fc2ブログ

記事一覧

夏の嵐




1954    119分   イタリア

1866年、オーストリア軍占領下のヴェネツィアで観劇中の軍の将校と抗戦運動の指導者の侯爵との間に決闘騒ぎが起り、それを諌めに入った伯爵夫人は、従弟である侯爵を流刑にされながらも、その美貌の将校に狂おしく恋をする。再び戦争が勃発し、密入国した侯爵は従姉のもとを訪ね軍資金の保管を依頼するが、夫人はその金を、将校に軍籍離脱の賄賂のためにと渡してしまう。祖国は敗れ、ヴェロナにいる彼の元に馬車を急がせた夫人の見たものは……。
 薄汚れた姿で恋人を探して兵舎を訪ね回る夫人=A・ヴァリの激情は、トリュフォーの「アデルの恋の物語」のI・アジャーニの比ではない。G・R・アルドと彼の死で途中交代したR・クラスカーのキャメラのゴージャスさ、全篇に響き渡るブルックナーの第七番。これぞイタリア映画というボリュームで観る者を圧倒する、ヴィスコンティの最高傑作。

allcinemaより












リストアされているものでしたが、映像が超綺麗でびっくりしました。
オペラや戦闘シーン、豪華絢爛な衣装や美術にもの凄くお金がかかっているなぁという印象。


内容は一言で言うとメロドラマの王道と言う感じでした。ベネチアが舞台の時は石畳のロマンチックな街並みを二人で歩くシーンを見ると、私の永遠の憧れ『旅情』を思い出したりしますが、しかしこちらはその街中に兵士の死体が転がっていたりするところが時代を感じさせるのでした。

主演の二人(特にアリダ・ヴァリ)の演技が大仰で、豪華なセットも相まって舞台を見ている様でした。彼女の表情を見ていれば全てが分かり。凄い女優だと思う。

☆☆☆☆ネタバレ注意☆☆☆☆

恋は盲目ですね。フランツ(青年将校)が単なるチャラ男でペテン師というのは早めに分かっていた筈。突然フランツに会えなくなり、業を煮やしたリヴィア(伯爵夫人)が宿舎に尋ねると彼はおらず、机の上に見覚えのあるものが。それは彼女の髪。以前彼女がフランツに「これを私と思って」と豪華なカメオ型のロケットに彼女の髪を一房切って入れて渡したもの。リヴィアにとってその髪は彼女自身だったが、フランツの眼中にあったのは豪華なロケットのみ。彼はそれを換金するのに髪を捨てたのでしょう。

あそこでやめておけば被害最小だったし、旅情の二人の様にいいとこ取りで一生の思い出になった筈だけど、よせばいいのに(としいとうとハッピー&ブルー)山本リンダ(もうどうにもとまらない)になってしまい同胞まで裏切った末に全てを失う。
まぁそうじゃなければ物語にはならないけど。

でも女はやっぱり強いのだろうか。密告=彼の死(銃殺)と知っていながら彼女はそれを決行した。でも私にはそこが何故?だった。全てを捨てて愛したのであれば憎んでも相手を殺すことはできないのではないのか。或はどうせ堕ちたなら一緒に死んでほしかったが(『みじかくも美しく燃え』)。この二人の場合全くそういうタイプじゃなかったのね。
フランツはあのまま生きていても自堕落でアルコール中毒になり早く死にそうだったし、リヴィアもどっちにしても心神喪失という感じだったので(ラストの方で既にそう見えた)、いずれにしても二人とも破滅する運命だった様な気がしますが。それも時代によるところが大きいのでしょうね。

結末は彼女は命だけあるけれど、生ける屍だったのではと。彼女に残されたものは苦悩のみで、余生を自分の決断を後悔し続け只それのみで生きたのではと。

何が悲しくてあんなチャラ男に人生賭けなきゃならなかったのと言いたいが、反面羨ましくもあったりして。


厳しい時代の虚しいお話でした。

因みにこの邦題は原題とは全く違うけど、素晴らしい邦題だと思います。
フランツが夏が好きだと言っていましたね。



TV(BS)にて
★★★★★★



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kamieru

Author:kamieru
かみえるです☺️🌷
三匹のにゃんずと地味に暮らしています。
映画、私の猫のこと、テニス、通販で買ったもの、その他日常のことを書こうと思います。
ご訪問、コメント歓迎です❤️
よろしくお願いします☺️✨

月別アーカイブ

カテゴリ