FC2ブログ

記事一覧

泳ぐひと






1968   94分  アメリカ


日曜日の午後、高級住宅地に水泳パンツひとつの姿で現れた会社重役ネッド。彼は近隣のプールを順々に泳ぎながら我が家へ帰りつこうとする。だが、彼が出会う人々の態度は次第に奇異なものとなり、ネッド自身も人生への疑問を抱くようになる……。
主人公の眼を通してアメリカ上流階級を痛烈に皮肉る作品になっているが、“プールを泳いで家に帰る”というストーリーからも判るように、徹底した不条理劇であり、最後にようやく辿り着いた我が家のオチなど、もはやSFの域に達していると言ってもよいだろう。ジョン・チーバーの短編小説を基に、才人F・ペリーが映画化したニューシネマの異色作(脚色は夫人のエレノア)。

allcinemaより
















生前主演のバート・ランカスターが、自身の代表作且つ最もお気に入りの作品と言っていたそうです。

存在を知りませんでしたが、町山さんの番組で見ました。(以前NHKBSでも放送されたようですね!流石NHK。見逃すとは愚かな私🙇)
事前知識は「とにかく泳いでばっかりいる男の人が出てくる変な映画。」のみ。これで俄然興味を持ちました。町山さんの番組は本編の前後に町山さんの解説が入るのですが、私はいつも前の解説は省いていきなり本編を見ます。
なのでまっさらで楽しめました(*^^*)
(話ついでに)見終わってから後の解説を聞いて知識を深め(これを聞き、よく理解できました)、冒頭に戻り頭の説明を聞いてから二回目を見ると完璧です!この見方個人的におすすめです👍✨


オープニングクレジット。不穏な感じで始まり、物悲しいメロディに移行するBGMに乗せ、誰かが山の中を歩いているらしきサスペンスタッチの映像。人の姿は無いが木の枝が揺れ、足音が聞こえ、気配を察知した野性動物たちが一目散に逃げていく。何じゃこりゃ?クライムサスペンスかホラーか(・・?💧やがて俯瞰で水着姿の男が映り、木立の中を抜け豪華な邸宅に辿り着き、庭にあるプールにいきなり飛び込んで泳ぎだす。何じゃこりゃ😲住居不法侵入じゃん❗(@@)(後から知ったのですが、この頃はお金持ちの間ではこの様に知人が気楽に出入りするのは一般的だったらしいです?)
プールから上がると男は邸宅の住人や、ゲストたちと慣れた感じで社交辞令的な会話をにこやかに交わします。空は青く燦々と陽が降り注ぎ、全てはとても美しく爽やかな日。男も50代なのに見事な肉体でとても若々しい。でも会話や雰囲気の何かがちょっと変です。男はプールにしか興味が無い様で、目を輝かせながら、ここから知人宅の幾つかのプールを泳ぎ繋いで自宅まで帰ると言い、知人たちが嘘でしょ?と呆気にとられている傍でプールに飛び込み、向こうまで泳いだ後、走って去っていきます。

こうして男の「(自宅までの)プールの旅」が始まるのですが、以降最後までずっと変な映画です。どこも不法侵入で入っていき、只酒をもらい、泳いでから去っていく。本当に意味不明。前半だけ見ていたところでは、これは本当に意味不明なだけの映画なのかと一瞬思ってしまいました。男が草の上を全力疾走で馬と競争したり、かつて男の娘のベビーシッターだった女性とハードルをするシーン(青春映画みたいなBGM。スローモーションを多用)には笑いが止まらず(笑)。
本当に意味不明のことからカルトムービーになったらしいTHE ROOM(2003)。この映画もそういうこと?


★★ネタバレ(オチ以外)注意★★

しかし全く違いました。旅が進むにつれて男の状況が明らかになっていきます。進むごとに雲行きが怪しくなっていく。途中で若い男性が男に「昔あなたが乗っていたジャガーに憧れましたよ。」という台詞にも昔は羽振りが良かったが今はそうではないことが分かる。現実は市営プールに入場するお金さへ持っていないのです。各知人宅で男が発した言葉に知人たちが度々顔を見合わせ、怪訝な表情をすることからも男が尋常では無いことが分かる(普通に考えれば男の言動は認知症レベル)。太陽燦々緑青々だったのがいつしか日は陰り葉は枯れ男は寒さに震えが止まらない(一日の中で数ヵ月?過ぎています。このあたりは本当にSF)。雷まで鳴り出す。そして衝撃のラスト(でもこれは大体の人は予想がつくと思うけど)。

いやー。。。とにかく不思議で凄い話でしたね。何でも原作者は当時実際この辺りに住んでいて、その地域の人たちのことを調べてこの小説を書いたのだとか。つまりはアッパーたち(横柄で我儘で差別的な人たち)への批判作品らしいです。それは見ていて納得が行きましたね。プールを新設した家の夫婦が、(高い濾過装置を着けたから)「99.9999%クリーンな水」なのだと夫婦で強調しているところなど如何にもという感じでした。

そして男の転落人生に関しては、まあついていなかった部分もあるかもしれませんが、おそらく自業自得と思います。外面はいいけど尊敬できる様ないい人でもなかったし(所謂チャラ男)、人生設計に関しても結局詰めが甘かったのだと思います。それにしても人間というのは本当にしょうもない生き物だなあということを実感してしまうお話です😢💔その意味で(人間の不毛さを描いている)冒頭の解説の「不条理劇」というのも分かりますね。

この映画中年の危機及び落ち込んでいる状態の人が見ると立ち直れないかもしれません😅ご注意を⚠

因みに主演俳優のチョイスは当初ウィリアム・ホールデンだったのが叶わず、(『追跡』で私が素敵だと騒いだ💓→)グレン・フォード、ジョージ・C・スコット、ポール・ニューマンも候補に上がっていたそうです。名優ばかりでびっくりですね❗
☆(@_@)☆バート・ランカスターは泳ぎが得意ではなかったそうで、この役の為にUCLAでプロに教わったのだとか。他にも身体を作る為エアロビや空手など色々やりながら撮影の間中ずっとプロポーションを整えていたそうです。バート・ランカスターはアクロバット出身の人なので、そういう人でもこうやって鍛えなきゃならないんだなあと。俳優ってやっぱり大変ですね❗
他にも予算が足りず、ランカスターがポケットマネーで撮影最終日のお金を出した、ランカスターはディレクターと気が合わなかったなど色々興味深いエピソードを知れて良かったです。

この世にカルトムービーと言われるものは沢山ありますが、自分が見たその手のものの中では特に素晴らしかったと思います。とてもユニークで不思議。シニカルで悲劇的なところが好みです。そしてストーリーの詳細は明かされないけれど、描いていることはシンプルです。バート・ランカスターの演技も素晴らしい。

娯楽作品以外も興味がある方で、ヒューマンドラマ系が好きな人にはきっとアピールするものがあるのではないかと思います。ただし原作を読んでいる人には不評の様です。私も原作を読んでみたいですが、日本語版はおそらくみつからないのかなと。

因みにこの映画のドキュメンタリー作品があるのを知りました。2014の作品です。50年前の映画なのでもう亡くなっている人も少なくないと思いますが、結構沢山の出演者が出ているようなので見てみたいです。きっとTVでは放送されないでしょうね😢スターウォーズ関連のドキュメンタリーは複数放送されているのになあ(-.-)


久しぶりに『地上(ここ)より永遠に』が見たくなりました❗

TV(CS)にて
★★★★★★★★★

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kamieru

Author:kamieru
かみえるです☺️🌷
三匹のにゃんずと地味に暮らしています。
映画や猫、テニス(錦織くん)、
日常のことを書こうと思います。
ご訪問、コメント歓迎です❤️
よろしくお願いします☺️✨

月別アーカイブ