「天国の日々」「ニュー・ワールド」の名匠テレンス・マリック監督が、1950年代のアメリカに暮らすある家族の物語を、圧倒的なヴィジュアルと共に、壮大かつ根源的な視点から描き出すヒューマン・ドラマ。主演は「イングロリアス・バスターズ」のブラッド・ピット、共演に「ミルク」のショーン・ペンとハリウッド期待の実力派ジェシカ・チャステイン。2011年のカンヌ国際映画祭でみごとパルム・ドールに輝いた。
成功した実業家ジャック・オブライエンは人生の岐路に立ち、自らの少年時代に思いをはせる――。1950年代半ばのテキサスの小さな町に暮らすオブライエン一家。厳格な父は、成功のためには力が必要だと、長男のジャックをはじめ3人の子どもたちに理不尽なまでに厳しい態度で接してしまう。一方、全てを運命として受け入れる母親は、子どもたちを優しい愛で包み込む。そんな両親の狭間で葛藤を抱えながらも、2人の弟との楽しい時を過ごすジャックだったが…。
allcinemaより
傑作ヒューマンドラマと期待して見たのですが、序盤の延々と続く宇宙やら海やらマグマやらのイメージ映像に辟易し(別にいいけど長すぎる)、これが最後まで続いたら地獄だ|д゚)と挫折しそうになりました。「ヒューマンドラマじゃなかったの?こういうのならディスカバリーチャンネルやヒストリーチャンネルやBBCで沢山やってるからそっちで見るよ!しかも解説つきで面白いしね!」という気持ち(@_@。でも家族がどうなるか見たかったので我慢して最後まで見ました。
その後も家族の歴史の部分は面白かったがしつこく挿入されるイメージ映像には飽き飽き。
凄く面白いなぁと思ったのがレヴューを見てみたらイメージ映像が好きという人と家族のシーンが好きという人に分かれている傾向にある様だったこと。勿論トータルで好きだと言う人もいるのでしょうが。
私のイメージはディスカバリーチャンネルmeets宗教アワーmeets起承転結のはっきりしない(監督の自叙伝的)ファミリードラマ。。。の様な何とも散漫な印象がありました。
とにかく尺が長すぎると感じた。個人的にはファミリードラマをメインにイメージ映像は少しだけ効果的に入れるという感じにしてほしかったです。宗教的なメッセージは(キリスト教には詳しくないけど)どうもこの映画の中ではしっくりこなかった。
オチのシーンは次元を超えた空間と思われましたが、言いたいことは分かるけどどうも安易に感じ感情移入できなかった。私はショーン・ペンは好きだけど今まで見た作品の中で一番輝いて見えない彼だった。
子役とジェシカ・チャステインは素晴らしかったと思う。特に次男のシャイな微笑みと優しさに涙が出た(:_;)。
ブラピ演じるお父さんは今で言うパワハラモラハラおやじだけど当時はああいうお父さんて少なくなかったのかななんて思った。今ならすぐにセラピーを受けるべきですね。奥さんよく耐えたなと思う。
TO THE WONDERでも思ったけどエマニュエル・ルベツキの撮る絵が夢の様に美しかった。フェルメールみたいです。サントラも良かった。因みにTO THE WONDERも映像は美しいがストーリーは退屈だった。
私はテレンス・マリックは他に天国の日々しか見ていないがこの中では断トツで「天国の日々」がイチオシです。映像も美しいし難解な部分も無く、何よりも見終わった後に切ない余韻が残った。ツリー・オブ・ライフではそれが無かった。
見終わった後にこの映画は絵画の様だと思った。川村美術館のロスコルームを思い
だした。ガイドさん曰く「当館の目玉はロスコルームです。ロスコルームは地球上に4つしか無く、アジアでは当館だけです。」何でもロスコルーム目当てに海外から訪れる人も少なくないらしい。うむむ、そんなに貴重な空間なのか!👀
でも。実際にその空間に立っても特別な感慨は無かった。私にはその素晴らしさはよく分からなかった。
この映画も全く同じ類のものではないでしょうか。好きな人にはとても素晴らしい。そうでない人には一度見れば十分。或いは見なくても良い。
でもこれは絵画ではなく映画なので少なくともこういう作品はシネコンではなくミニシアターで上映するべきものではと思います。逆に言えばこういう作品をシネコンで上映できるならそれはとてもおおらかなことで良いのかも。
TV(BS)にて
★★