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たそがれ酒場





1955  94分  日本


新人の灘千造によるオリジナル脚本を内田吐夢が監督した。豪華キャストが次々に登場する、いわゆる「グランドホテル方式」で作られた作品。2003年には「いつかA列車(トレイン)に乗って」というタイトルで、舞台を現代に移したリメイク版が製作された。
 「たそがれ酒場」には数多くの客が訪れる。「先生」こと梅田はかつて画伯だったが、今はパチンコで整形を立て店に入り浸っている。専属ピアニストである江藤の伴奏に乗って、バリトン歌手の丸山や女給のユキが歌っている。岐部は元上官の鬼塚と再会し酒を酌み交わし、学生たちは大声でサルトルを論じている。ユキを付け狙う愚連隊の森本が訪れるが、彼女の恋人である鱒見に脅され手を引くことを誓う。こうして「たそがれ酒場」の夜は更けていく…。

allcinemaより






内田吐夢作品初めて見ました。最高に面白かったです❗これは自分が生まれる前の話で(戦後10年の都内(のどこか)が舞台です)、大衆酒場というものを全く知らないので(私が生まれた時にもあったのではないかと思いますが、全く未知の世界です)、この作品を見てどんなものか知ることができました。

とにかくおおらかでユニークでした。店構えも面白かったですが(説明するのが大変なので省くけど映画を見てね😅)。上の解説にある様に老若男女ありとあらゆる人達が来ているのが面白かった。着物で髪をアップにして黒猫を抱いて入ってくるおばさんもいれば(誰もペットは入店禁止なんて野暮なことは言わない)、所謂モガ(モダンガール)系の人もいる。上の画像の二人の様に戦時中で時が止まっている人もいれば、新しい今と未来に向かって生きている人もいる。店内の舞台で店の専属歌手の丸山がクラシックから流行歌、民謡までありとあらゆるジャンルの曲を歌い、女給のユキも美しい声で軽やかに歌い、客も喉自慢大会で悦に入って歌い、その合間にレコードもかける(客の持ち込みのレコードもかけていた。昔姉がバイトしていた喫茶店でビートルズのアビーロードをかけてもらったのを思い出した)。ストリップショーもあって(上画像。ストリッパー役の津島恵子は色気には欠けたけどとても美しい❗)その時のBGMは専属ピアニストの生演奏。

何て楽しい所なんでしょうか❗(笑)
カオスにも見えるけど今の時代に無いエネルギーを感じました。

そうやって客たちが思い思いに過ごしている中で刃傷沙汰や逃避行劇、その他諸々のドラマが起きる。
登場人物が多く色々なことが起こる割りには散漫にもならず最後まで飽きずに見せる。素晴らしい監督だということはこの一本を見ただけでも十分に感じました。是非他の作品も見たいですね。

特筆すべきは丸山と彼の師匠(店のピアニスト)の二人ではないでしょうか。役者ではなく音楽家だそうですが、演技がとても素晴らしく、てっきり俳優だと思いました👀💡師匠役の人は細川俊之を思わせる繊細な感じのイケメンでした。

それからとても豪華キャストです。若い丹波哲郎や宇津井健が印象的でした。天知茂がどこにいたのか分からなかったのだけれど。

ヒューマンドラマ、群像劇が好きな方にはお勧めです❗


オンデマンドにて
★★★★★★★★

コメント

No title

> とらんぷさん

コメントありがとうございます。

酒場に関しては、私はお酒を呑まず、酒場というところには行かないので知らないのですが、こういうところは今は無いですよね。あったら覗いてみたいです。

ストリッパーは全く脱がないので、ストリッパーではなかったけれど、彼女の存在は作品の良いアクセントになっていましたね。

No title

何年か前にテレビで観たことがあります。
この映画の酒場はちょっと今の感覚とは違うような。
不思議な空間ですね。
津島恵子にストリッパー役が出来るのかと思いましたが、
あれは普通にダンサーですよね。これも昔と感覚が
違うのでしょうね。

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