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マイ・ハッピー・ファミリー





2017  119分  
ジョージア/ドイツ/フランス



















ジョージア🇬🇪と聞いて思い出すのは栃ノ心と臥牙丸ですが、ジョージアの映画は初めて観ました。面白かったです。

52歳のマナナは教師として働いています。両親の実家で夫、自身の両親、娘とその恋人、息子の三世代で暮らしています。ある日マナナは独り暮らしをすると宣言し、アパートを借りて家を出ます。
一家は親戚も含めて大騒動に。一体何故?何が嫌なの?こんな事は一家の恥だ。その年で冒険なんてありえない。etc
親戚はマナナを家に帰すように説得しようとしますがマナナの意思は固く戻る気は無い。

マナナの生活を見ていれば彼女の選択は無理も無いことと思います。
マナナのお母さんはいつも小言を言っているし自分の価値観を押し付けてくる。息子は無職。娘は不妊で悩んでいて娘の恋人は浮気している。夫もマナナの理解者ではない。いつもとりつく島が無い状態でマナナがくつろげる場所は無い。

私が一番マナナに同情したのはマナナの誕生日。マナナ自身は静かに過ごしたかったが夫が勝手に親戚を沢山(20人弱)呼んでしまった。浮かない顔で隅にいるマナナを呼びに来る夫。うんざりのマナナ。客がやっと帰った後客の相手をしなかったマナナを責める夫に対し「私は(客は)呼んでない。呼んだ人がもてなせばいい。」この言葉に思わず頷きました。マナナの誕生日なのだからマナナの気持ちを汲むべきです。夫は良かれと思って呼んだのかもしれないけれどマナナが幸せな気持ちでなければ誕生日の意味が無い。

「ここでは暮らせない。」と言って出ていくマナナ。この一言が全てでした。

独り暮らしをして心の平穏を取り戻していくマナナ。窓を開けて風を入れて風に揺れる緑を眺めながらケーキを食べてお茶を飲んでクラシックを聴く。久しぶりにギターの弦を直して楽譜を見ながら弾き語りをする。そういう自分の時間を楽しむマナナの至福の表情がとても素敵だった。

ところが実家で騒動が起きて呼び出される。折角家を出てもそう簡単に家族のいざこざからは解放されない。加えて同窓会で旧友に衝撃の事実を聞かされうちひしがれる。人生ってどうしてこうなのかしら。

邦画に『家族は辛いよ』というのがありますが、あれのジョージア版(こちらの方がもう少しシリアスだけど)という感じですね。
やっぱり何処の家族にも問題があって、特に三世代同居となると色々問題があるというのは世界共通なんだなあと思いました。

この映画の特徴としてジョージアの音楽があります。マナナも同窓会で素晴らしい歌声を披露(その曲はマナナ役の女優さんのお母さんの曲で、お母さんはジョージアの有名なシンガーソングライターだったとのこと。流石歌手の娘だなという見事な歌声でした)。マナナの誕生会、同窓会では男性たちがパワフルで見事な合唱を聴かせます。息子とその仲間たちの合唱も躍動感がありました。

ジョージアの街も人々も音楽も全て初めて見た(聴いた)ので全てが珍しかったし新鮮でした。

マナナの同級生が市場で働いていて、マナナと一緒に同窓会に行くときに「私が市場で働いていることは皆に言わないで。」と言っていました。その人が「娘たちはいい暮らしをしていて働いていないの。」とも言っていましたが、この台詞からジョージアでは専業主婦がステイタスなのかなと?(分かりませんが)
因みにマナナのお母さんはマナナに「あなたは良い教育を受けて教師になり、子育てと家事は私に丸投げ。」と愚痴り、マナナは「頼んでないわ。」と言っていました
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先日『パリへの逃避行』という映画を観ましたが、これも妻が家を出る話でした。マナナの例と大きく違うのはこちらはまだ子供が幼児だったことと、マナナは教師でしたがタラ(ヒロインの名)は専業主婦でした。只マナナよりタラは20歳は若いと思います。マナナはもう子供も大人だからと出ていきましたが、タラは二人の幼児を夫に託して単身で家を出ました(こちらは一世帯四人暮らしでした)。小さい子供を夫に託して家を出るって凄いなと思いました。人生色々ですね。私はどちらも有りだと思います。


マイ・ハッピー・ファミリ-を見たあとに『明石家サンタ』(電話で面白い不幸話を聞かせてくれた人に豪華商品をプレゼントするという番組で、昔からお気に入りの番組です)を見たのですが、これにたまたまマイハッピーファミリーを地で行く様な話が出てきてびっくりしました😮

電話をかけてきたのは50代の男性です。内容は、今年長男が独立したのだが、その直後に妻も「私も独り暮らしをする」と言って出ていった。近くに住んでいるらしいが住所は知らない。自分は娘と妻の両親と暮らしている。というものでした。
殆どマイハッピーファミリーの世界です❗こんな偶然あるのかなあと思って聞いていました。
その話を聞いて、こういう話は世の中には結構よくあることなのかもと思いました。

因みにマナナは親戚たちに「あなたの夫はどうなるの。あなたの両親と暮らしているのよ。」と言われて「彼も何処でも好きなところに住めばいいのよ。」と言っていました。この電話の男性はマナナの夫がそうした様に多分妻の両親と暮らしていくのかなあと思いました。

この映画を見てやっぱり一人は気楽だなと思いました。

因みに今作はハンディカメラで撮っていて画面が揺れているシーンが多いです。気になる方はご注意ください。


★★★★★★★

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