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女優須磨子の恋

 

 
 
1947  96分 日本
 
 
坪内逍遥とその愛弟子・島村抱月らが主宰する演劇研究所は、試演場の落成記念公演として近代劇の始祖イプセンの「人形の家」を上演しようとするが、まずは女優探しが火急の課題に。そんなさなか、抱月は、まるで劇の物語を地で行くかの如く、夫を捨てて家を飛び出した所員・松井須磨子の姿を見て、ヒロインのノラを演じられるのは彼女をおいて他にはないと須磨子を主演女優に抜擢し、公演は見事成功。やがて2人は恋に落ちるが…。
 
from wowow
 
 
☆彡ネタバレ注意☆彡
 
 
 
溝口作品初体験です
これって事実の映画化なんですね\(◎o◎)/
松井須磨子さん、島村抱月さん、共にお名前位しか存じませんでしたが松井さんは大女優で抱月さんは新劇運動の立役者だったそうですね
 
 
何とも壮絶な悲恋、人生ですm(__)m
 
抱月が『人形の家』のノラは須磨子以外にいないと思った時から二人は運命共同体になった
 
抱月は全てを捨てて家を出て須磨子を看板女優に芸術座を立ち上げ人生の全てを賭ける
 
 
抱月が須磨子に言う
 
※『僕の芸術、人生は君がいて初めて生きる。』
 
この台詞が全てを語っていると思いました
 
二人はソウルメイトだったんですね
 
 

 
 
 

 
 
 
 
各地を巡業して必死で働きやっと軌道に乗ってきたかと思われた矢先に抱月がスペイン風邪であっけなく急逝
それを追うように間もなく須磨子も自殺
 
人生ってうまくいかないですね・・・m(__)m
 
でも・・・二人が一緒にいた7年間はとても幸せだったんじゃないかなと私は思いました (その幸せの犠牲になった人がいたのも事実ですが) 
 
志半ばで・・・というのは残念でしたが・・・
 
人生を賭けられる仕事と「この人以外にいない」というパートナーを両方見つけるなんてなかなかできないことだと思うので
 
この時代の作品(邦画)って数えるほどしか見ていませんが印象は全体がお芝居の様な感じでした
お芝居を映画にした感じというのでしょうか
 
 
 映画を通してはあんまり二人の苦悩が伝わってこなかったのですがこういうことが実際に大正時代にあったということを知れて二人とその時代を偲べたのが収穫でした
 
あと山村聡さん(抱月役)は今まで超然としている役柄しか見たことがないのですがこの抱月役は狼狽しまくる場面がありとても人間らしくて新鮮でした
実際の抱月さんの写真を見たらなかなか男前だったので品のいい聡さんは適役なのではと思いました
 
田中絹代さんに関しては特に美人でもないしあまりピンと来ませんでしたが(ごめんなさいm(__)m)一座を背負って立つ看板女優の気の強さ、意気込みは伝わりました
何でも溝口監督と田中絹代さんは名コンビだったそうなので機会があれば他作品も見たいと思います
 
 
ところで島村抱月の様に『全てを捨てた恋』と聞いて思い出す話があります
『王冠を賭けた(捨てた)恋』と言われたエドワード8世とアメリカ人のウォリス・シンプソン夫人とのロマンスです
結果エドワード8世はシンプソン夫人への愛を貫く為に王位を退位したのですがその時の国民へのスピーチ
 
私が次に述べることを信じてほしい。愛する女性の助けと支え無しには、自分が望むように重責を担い、国王としての義務を果たすことが出来ないということを。(But you must believe me when I tell you that I have found it impossible to carry the heavy burden of responsibility and to discharge my duties as King as I would wish to do without the help and support of the woman I love.)」(from wiki)
 
これが先述の抱月の言葉※と重なりました
 
もちろん二人のそれぞれの立場は違いましたが「愛すると生きる人生を選びたい」(心のままに生きたい)というところが・・・
 
様々な観点から様々な意見はあるでしょうけれど私はそういう世紀の恋ってとても憧れます
 
でも須磨子さんには後を追わないで生きて欲しかったな~(T_T)
 
因みに芸術座につい調べてみたのですが須磨子さんが1918年に亡くなり解散になったあともう一度1924年に元劇団員が復活させたけれどそれも1945年に戦争によって続けられなくなり解散になったと知って何か凄く寂しく思いました
 
劇団を続けていくって本当に大変なんですね
勉強になりました
 
 
TV(BS)にて
☆☆☆☆☆
 
 
 
 
 

コメント

No title

フリーダムさん

>なにか、他とは違うものがやっぱりあったでしょうか?


この作品でしょうか?
う~ん・・・溝口作品初めてなのでまだよく分かりませんが私は特に個性を感じた部分はありませんでした(^_^;)
とてもシアトリカルだな~とは思いましたがそれがいいのかもしれません

No title

「雨月物語」って溝口監督の作品ですよね。世界レベルと言われる溝口映画ですが、私もまだ1作しか見てません。なにか、他とは違うものがやっぱりあったでしょうか?
昔の人たちは、なんも真剣だったのですね。でもそれは今でも変わりはないのかも知れません。

No title

りゅうちゃん


『にごりえ』もそうでしたけどこの時代は壮絶な結末のものは珍しくないんですねきっと


須磨子さんの最期はは激しい性格故だったのでしょうね

残念でした
(T^T)


ソウルメイトとは結ばれない場合もありますね


お千代さん(人生色々)です
(TへT)

No title

この作品、ブログタイトルを見た瞬間にこれかな?!って思いました。
私も、須磨子さんに後は追って欲しくなかったな~って思いました。
でも、この時代って後追い自殺っていう結末が多かったような気もしました。
ところで、ソウルメイトと思う方と出会えることって本当に素敵なことですよね!!
今、色んなことが頭の中を巡っています・笑・・・妄想です(^m^)

No title

doctorさん

こんばんは^^

>今の日本映画と全然違う情熱みたいなものを感じて、ショックを受けました。
>まるでエネルギー溢れる舞台を観ているようでした。

分かります
この時代の日本映画ってそうですよね
凄くエネルギッシュだし舞台のようだと私も思います



『雨月物語』是非見たい作品です☆彡
雨月物語と同じ年(昭和28年)に作られた今井正監督の『にごりえ』の記事を書きましたのでよろしければお時間のある時にでも御覧になってください
(*^_^*)

http://blogs.yahoo.co.jp/iguessitspolite/5367079.html

因みに8月15日の記事です

この年のキネマ旬報第一位が『にごりえ』だったのだそうです
『雨月物語』(未見ですが)や小津監督の『東京物語』(こちらは見ました。大好きです)を押さえて一位って本当に凄いな~と思いました

No title

これ、溝口作品なんですね!!知りませんでした・・・。
実は、以前TVで「雨月物語」を観てから、溝口映画が好きになって、「山椒大夫」とか「新・平家物語」とか見ました。
今の日本映画と全然違う情熱みたいなものを感じて、ショックを受けました。
まるでエネルギー溢れる舞台を観ているようでした。
田中絹代さんて、そうですよね、大して美人じゃないですよね。
でも、日本の大女優だそうで~須磨子の話は、朝ドラの「ゲゲゲの女房」でも言ってたような。
BSでやってたんだ~見たかったなぁ。。

No title

かっちゃん

ジョンとヨーコもソウルメイトですよね
二人の結婚した時が超憧れます
二人とも白いいでたちでしたね
凄く素敵でした

あと私はいつもジョンがショーンをおんぶして一生懸命家事をやってる姿を思い出すと何故か涙が出ます
(T_T)

No title

映画の事は、よくわかりませんが・・。

二人の、エピソード
『僕の芸術、人生は君がいて初めて生きる。』
などのところ・・。

ちょっと、二アンスは違いますが、
ビートルズの「ジョンとヨーコ」
の事を、思い出しました。
うまく言えませんが・・。

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