2009 101分 アメリカ
グッチやイヴ・サンローランでの活躍などで知られるファッション界を代表するデザイナー、トム・フォードが、自身念願の映画監督デビューを飾ったヒューマン・ドラマ。クリストファー・イシャーウッドの原作に監督自身の体験も織り込み、愛する者を失い絶望の中で自らも死を決意した男が送る運命の一日を美しい映像で丁寧に綴ってゆく。主演は「ブリジット・ジョーンズの日記」のコリン・ファース。共演に「ブラインドネス」のジュリアン・ムーア。
1962年、ロサンゼルス。大学教授のジョージは、16年間共に暮らしたパートナー、ジムを交通事故でなくして以来、8ヶ月に渡り悲嘆に暮れていた。そして今日、その悲しみを断ち切り、人生に終止符を打とうと決意する。身の回りを整理し、最期を迎える準備を進めていくジョージだったが、大学ではめずらしく自らの信条を熱く語り、ウンザリしていた隣家の少女との会話に喜びを感じ、かつての恋人で今は親友の女性チャーリーと思い出を語らい合うなど、その日は些細な出来事がいつもと少し違って見えるのだった。そして一日の終わりを迎えようとしていたジョージだったが、そんな彼の前に教え子のケニーが現われ…。
from allcinema
昨日見たんですが今もずっと余韻が残っていて浸っています
久しぶりに自分好みのしみじみした作品を見ました何とも美しく切ない作品(T_T)
とにかく映像が美しい
カルロスと雑貨屋の駐車場で語らうシーンの空の色(巨大看板の最初のブルーとのコントラストがナイス)
夜の海の色、湖面の輝き、夜のジョージの部屋のオレンジ色
ジムとジョージの回想シーンでのモノクロムの岩壁・・・etc
まぁどれもことごとく美しかったです
全体的に抑え目のトーンなんだけどそこが又良い
「トム・フォードデビュー作」
誰?俳優??誰か知らないけど才能のある人ですね~と思いきや世界的に有名なファッションデザイナーで一世を風靡した人だそうである
(ファッションに疎いかみえるは存在を知らなかった。因みにかみえるが知ってるファッションデザイナーは先日見たシュタイデルに出ていたカール・ラガーフェルド他ほんの数名ですはい)
ファッションデザイナーの作る映画とはこうも美しいものなのか!!
(と言うよりやはりこの人のセンスが良いのでしょう)
どんな人か調べてみた
何とイケメンではないか!イケメンのデザイナーっているんですね(失礼。あまり見ないので。)
元は俳優志望だったが転じてデザイナーになったらしい
なるほど。元から映画は好きな人なんですね
しかし端から素晴らしい作品を作ってくれました!!
原作はクリストファー・イシャーウッドの短編小説
この装丁素敵です。因みに未読。ていうかこれ邦訳されてないの??読みたいな~!!小説の方も概ね素晴らしいというレヴューが多いです因みに小説と映画の方は若干内容は違う様ですトム・フォードさんインタヴュー全てを訳す英語力は無いので一部を訳すと「願望は切りが無いし死ぬまで続くけどそれをやめて今自分の持っているものに満足してこれが人生だと思うこと。それがこの作品のメッセージです。」まぁしかし雰囲気も気さくでハンサムで才能があって本当に凄い人だな~と思いますこの作品はゲイのお話ですがトムさん御本人がゲイで25年間一緒にいるパートナーがいらっしゃってこの作品もその彼に捧げられています(カメオ出演で一瞬出演もしています。)だからこそ凄く説得力があるな~と思いました作品を見ながらトムさん自身もこうして誰かを深く愛してきたんだな~と別のインタビューで「ジョージとジムの関係が凄く重要なんです。」と言っていました。他にも上の写真の水色のドレスの女の子(ジョージの隣家の女の子)のお兄ちゃんの名前がトムだったり、彼女がペットの蠍が入ったビンを抱えながらジョージに話す場面で「お兄ちゃんが髪を卵でトリートメントしろって言うの。」と言うシーンがあるのですがトムさんが子供の頃に実際蠍を飼っていて、+卵でよくお姉さんの髪をトリートメントしていたそうです(^o^)あと劇中に登場する犬がトムさんの犬だったりジョージの役柄のフルネームはGeorge Carlyle Falconer.でこのCarlyleは実際にトムさんのミドルネームだったりと様々な場面で御自身を作品に投影されている様です制作費も全部御自身で出した様ですし(ファッションで得た利益をこの様な素晴らしい作品にして社会に還元してくれるならばファッションとは有難いものだな~と素直に思ってしまいました☆彡)トムさんのこの作品への並々ならぬ思い入れを感じますがそれは作品を通して見る人たちに十分伝わっていると思いますこの作品のレヴューで「過去に見た作品を思い出す」というレヴューを幾つか見かけましたがしみじみしたヒューマンドラマやアート系の作品が多い様でした私の場合これを見ながら思い出していたのは『愛を読む人』でしたゲイの話でもないし時代も内容も違いますが叙情的で美しく狂おしい愛の物語であり素晴らしいヒューマンドラマであることあんなに深く誰かを愛すこともあんなに幸せだったことももう二度と無い(ジョージ曰く「人生が価値を得るのはごく数回他者との真の関係を築けたときだけだ。」)でもそんなに簡単に人生を終わらせることはできないそういう部分がリンクしました私の好きなアンソニー・ミンゲラさんの世界を思い出しました(『愛を読むひと』はミンゲラさんの製作です)ずっと切ない愛をテーマにしていた人で美しい作品をつくっていた人でしたからあとストリングスが印象的な素晴らしいサントラも共通していましたね聴いてくださいこのあまりにも美しく切ない曲(T_T)この曲を聴けただけでも見れてラッキーでしたこの様に全てがしみじみした作品でしたこの作品がGLAAD(中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟)メディア賞を受賞した時トムさんの代わりに受け取るパートナーのRichardBucleyさんの映像がありましたBucklyさんの最後の“love is love”という言葉を聞いた時感動して泣いてしまいました(T_T)
その通りですLove is Love
トムさんには今後も素晴らしい作品を作って頂きたいと期待しています
TV(BS)にて
☆☆☆☆☆☆☆☆☆