上に来ていますが感動できませんでした。
それと「(評価は)個人の価値観と環境による。」という意見があり、この「環境」という部分に私が感情移入できなかった部分が大きいのかもしれないと思いました。地方で生活したことも地域密着型の生活もしたことがなく、首都圏内で核家族で淡々と暮らして来たので。祭りにも無縁でした(祭りは傍観した記憶も数える程)。富山の隣の石川県生まれですがそこで育っていないし。なので地元愛や伝統行事というものへの思いが元から希薄なんですよね。

☆プチネタバレ注意☆

地元の方のレビューも幾つか読みましたが今作の中のお祭りと実際のお祭りとは違う部分もある様で、例えば私は曳山が橋の上を通過していくシーンがとても危なく見えたのですが実際はそこは通らないそうです。それから曳山が映画では交互通行になっていましたがそれも実際は無いそうです。冒頭にも書いたけど祭り中曳山を停めての「玄さん!」コールも祭りを知らない人が見ても祭りの本質に反する有り得なさすぎる行為というのは明らかです。
こういう現実に即していないことは頂けないし(ファンタジーじゃないんだから)、こういう演出は「日本人の心」を描く上でも本末転倒になると思います。


タイトルの意味について。
原作は読んでいませんが映画ではタイトルの意味がきちんと描かれていませんでした。観た人が考えてくださいということでしょうか。これもすっきりしませんね。例えば西川美和さんの『永い言い訳』(原作を読みました。)はタイトルの意味が一目瞭然です。ストーリーの内容、作者が表現したかったことを象徴する素晴らしいタイトルです。やっぱこうじゃなくちゃですよね。
で、自分なりに意味を考えてみたのですが、これは祐馬が(航平と袂を分かつた時に)「(それでも)又会おうと言っていた。」と言っていたのでこのことかなと思いました。いつか又会うという約束。再会した時に本当のお互いを理解するということかなと。航平の死によって祐馬は新湊に導かれる。そこで地元の人との交流を通して航平の遺志を理解し、自分とも向き合っていく。それが祐馬にとっての人生の約束という意味だったのかなと思いました。


ところで航平役は誰だったのでしょうか?
御存じの方は教えてください。


TV(BS)にて

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