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恐怖分子




1986  109分 香港/台湾


台北を舞台に、カメラマンとその恋人、小説家の妻と医師の夫、その元恋人、不良少女、刑事……様々な人物が幾重にも錯綜し現代の台湾が抱える問題を浮き彫りにしていく。E・ヤンを一躍、台湾ニューウェーブの旗手に持ち上げた現代感覚溢れる問題作。

allcinemaより








エドワード・ヤン作品初体験。
殺伐としていて、重くて、暗い印象だった。

☆☆ネタバレ注意☆☆

個人的に一番印象的だったのは、上の画像の拡大した少女の写真のシーン。私が好きだったのは、上のシーンではなくて、少年がこの部屋の窓を開けた時に、これらのパーツが風に靡いていたシーン。少年の切ない心と少女の危なっかしさを象徴している様な。
少女がジーンズに隠した刃物を振りかざした時はびっくりした😧EARTHSHAKERのMORE(「knifeを握りしめた18の日々が甦る」80年代の名曲)が脳裏に浮かんだ。
少女はなぜ犯罪者になってしまったのだろう。ハーフであることをいじめられたのかな?レコードを聴きながら昔の思い出に浸っている様に見えた少女の母親の過去を見てみたかった。

少年が読書好きの彼女と住んでいる部屋の窓のレースのカーテン越しに見える景色や、ハーフの少女が逃げ出した建物の割れた窓ガラスが印象的だった。この監督は窓を印象的に映すシーンが凄く多いと後から他の作品も見て知った。

少女のかける悪戯電話が写真家少年と小説家と医師の夫婦と交錯するところは奇妙なミステリーになっていてちょっと怖かった。小説家の女性が小説のネタにしていたが、本当に小説みたいな展開だった。

医師の男性の残念な性格が引っかかった。出世の為に同僚を売った卑怯な男。結局仕事も妻も失い絶望し自殺する。けれど死ぬ直前まで刑事の前で幸福を装う姿が哀れだった🙇
彼は何故あそこまで絶望してしまうのか。人生には挫折がつきもの。奥さんが全てだったのだろうけど人の気持ちは変えられないし、物事は予想外の方向に進むことの方が多いのだから。自分だって同僚の人生を潰そうとしたのに自分の人生がポシャったら死ぬなんて。
今日たまたま見た『WE ARE X』でYOSHIKIとTOSHIがTAIJIのお墓参りをするシーンがあった。墓前での二人の会話。
「あの頃(TAIJIと会った頃)からまさかこういう展開になるとはね。TOSHIの(問題の)時もね。」
「何だってそうだよ。HIDEのこともそうだったし。。。でも(自分達は今こうして)生きてるから。」
 しみじみするシーンだった。本当に人生は予想だにしない展開が起こる。
でもやっぱり生きてた方がいいと思うよ‼️(と、医師の夫に言いたい😑)。でも立ち直れる性格だったら観賞後のこの重々しさは無かったけれど。


終盤のリアルな妄想のシークエンス、衝撃の風呂場シーン、意味深なラストシーン。やっぱり少女のアップの写真。確かにインパクトのある映画だったけど暗くてあまり好きじゃなかったなあ。もう一度見たいとは思えない。でも消す気にもなれなくて取ってあります。




TV(BS)にて
★★★★★☆

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