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本を作る男ーシュタイデルとの旅

 
 

 
 
2010 ドイツ 91分
 
Steidel(シュタイデル)
 
それはアート系書籍で世界最高
 
峰と名高く、オーナーのゲルハル
 
トの下、デザインから印刷・製本に
 
至るまで一箇所で行う、唯一無二
 
と言っても過言ではないドイツの
 
出版社だ
 
 
 
世界を飛びまわり、アーティストた
 
ちと本という芸術作品を作り出す
 
シュタイデルの世界に迫るドキュ
 
メンタリー
 
 
 
from cinefil imagica
 
 
 
 
 
最近見た作品の中でぶっちぎりで面白かったです(^_^)v
文字通りシュタイデル社のオーナー、ゲルハルトさんの仕事への哲学と仕事の様子(工房での仕事ぶりと世界各地へのビジネス旅行の様子)を追ったものです
普段の生活の中では一生縁の無い『製本』という世界を見れてとても楽しめました
 
私は普段から現代アートに親しんでいないのでシュタイデル社の顧客(著名な写真家が多かったです。マーティン・パー、ジョエル・スタンフィールド、ロバート・フランク、エド・ルシェ、等。他にデザイナーや作家等も。)も全く知らず、それらを見る(知る)だけでも勉強になりました(^_^;)
 
以前TVでベストセラー書籍の装丁を多く手がける有名装丁家のドキュメンタリーを見たことがありました
装丁というのは所謂カバー(本の外側)の部分ですがシュタイデル社の場合は装丁、印刷、製本(本を作る工程の全て)を一貫してやっていてそこが重要みたいです
 
作中のゲルハルトさんへのインタビューシーンから抜粋します
これらの言葉からシュタイデル社の方針がよく分かります
 
 
「私の作る本は工業製品ではない。 オリジナルの複製で芸術家のアイデアを反映している。そしてそういうアイデアは確かな技術を持つプロの手で体現されていくものだ。」
 
「本で大きな利益は得られない。大金を稼ぐことは稀な話だ。ベストセラーに的を絞れば別だがね。ギュンター・グラスの『ブリキの太鼓』やロバート・フランクの『アメリカンズ』等だ。所謂売れる本だ。私はそういう本で得た利益で他にも色々な本を作る。利益重視ではない本をね。そして後から気づいたんだ。特に意識しないままに独自のマーケティングモデルを築いていたことに。」
 
「シュタイデル社が手がける本はすべてドイツのゲッティンゲンのシュタイデル社で印刷されている。つまり良質で独特の趣を持つ本であると保障されているんだ。シュタイデル社の本の収集家が世界中にいるんだ。だから経営も、まずまずだと言えるよ。」
 
 
この作品を見ていて頭に浮かんだ一言は『職人』(^_^)v
素材やデザインへの拘り、芸術家たちとの信頼関係、休みも取らずに日々世界中を飛び回りクライアントに会いに行く(予約は3年先まで埋まっている様です)
その全てが完全に職人気質だな~と
 
ゲルハルトさんには明確なヴィジョンが常に頭の中にある様でクライアントたちもゲルハルトさんを全面的に信頼しているように見えました
 
ロバート・アダムス(写真家)との打ち合わせでロバートさんがゲルハルトさんに言ってました
 
「君のすることには絶対の信頼があるだろう。」
 
やっぱりどんなにやり手でも信頼関係がないと大事ですものね
 
 
 
人生で幸せなのは天職に巡り会えるか否かだと私は思いますがゲルハルトさんみたいな人生が一番幸せなんじゃないかな~と思います
この発言が如何に天職かということを物語っていますよね
 
 
「旅は好きじゃない。仕事のためだよ。2、3ヶ月かかる仕事も4日間の旅で片付くからね。同時進行の企画があるから直接出向く方が効率がいい。本来は家の方が落ち着く。インクや紙の香りともう離れていられないんだ。病みつきになってしまっているよ。」
 
 
 
最近は電子書籍の時代ですがゲルハルトさんが手がけるアート系書籍の需要はこれからも増えるのではないかと思います
 
「本には香りがあるということは忘れられつつあります。現代の印刷業界では4色印刷が主流であり化学合成のワニスも使われます。これが香りを消す原因になっているのです。私は天然油性のワニスを使っているのですべての紙にインクの独特の香りがあるのです。ページが重なり合う感じ。その香り。本の重み。紙の感触。目で見ること。ページをめくる音。その全てが本を構成する要素で、デジタルな世界で本をユニークな存在にしているのです。」
 
 
蛇足ですが本と聞いていつも思い出すのがいつかTVで見た荒又宏さんの本のコレクションの一つでアンティークの本(何世紀のものか忘れましたが一点ものの植物辞典の様な本。手描きのイラスト入り)。値段をはっきりと覚えていませんが確か700万円位だった気がしました。その値段を聞いて驚いたのですが(@_@;)そのイラストが本当に素晴らしかったので納得してしまいました。色々な意味で価値の高い一品なのだと思います。
この例は特別ですがゲルハルトさんの手がける本も部数があまり多くないのですぐプレミアがつくみたいです
 
因みに私が今まで買った本で一番効果なものはKISSTORYで値段覚えてないけど確か1万6千円位だったかな?(?_?)
 
 

 
 
 
数年持っていましたが大きくて場所取るし重くて見るのも大変なので処分してしまいました(^_^;)
因みに今見てみたらAmazonで中古で二万円ちょっとで出てました
私も売れば良かったかな~(爆)
もう二度と大きい本は買いません(artが分からない人間でしょうか?(^_^;)
 
私もとてもお金持ちだったらアンティークな本欲しいかもしれません
ヴォイニッチ写本の様な本はとても魅力的ですね♪
 
本をテーマにした映画とい言えばジョニー・デップが書籍探偵を演じた『ナインスゲート』を思い出しますね
これはマニアの為の先述の荒又さんのコレクションの様な希少本を探す役でしたね
私の大好きなレナ・オリンさんも出てました♪(怪しい役でしたが(^_^;))
 
 
あと下世話な話ですがアーティスト(この作品の中では主に写真家ですが)というのはお金持ちなのだということを知りました☆
素晴らしい環境に住んでいますね(@_@。
海を見下ろす高台の戸建て。誰もがうらやむ環境ですよね。成功の象徴だな~と小市民の私は見とれてしまいました
 
印象的だったことの一つにスイス出身でソーホー在住のロバート・フランクさんという写真家(現代を代表する写真家だそうです)が言ってたのですが
「スイスにいたら成功できなかったと思う。(アメリカに)移住して良かったと思ってるよ。」
アメリカン・ドリームを叶えた方なんですね
でもゲルハルトさんはゲッティンゲン生まれ、育ちみたいです
人生は色々で面白いなぁと思いました(^o^)♪
 
 
 
ドキュメンタリー作品というと作り手の一方的な意図が反映されていて物議を醸す『ザ・コーヴ』(和歌山県太地町で行われているイルカ漁を否定的な視点から撮ったもの)の様な作品もある訳ですがこの作品(How To Make a Book With Stiedl)はこれを観て不快に思う人は一人もいないと思うのでそういう意味でとても平和且つ興味深いドキュメンタリーで素晴らしいと思いました
こういう作品を取り上げてくれるシネフィル・イマジカもとても素晴らしいです
 
 
TV(CS)にて
☆☆☆☆☆☆☆☆☆

コメント

No title

ぽこっちさん

おひさまの本棚素敵ですよね^^

私ももっと本も沢山読めるといいのですが・・・
私は時間の使い方が上手くないのかなぁ(^_^;)

No title

本はいいですよね。でも読まなくなった自分です。
ドラマのおひさまの頃の本棚はいいですよね。
昔は本も映画も見ていました。
今は映画で終わってしまいます。
今はかみえるさんのブログで情報を得ている自分です。

No title

りゅうちゃん


だいぶ涼しくなりましたね^^
でも本日は台風が接近中ということでムシムシしてきています
りゅうちゃんも気をつけてね^^

好きな仕事はしていてもシュタイデルさんの様に趣味と実益を兼ねている人(天職をしながら余裕で生活できている人)はあまりいないのではないのかな~と?

本はいいですよね^^
映画もいいです♪
音楽も(^^♪

別世界へ連れて行ってくれますよね☆彡

No title

つい、先ほどお帰りになられたお客様がとても本好きな方で本のお話しをしておりました。

本として出版されるまでとか、なんていうか深い内容だな~って思いました。
それと、天職・・・という文面を見ながら、どれ程の人が自分の仕事を天職と思って頑張っているのかな~なんてこと考えたりしてしまいました。ちなみに自分は今でこそ今の仕事しかない・・・と思い頑張ってますが、やはり、途中何度かもっと自分に合ってる天職があったのではないだろうか・・・と考えた時期もありました。

なんか、本のお話しをした後でかみえるしゃんのブログを見たら、好きな本が読みたくなってました(^-^)
ところで、今日は寒くなってますね!!風邪に留意されお過ごし下さいませ(^-^)

No title

ジミーさん


私はマイ本棚が憧れです
朝ドラの『おひさま』で書斎のある家が出てきます
昭和初期の松本の家です
モダンだなぁといつも見とれます
假屋崎省吾さんがヴィスコンティの『家族の肖像』を見て憧れて書斎を作ったと言ってたのを思い出します


お金持ちだったら地下室にオーディオルームを作りたいです
^^

デジタルの普及で打撃を受けた業界は少なくなかったかもしれませんが本当に良いものは残っていくのだと思います♪


KISSTORYは重すぎました~(^^;)
単に私はマニアではないということですね

No title

こんにちは。
以前カレンダー印刷の仕事をしておりましたのである程度の印刷に関する知識があったりします。
結局コストの問題でカレンダー業界は衰退した訳ですが。。

KISSTORY、そこまでのマニアではありませんので買いませんでしたがコレクターとしての「所有欲」は満たされるアイテムでしたね^^

住環境の問題で往年の威圧感ある「書斎」なんて減っていく一方なんでしょうね。
手間の掛かった書籍が居並んだ高校や大学の図書館はいかにも、
の雰囲気でありました。

いつかLP棚とオーディオラックを復活させたいと思っています♪

No title

かっちゃん

おはよう(^-^)v
私も資料はざっと見ますが図書館に行くことはないです
かっちゃん凄いですね

音楽の場合はそのミュージシャンの熱心なファンの話を聞くのも有力な情報源と思います
でも私は日頃から熱心に情報収集はしていないので色々知りません(^o^;)
you tubeのコメントを見るのが好きです
この時私の街にこのバンドが来てたけどライブに行けなくて泣きました
みたいなコメントにその人の人生の断片(ドラマ)が見えるところが好きです


本は素晴らしいですよね
私は読書家じゃないけど本の無い人生は考えられません
電子書籍は便利だけど紙の方が目が疲れませんね
そう言えばシャープのガラパゴス(電子書籍用端末)が早くも製造中止と先日ニュースで見ましたがそれを見た時電子書籍も簡単には根付かないのかなとも思いました

No title

本か・・・。
すきですよ。

ブログの記事を書くとき、自分なりに
資料を集めるんですが、
最初は、ネットで調べるんですが・・・・。

ネットって意外と当たり前の事しか
書いてないんですよね。
それで、結局本を読んで調べるんです。
ない時は、図書館へ・・・。

若いときに読んだ本、忘れませんよ。
思い出深いのは、「ライ麦畑・・・・」です。

ゲルハルトさん、
もちろん、職人として仕事を
やってられますが、
いろんな人、いろんな芸術に出会うのが
好きなんだと思います。

僕の、思ったことですが・・。

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三匹のにゃんずと地味に暮らしています。
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