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ブランカとギター弾き




2015  77分  イタリア

「W/O」の長谷井宏紀監督が、ヴェネツィア・ビエンナーレ&ヴェネツィア国際映画祭の全額出資の下、フィリピンを舞台に撮り上げた記念すべき長編監督デビュー作。ストリートチルドレンの少女と盲目のギター弾きの出会いと心の触れあいを優しく見つめる。主演はその歌声がYouTubeで話題となり、本作のプロデューサーに見出され、女優デビューを果たしたサイデル・ガブテロと、実際に流しのミュージシャンとして活躍していたピーター・ミラリ。
マニラの路上で窃盗や物乞いをしながら暮らしている孤児の少女ブランカ。ある日、孤児を養子に迎えたという人気女優のニュースを見ていた中年男の戯れ言を真に受け、“お母さんをお金で買う”というアイデアを思いつく。さっそく“3万ペソで母親を買います”というビラを街中に配り始め、お金の工面に奔走するブランカ。そんな時、盲目のギター弾き、ピーターと出会う。ピーターから歌でお金を稼ぐ方法を教わり、彼のギターに合わせて歌い出す。するとその歌声はたちまち人々を惹きつけるのだったが…。

allcinemaより








とても心に残る映画でした。私の感覚では昔のヨーロッパ作品の様なストーリーで、如何にもヨーロッパで受けそうな映画だと思いましたが(イタリア出資だけに?)、ヨーロッパ以外の国の映画祭でも賞を獲っているのですね。確かにこの作品で描かれていることは誰にとっても普遍のテーマだと思います。


衝撃だったのはスラムの日常です。道端に人が寝ていても誰も気にしない。ブランカは父親の顔は知らず、唯一の家族お母さんに捨てられたストリートキッド。それ自体が既に衝撃です。彼女が知り合った男の子二人組のストリートキッドと万引きをするシーンでは『万引き家族』を思い出したけれど、彼らには大人の知り合いはいないので万引きも自分達で計画してやっている。犯罪には違いないし悲しい事だけれど、こうやって生きていかねばならないんだなあという切なさを感じた。彼らが海辺の廃屋(廃船?)の様なところを居場所にしているのを見て『駆ける少年』(1985イラン)を思い出した。戦争孤児の男の子が一人で海辺の廃屋(船だったかも?)で暮らしていた。駆ける少年には沢山のストリートキッドと思われる男の子たちが出てきたが、皆空き瓶を拾ったり靴磨きをしたりして暮らしていて犯罪に手を染めてはいなかったが(主人公の男の子がやっていない盗みを疑われてとても怒るシーンがあった)いずれにしても彼らの境遇の厳しさを思った。

何よりもピーターの優しさに心を打たれた。二人(ブランカとピーター)が出会った頃ブランカがピーターのお金を盗ろうとした時も怒らなかった。彼を見ていてこういう穏やかな人間になりたいと思った。

キャスティングが素晴らしかった。ブランカ以外は現地で選んだ人たちらしい(👀❗)私は特に男の子二人組の小さい方の子が好きだった(上画像)。万引きとかしてるけど根がとてもいい子でブランカにいつも優しい。彼のボス(もう少し年上の少年。同画像)がブランカを怪しいおばさんに売ろうとした時に身を挺して守ってくれたのも彼だった。

彼とブランカが海を見ながら話しているシーンが好きだった。彼が言う。「何で世の中には金持ちと貧乏がいる?」思わず「本当だよねぇ」と相槌を打ってしまった。

何人か出てくる街の「お姉さん」たちがいい人たちで好感を持った☺️

エンドクレジットでピーター役の俳優が亡くなったことを知って驚いた。
素敵な映画をありがとう😢
ご冥福をお祈りします。

何も知らずに見たが、エンドクレジットで「この映画を○○に捧げる」のところで複数の名があり、その最後がand my mother Michiko(和名)だったので、それを見て、監督日系の人なんだ?と思い調べてみたら日本人だった。


原題は『ブランカ』なので邦題の「とギター弾き」って舞台の題名みたいで響きはいいのかもしれないけれど、ピーターへのリスペクトが欠けている気もする。だったら「ブランカとピーター」が良くない?


お勧め作品です。ヒューマンドラマが好きな方で未見の方は是非どうぞ。


オンデマンドにて
★★★★★★★★

コメント

No title

かずさん

お勧め作品です☺️✨

この邦題は文芸作品的と思いました。

No title

ジャケットからして温かいのあるいい作品な雰囲気ですね。
邦題はどうやって決めてるんでしょうね~。

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