あの頃エッフェル塔の下で

2017/11/27
20:45

2015 　123分　　フランス

「そして僕は恋をする」「クリスマス・ストーリー」のアルノー・デプレシャン監督が、マチュー・アマルリックを20年前の「そして僕は恋をする」と同じ役名で主演に起用して贈る追憶のドラマ。中年の主人公がある出来事をきっかけに、若き日の冒険譚やほろ苦い初恋の思い出を回想していくさまをノスタルジックに綴る。主人公の青年時代とヒロインにはともに新人のカンタン・ドルメールとルー・ロワ＝ルコリネを抜擢。
　長い外国暮らしから久々にフランスへ帰国した人類学者のポール。空港でパスポートのトラブルに巻き込まれ、足止めを食らう。彼と同じ名前のパスポートがもう一通存在するというのだ。取り調べが進むうち、高校時代に親友のマルクと行ったソ連で、ユダヤ人を助けるためにパスポートを盗まれたと偽り、再発行していたことを思い出す。やがて彼は、エステルとの初恋の記憶をも呼び覚ます。パリの大学に通うポールは、妹の同級生で地元ルーベではアイドル的存在だったエステルのハートを射止める。パリとルーベで離れて暮らす２人は毎日のように手紙を書きつづり、互いの恋心を確かめ合うのだったが…。

allcinemaより

初めはポールのソビエトでの冒険譚の話だったので、ポールの半生を描いた作品なのかなと思ったら、実はポールとエステルの愛の物語（ポールとエステルの青春時代にスポットを当てたお話）でした。

残念ながら「そして僕は恋をする」を見ていないので、ポールとエステルの長きに亘るヒストリーを知らないのだけれど（そこは失敗したなぁと思った。BEFORE　SUNRISE　/BEFORE　SUNSET　/BEFORE　MIDNIGHTだってちゃんとSUNRISEから見ないと駄目なのだ

）、それでも！！久しぶりに最高に萌えました。この大萌え🔥（燃え！笑）は超久しぶり。これぞフランス映画の真骨頂と思いました。実際フランスでは絶大な人気を誇る監督さんらしい。

とにかく切なかった😢上の画像の男子たちだけの画像を見ても切ない。💘青春って本当に辛くて切ない。でも後から思うとやっぱり（英語タイトルの様に）、

golden　days

なんだよね(-_-）幻の様に過ぎて行ってしまうけれど、掛け替えの無い季節。そういう切なさでした。

主演の二人が凄く良くて、こういうのを適材適所と言うと思った。エステル役のルー・ロワ＝ルコリネのアップが何度も出て来るのだけど、物憂い表情が印象的です。

二人が地元とパリで離れ離れになった時、エステルがかなり情緒不安定になっていき、ポールが励ますシーンが切なかった（よろしく哀愁

）。エステルは寂しさから他の人とつきあうようになり（ポールの友人とも

）、ポールも他の人とつきあったりするのだけれど、ポールがパリに旅立つ前に「僕は一生かけて愛する。」と言った通りに二人の愛は終わらなかった。

でも二人が大学を卒業して、ポールが外国に行ってしばらくしてから、二人は結局破局したらしいが、ポールが中年（初老？）のおじさんになって、祖国に戻るまでの間の二人の関係については描かれておらず、その間のエステルの消息も全く分からないのが不完全燃焼だった。でも二人は長年手紙のやりとりをしていた様だったけれど（？）、その辺りの詳細はやっぱり「そして僕は恋をする」を見ないと分からないのかも。

おじさんになって祖国に戻ったポールは、旧友コヴァルキ（彼はエステルとつきあっていた）と再会したのをきっかけに、くすぶっていた炎が再燃した様だった。（中年の危機？）「すべて元のままだ。変わらぬ愛、変わらぬ悲しみ。僕の怒りも！」煙草をスパスパしながら感情のままにぶちまけ、怒りに震えながら夜の街を歩くポール。そこふいに紙吹雪（実際は紙切れの嵐）が押し寄せ（３番目の画像）、その一片を拾って見たポールの表情が、パッと輝く。この一連のシーンが如何にもフランス映画っぽくて良かった。紙吹雪のシーンは幻想的。ポイントはギリシャ文字

そしてエンディングが秀逸。切なくて泣ける(T_T)

終盤でおばさんのエステル（本人ではなくとも消息）が出て来るのかなと思っていたので、出て来ないまま終わったのは、え゛ー