イレブン・ミニッツ
- 2017/10/17
- 21:12
2015 81分 ポーランド/アイルランド
「アンナと過ごした4日間」「エッセンシャル・キリング」のイエジー・スコリモフスキ監督が、午後5時から5時11分までの限られた時間に焦点を絞り、様々な登場人物たちが繰り広げるありふれた日常の一コマ一コマが、やがて思いも寄らぬ結末へと収斂していくさまをモザイク状に描いた実験精神あふれる群像サスペンス。街に午後5時を告げる鐘が鳴る中、一人の男が慌てて家を飛び出し妻のもとへと向かう。その妻は女優で、優雅なホテルの一室で下心ミエミエの映画監督と一対一の面接に臨もうとしていたが…。
allcinemaより
非常に不穏な群像サスペンス。登場人物が訳有りらしい人たちが多く、その訳も何なのかイマイチ分からない人も多い。それ自体見ていてこちらも不穏な気持ちになるが、繰り返し使われる、神経を逆なでする様な不穏そのものという感じのインスト曲がそれを増幅させる。突然ガラス窓を突き破って鳩が飛び込んできた音もびっくりしたし、バイク便の男が荷物を届けた部屋には不穏な音声が流れていた(あれは彼の幻覚かもしれないけど?)。穏やかだったのはホットドッグを食べていたシスターたち位かと。
言ってしまいますが、この映画はラストの為にそれまでの時間があります。
あっと驚くラスト。私は何が起こったのかよく分からず、もう一度スロー再生で見て意味が分かった。
ちょっと誇張しすぎかなぁと思うシーンもあるけど、描きたかったことは分かった。
ラスト(モザイク)にそれが分かり易く象徴されていました。
それ(作品のテーマ)について何か言うとネタバレになるから書かないけど、そのテーマ自体に新鮮さは無いと思う。
不穏すぎるし懲りすぎ?それが裏目に出た様な?この人の映画って基本穏やかなシチュエーションではないので、不穏なのは分かるけど、何て言うかあまりパっとしないなぁという印象。
『早春』の様な萌えと衝撃。『アンナと過ごした4日間』の様な情緒。の様な心に深く残るものが無かった。
でも好きな人は好きな様なので、御興味のある方は見てみてください。私は一度見れば十分でした。
TV(BS)にて
★★★