トラスト・ミー
- 2018/04/17
- 07:26
1990 106分 アメリカ/イギリス
ハル・ハートリー自体存在を知りませんでしたが、こんな掘り出し物この世にあったんだっ☆☆(゚д゚)☆☆と思う位好みでした。いい映画だなと思う作品は少なからずありますが、完璧に好みと思うものは少なくないですか?私はそういう映画に出逢うと生きてて良かったなと思うのですが、この映画がそうでした。
解説の>哲学的なダイアログとオフビートなユーモアで綴る。
この表現が端的にこの作品の特徴を表していると思います。これでピンと来た方は是非御覧になってみてください。そう、ミニシアター系の小品だけれど、されど一度見たら決して忘れられない、個性的で胸キュンなヒューマンドラマが好きなあなたです。
監督も初めて、役者も皆初めて見る人で、とても新鮮でした。とにかく各キャラクターと台詞、テンポがツボでした。冒頭で映像の合間にクレジットが挟まれる間(テンポ)がツボで、端から好みの予感🎵以降最後まで一秒も飽きずに楽しく見れました。
出てくる人ほぼ全員不幸で生きるのが不器用なところもツボでした(結構深刻な内容だけど、コメディベースなので重くならないところがいい。冒頭でパパが死んでも悲しくないし😅)。何故不幸なのかもちゃんと説明されているし、人物描写が丁寧なので、各人の人となりと心情がちゃんと伝わる。皆エキセントリックに見えるけれど、それは根が純粋なことの裏返しなのかもしれない(でも暴力は駄目だよ🙅)。マシューの父親が典型的なDVモラハラパワハラ人間なのも、マリアのママとお姉さんが結婚にしか生きる道を見いだせなくて(マリアが街で出会った不幸なおばさんもおそらく同じ)、それが幸せではなかったからくすぶっているのも、こういう人ってきっと沢山いるだろうなと説得力があった。そんな境遇の二人が出逢って家族を巻き込みながら(と言うかマリアのママとマシューのパパがサイコ入っていて向こうから干渉してくるんだけど)人生が変わっていくという設定が見ごたえがあった。流石にあんな家族見てたら自分の人生どうにかしなきゃって思うよね。
マリアにとって中絶に反対する人たちが抗議に押し寄せている病院で、自分なりのポリシーを持って働いている看護士(マリアに中絶はよく考えなさいと諭していた)の存在も大きかったと思う。
オフビートでエキセントリックな作品は、そこだけが強調されがちと思うけれど、この映画は根底にあるものが良質なヒューマンドラマなので、こんなに感動できたのだと思う。
何が一番びっくりだったかって主演の女優さんが亡くなっていること🙇しかも殺人で。なんてこと🙇素敵な人だったから監督でも女優でもいいからずっと活躍してほしかった。監督もやってた様なのでできることなら手掛けた作品を見たいけれど、日本じゃなかなか見れないでしょうね。
とりあえずこの作品で素晴らしい監督、役者、作品を知れて良かったです。
TV(CS)にて
★★★★★★★★★★