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いろとりどりの親子




2017  93分  アメリカ

アンドリュー・ソロモンによる世界的ベストセラー・ノンフィクションを、社会派ドキュメンタリーを数多く手がけるレイチェル・ドレッツィン監督が映画化したヒューマン・ドキュメンタリー。身体障がいや発達障がい、LGBTなどさまざまな“違い”を抱える子を持つ6組の親子にカメラを向け、“普通”でないことの葛藤と向き合いながらも、“違い”を前向きに受け止め、人生に大きな喜びを見出していく親子の絆を見つめていく。


allcinemaより


















存在を知った時に是非観たいと思い、その前に原作を読もうと思いました。





ところが日本版が無かったのです❗24ヵ国で翻訳され出版されているとあったので、当然日本版もあると思っていましたが。びっくり且つがっかりでした🙍仕方なくKindleで英語版のサンプルをダウンロードして読んでみましたが、私の英語力では無理だったので諦めました。ちょこっと読んだ部分には難聴の子供とその両親のお話、作者自身がゲイであることについて書かれていました。原作と映画の内容が違うと聞きましたが、映画には難聴の人は出てこないのでそういうことなのかなと思いました。300の親子を取材したそうですが、映画では6組しか紹介できないのは物理的に仕方ないとは思います。それはともかく是非本の日本版を出して頂きたいと思います。

映画に登場する6組は、ダウン症の方とその御家族(二組)、低身長症の方とその御家族(二組)、犯罪者とその御家族、そして著者のアンドリューさんとその御家族です。

うまく言葉にできませんが、色々考えさせられる映画でした。この映画を見て特に思ったことは、障害を持つ人々を「普通ではない」と決めているのは世で言う健常者の人たちで、障害を持っている人々はそういう意識を持っていない場合もあるということです。トレイラーの中で低身長症の女性が「私たちみたいな人たちに『治してあげる』と言う人がいる。治すところなんて無い。」と言っています。この言葉が強く印象に残りました。こちらの女性は同じく低身長症のご主人との間にお子さんを出産されるのですが、「同じく低身長の子が欲しい。でも普通の身長の子でも育てる自身はある。」と言っていました。この言葉もとても印象に残りました。御自分とお子さんへの愛を感じました。

それぞれの家族にそれぞれの葛藤があり、どれも印象深かったですが、一番衝撃的だったのは犯罪者の少年とその家族です。少年は殺人を犯すのですが、なんの前触れもなくある日突然のことでした。両親は警察から知らせを受けて何かの間違いと思ったが、実際に少年(息子)を見て全て本当のことなのだと悟ったと言います。少年は何故こんなことをしたのか分からないと言ったそうです。
家族仲良く生活してきたごく普通の一家にある日突然悪夢が起こる。子育てには多少の苦労はつきものですが、この様な特殊な例は、とりあえず子供が普通に育って平和に暮らしている私みたいな人にはその心中はとても想像できません。
お父さんは事件のあとしばらくは事件で犠牲になった子供の代わりに自分が死にたかったということです。

私が驚いたというか興味深かったのは、普通こういうことがあると一家離散ということにもなりかねないと思うのですが、この一家の場合この事件によって家族の絆が深まったことです。家族は獄中の少年(息子)とも仲良くしていました。でも少年の兄弟二人は両親の苦労を見て育ったので将来子供は持たないと言っていました。事件が如何に家族の心に大きな絆を残したかということをこの言葉からも感じました。


犯罪に関しては被害者があることなので別の観点からも考えなくてはなりませんが、その他の家族に関しては、この映画は自分らしく生きることの大切さを伝えています。著者のアンドリューさんが自身がゲイであることを家族からも時代的に社会からも理解されず、女性とつきあおうと努力したこともあったが「それは自分に対する虐待だった」との言葉が胸に刺さりました。ゲイが市民権を得るまでとても長い時間がかかった。アンドリューさんがお父さんと二人で話しているシーンで、お互いに過去は辛かったけど過去のことだし、お前は成功して今私たちは幸せだからと言うのをアンドリューさんが微笑んで頷きながら聞いているのですが、そこまで来るのにどれだけ大変だったか、今は幸せだから微笑んで聞くことができるのだろうななんて思って見ていました。折しもロバート・キャンベルさんが御自身の60歳の誕生日に、ロバートさんの義理のお父さんに、「(ロバートさんの長年のパートナーの男性と)どうして結婚しないの?」と言われて誕生日パーティーが急遽結婚パーティーにもなったという記事を読んで心がほっこりしました。

障害のある人々やLGBTの全ての人々が自分らしく生きることができる世の中であります様に。


とても貴重な作品と思うので多くの人に観て欲しいのですが観ている人は少ない様で残念に思います。上映館が少ないのかもしれませんが、ドキュメンタリー自体を観る人が少ないのでしょうね。Yahoo映画のレビューも8人だけです。同じ障害者と家族が題材の『ワンダー君は太陽』のレビューは300以上。ワンダーは私も観て好きでしたしいい映画と思いましたが、何故ドキュメンタリーになるとこんなに感心を持ってくれる人が少ないのかなと。ワンダーは児童文学の映画化ということでフィクションですが、特定の人物の話ではないけれど主人公の症状と同じ症状を持つ人たちとその家族はいると思うので、そういう意味では事実ベースですよね。ならば当事者本人たちが出ているドキュメンタリーも是非観てほしいのです。一番説得力があるので。説得力があるから観たくないという人が多いのかもしれません。映画位は夢を見たいという。その気持ちも分かりますが、障害者の生活は普段から携わっている人以外はなかなか知る機会が無いと思うので、この様な映画で触れて欲しいと個人的には思います。私は勉強になりました。

★★★★★★★★

コメント

No title

> dalichokoさん

小学2年生の時隣の席の男子が発達障害で、担任の先生に面倒見てあげてねと言われていて、学校生活のお手伝いをしていました。私は担任からも同級生からも「ママ」と呼ばれていました。なんと7、8歳で私は既にママだったのです。(笑)その男子は心がとても綺麗な人でした。

No title

特殊学級の先生の間接的にお聞きすると、どの子も可愛くて愛しくてやめられない仕事と聞いています。胸に染みるお話ですね。
^_^

No title

内緒さん

私も直接は関係ないのですが遠縁に発達障害の人がいます。その人は自立はできないし、本人もその人の身内も高齢化してきているので他人事ながら心配しています。よくそのことを考えてしまいます。

この映画の中にダウン症の40歳の男性が出てくるのですが、もうお父さんは他界していてお母さんも高齢になってきています。お母さんはもう後見人を決めてあると言っていました。

障害を持つ子供を持つ両親は、あとのことを人の何倍も考えなければならないのが大変だなとこの映画を見て思いました。

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