FC2ブログ

記事一覧

スリー・ビルボード





2017  116分  イギリス/アメリカ

「ファーゴ」のフランシス・マクドーマンドが娘を殺された母親の怒りと悲しみを体現して絶賛された衝撃のサスペンス・ドラマ。アメリカの田舎町を舞台に、主人公がいつまでも犯人を捕まえられない警察に怒りの看板広告を掲げたことをきっかけに、町の住人それぞれが抱える怒りや葛藤が剥き出しになっていくさまを、ダークなユーモアを織り交ぜつつ、予測不能のストーリー展開でスリリングに描き出す。共演はウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル。監督は「ヒットマンズ・レクイエム」「セブン・サイコパス」のマーティン・マクドナー。
アメリカ、ミズーリ州の田舎町エビング。ある日、道路脇に立つ3枚の立て看板に、地元警察への辛辣な抗議メッセージが出現する。それは、娘を殺されたミルドレッド・ヘイズが、7ヵ月たっても一向に進展しない捜査に業を煮やして掲げたものだった。名指しされた署長のウィロビーは困惑しながらも冷静に理解を得ようとする一方、部下のディクソン巡査はミルドレッドへの怒りを露わにする。さらに署長を敬愛する町の人々も広告に憤慨し、掲載を取り止めるようミルドレッドに忠告するのだったが…。

allcinemaより


















一言で言うととても面白かったです。2時間少しと長いけど退屈しませんでした。脚本が凄く面白かったので、小説の映画化なのかなと思ったらオリジナル脚本なんですね!!凄い。
あと上の3人の演技が秀逸でしたね。フランシス・マクド―マンドは『ファーゴ』で見てからずっと大好きで、私的にはシャーロット・ランプリングやクリスティン・スコット・トーマスと共に、そこにいるだけで満足という女優さんですが、今作は彼女の真骨頂でしょうね。多分オスカーを獲るのではないでしょうか。所長役のウディ・ハレルソンも素晴らしかったですが、私的にはディクソン役のサム・ロックウェルがあまりにも印象的で、普段そういうことは何も思いませんが、今作を観終わった時に、この人絶対オスカー獲るだろうなと思いました。演技も素晴らしいけど、役柄的にこの人に一票入れたいと人々が思う役柄なので(差別主義者の嫌な奴だったのが、他人の痛みを知り変わっていく)。でも他作品は観てないので分からないけどおそらくは。

内容的にはきつい話でしたね。「歩いていけば?」「歩いていくわ!レイプされるかも。」「レイプされろ!」(母娘の会話)そして事が起こってしまった。これは本当に生涯立ち直れませんね。暴力シーン、差別発言も沢山出てくるのでそういうのが苦手な人はきついと思います。でも人を傷つけるとそれは自分に帰ってくる、他人の痛みを知った時に人生が変わる。ということも描かれています。

個人的に泣けたのは病室のシーン。人を許し、労われるのは素晴らしいことと教えてくれた。私はあれを見てどうしてもオレンジジュースが飲みたくなり、帰りに買って帰った

ジェームス(小さな男性)のレストランでの台詞も良かった。彼の言葉にミルドレッドは元夫にワインの瓶で攻撃するのを思いとどまらせたのだろうと思った。個人的には攻撃して欲しかったけど(下品で嫌な奴なので)。

どうでもいいことなんだけど、今日知り合いが亀を飼うと言っていたので、この映画に亀が出て来た(一番下の画像)ことを話した。ミルドレッドが看板の場所で出逢った鹿や、警察署長が飼っていた美しい馬の様な存在感は無いかもしれないが、あの親子の傍にいた亀はいいアクセントだと思った。

一つ疑問だったのは結末。二人は多分行動には出ないのだろうと思ったが、あの思想は極端でちょっと疑問。気持ちは分からないではないけれど。


蛇足ですがこの映画を見ながらキリングフィールドを思い出していました。映画ではありません。ディスカバリーチャンネルで放送された20年前の未解決殺人事件の再捜査を追ったドキュメンタリーです。被害者は女性で湿地帯で無残な状態で遺体が発見されました。そこにこの事件の捜査に人生を賭けているベテラン警官が出てきたのですが、この人がガンのサバイバーで、病の再発を心配しながらもこの事件の捜査に執念を燃やすという状況でした。この二つが映画と重なったのです。所長とミルドレッドが話している時(↑画像)所長が自分は病気だからと言う。ミルドレッドはそれを受けて、「知ってる。死んでからじゃ意味ないでしょ(生きてる間に解決して)。」と言う。正にキリングフィールドだなと。でもキリングフィールドの場合はもう20年経ってるので、容疑者かもしれない人が亡くなっていたりして捜査は難航を極めるのですが、ミルドレッドの娘さんの事件はまだ7ヶ月だけどそれでも糸口が無くなかなか解決しない
何とか早めに解決してほしいとフィクションだけど思ってしまいました。フィクションだけどこういう番組をよく見ているので、捜査する人やご遺族のことを思うと身につまされる思いがしました。マクドーマンドは遺族の悲痛と執念を力演していたと思います。


タイトルも印象的でした。邦題はスリー・ビルボードですが、
原題はTHREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURIと具体的です。
ここで私の娘は殺され、私は今もここで苦しみながら生きている。ということの象徴と思いました。


幸福な気持ちになる作品ではないですが、お金を払う価値があったと思ったので、個人的にはお勧めです。


★★★★★★★★





コメント

No title

まうさん


こんなこととは人種差別などですか?おそらくあるでしようね。

これとshape of waterが作品賞を争っているということでしたが、shape of waterも(まだ観てないけど)、ギレルモ・デルトロが主人公が「美男美女ではあり得ない」というところに拘ったというところが(清掃員のおばさんと生物実験の対象の半魚人)、今作の田舎に住んでる普通の(不幸な境遇の)おばさん(かなり強いおばさんだが。)が主人公というところと共通するものを感じます。

No title

時代は現代のはずなのに、アメリカの田舎ではではまだまだこんなことが?
まさか、というくらいな展開でした。
主人公の思いがどんどん過激になる様が
すさまじかったです~。
この映画は、みた後、観客がどう思ったのかレビュー読むのも楽しみになりました。
俳優さんたちも、素晴らしかった。

No title

ふくさん

暴力が沢山出てきて馬鹿らしい会話も出てきて、びっくりなストーリー展開なので、タランティーノ作品を思わせるものがありましたが、最近のタランティーノ作品よりも個人的にはずっとおもしろいと思いました。

No title

こんばんは(*´ー`)
観られたんですね~~
私は恐らく随分後のレビューになりそうです
でも、とっても楽しみですよ
キャストもいいですよね

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kamieru

Author:kamieru
かみえるです☺️🌷
三匹のにゃんずと地味に暮らしています。
映画や猫、テニス(錦織くん)、
日常のことを書こうと思います。
ご訪問、コメント歓迎です❤️
よろしくお願いします☺️✨

月別アーカイブ