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ペインテッド・ヴェール ある貴婦人の過ち





2006   125分  アメリカ


イギリスの文豪サマセット・モームの小説『五彩のヴェール』を原作とする、異国の地で夫以外の男性との愛に溺れる人妻と、妻の不貞に苦しむ夫との姿を描く背徳のメロドラマ。偽りの愛の果てに見出す真実とは…。「ダイアナ」「21グラム」のナオミ・ワッツと「アメリカン・ヒストリーX」のエドワード・ノートンの豪華競演で綴られる珠玉作。
上流階級出身の娘キティは、医者の夫ウォルターの赴任地である上海へ同行、異国の地で暮らしてゆくことに。ところが、真面目で女性に奥手なウォルターは研究に没頭し続け、暇を持てあましたキティはイギリス副領事官と不倫の仲となってしまう。復讐心に燃えるウォルターは僻地の仕事を引き受け、キティを帯同して中国奥地へ向か
うのだが、美しい辺境のその村には恐ろしい伝染病が蔓延していた。

allcinemaより










久しぶりに映画らしい映画を見たなあという満足感がありました。

サブタイトルの「ある貴婦人の過ち」は余計です。何で邦題はこういう余計なものをつけるのでしょうね。


日本に野口英世という著名な細菌学者がいましたが、これはあるイギリス人細菌学者とその妻イン チャイナという設定のお話です。時代設定も同じです。

二人が出会った時(ウォルターがキティを見初めた時)ウォルターは一目惚れ。キティは特に何も感じない。このシーンのBGMがエリック・サティのグノシエンヌ。この気だるいメロディが、二人の結婚生活は薔薇色では無いことを暗示している様。エリック・サティが好きなこともあって、ここで既にツボにハマる。

キティとウォルターが結婚した時ウォルターはキティを愛していたが、キティはキティに早く結婚して欲しがっていた母親の為にやむを得ずという感じで、ウォルターが好きだという訳では無かった。ウォルターが劇中で「細菌にしか興味が無い」と言うシーンがあるが、こういう男が女性を喜ばせる台詞の一つも言える訳もなく、キティの白けた表情に彼女の気持ちが見てとれる。異国の地の慣れない環境と仕事に埋没し、気の利かない夫にストレスを募らせたキティは案の定口の上手い男チャーリー(ウォルターと正反対のタイプ)と不倫に走る。チャーリーと人生をやり直したいキティだったが、チャーリーにとってキティは単なる遊びだった。妻の不貞に怒り心頭のウォルターは離婚か僻地に同行かをキティに迫り、キティはやむを得ずウォルターと共に病気の蔓延する僻地に向かう。

この物語が本当に始まるのはここからです。ここからが夫婦の絆を試されるのでした。あらすじを読んだ時に物語の展開が分かってしまい、果たしてその通りに展開しましたが、それでがっかりすることはなく、寧ろやっぱりこうでなくちゃだよねと感動しました。

キティはよく頑張ったなあと思います。いつ病気に感染するかも分からないし(彼女はその点に関しては楽観的に見えたけど)、白人である為に現地の人たちに敵視されていた。弱い人だったら精神を病む様な環境。唯一の頼みの綱の夫は復讐心しか無く家にいても針の筵。そんな中で副弁務官のおじさんと修道院のシスター、そして無邪気な孤児たちとの交流によって生きる意味を見出だしていくキティ。立派です。生き生きしているキティを見てウォルターの心も少しずつ解れてゆく。

田園風景と山水画の様な山並みがとても美しかった。でもインフラが整っていないから病原菌も蔓延している。

一つ引っかかったことがあります。ウォルターは復讐の為にキティを病気が蔓延る地に連れていった訳だけど、これは人として無しでしょう。修道院のシスターも副弁務官のおじさんもキティがこの地に来たことをとても驚いていた。女性が来るところではないと。その位非常識なことだったのです。ウォルターは細菌学者だから万が一感染して死んだとしても(野口英世の様に)本望と思うけれど、キティはそうなるべきではない。死ぬ確率がとても高いところに愛する人を連れていくなんて有り得ません。そこのところは男として(人として)無しなので見損ないました。

ウォルターがキティに謝るシーンがあり、キティはあなたは何も悪くないと言いましたが、謝って済むことではないと思うのですっきりしませんでした。ネタバレになるので詳しくは何も言えないのですが色々と考えさせられるものがありました。


フランス語の童謡のシーンは、共に切ないその歌詞と映像が相まって見た人はきっと誰もが泣きます😭😭

それにしてもやっぱり女は強しです。
最後の演出もスカッと最高でしたね。
ラストの俯瞰映像が象徴的で心に残りました。


夫が妻の不貞を憎み復讐すると言えば、『イングリッシュ・ペイシェント』の飛行機で突っ込むシーンが思い浮かびます。結果悲惨なことになりました。しかも思惑が外れる。
やっぱり復讐はしない方がいいと思います。どっちにしろ不倫をした人は後から苦しむことになるから。それにしてもチャーリーは許せん(怒)💢


正に珠玉の名作なのでお勧めします。
私が今までに見たナオミ・ワッツ出演の映画の中でも特に素晴らしかったと思います。

エドワード・ノートンは何をしているのかなあと思ったら、彼監督の映画が来年公開とのことで、ちゃんと映画に携わっているのだと知れて良かったです。因みにブルース・ウィリス主演のサスペンスだとか。


★★★★★★★★

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