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砂の器




1974  143分 日本

松本清張の同名小説を、野村芳太郎監督、橋本忍・山田洋次脚本で映画化した社会派サスペンス。迷官入りと思われた殺人事件を捜査する二人の刑事の執念と、暗い過去を背負うがために殺人を犯してしまう天才音楽家の宿命を描く。ある日、国鉄蒲田操車場構内で扼殺死体が発見された。被害者の身許が分らず、捜査は難航した。が、事件を担当した今西、吉村の両刑事の執念の捜査がやがて、ひとりの著名な音楽家・和賀英良を浮かび上がらせる……。2005年6月、デジタルリマスター版にてリバイバル上映。

allcinemaより




原作は読んでおりません。何度もリメイクされているそうですが一度も見たことは無く、本作で初めて鑑賞。Amazon prime videoにて。

まず豪華キャストにびっくり😶よくこれだけ揃えましたねと思うラインナップに感動。渥美清がちょい役というのが凄い。千葉県知事でいつも千葉県のPR番組をラジオでやっているのを聞いている森田健作はその昔は俳優だったんだよねー(若い頃イケメンだね!)としみじみ。丹波哲郎とのコンビなかなか良かった。個人的には刑事の各面々から扇屋の女中春川ますみ、山下・お妙菅井きん、若葉荘の小母さん野村昭子に至るまでキャスティングがツボだった。でも何と言っても一番印象的だったのは本浦千代吉の加藤嘉。名優😭💘
きょうびの映画は、折角豪華俳優陣なのにそれが生かされていないというものがありますが、これはきっちり生かされていると感じました。昭和の人たちは凄かった。

キャスト、ストーリー、風景、映像の質感、演出、全てがTHE昭和なのでそこが好みが分かれるとは思うけど、昭和の人間の自分には懐かしく切なく貴重な映画でした。

ストーリーには無理がありましたね。英才教育を受けていないどころか放浪していた子が何故天才作曲家兼ピアニストとして生計を立てられるのか。そこの説明が全く無いし。切り刻んだシャツを電車の窓からばらまくのも不自然だし、それをたまたま見ていたのが新聞記者で、それをコラムとして書いた。その切れ端を吉村が一人で捜して見つけたという件は如何にもこじつけという感じで不自然すぎる。芥川龍之介に『蜜 柑』という短編があって、芥川が横須賀線の車両の中で実際に見た光景が書かれています。~奉公に出ると思われる若い女の子と相席になった。女の子が窓を開けたので汽車の煙が窓から入ってきてとても不愉快になった。電車が踏み切りを通過しようとする時、彼女はそこで待っていた彼女の弟たちと思われる子供たちに手を振り、数個の蜜柑を窓から投げた。芥川はそれを見て、疲れや倦怠、退屈が吹き飛び爽快な気持ちになった。~簡単に書くとこういう話なのですが、私はこれを復数回ラジオの朗読で聞いたことがあって、その都度光景が目に浮かび、凄くいい話だなと思い大好きなのです。しかしこれは蜜柑だから違和感が無いのであり、切り刻んだシャツでは変です。不法投棄だしね。サスペンスのワンシーンとしてもぞっとしません。因みに「電車の窓から」というシチュエーションでこの『蜜柑』を思い出したのでした。

この映画の音楽監督は龍之介の息子の芥川也寸志です。でも『宿命』は芥川也寸志の作曲ではないのですね。あの名曲あっての名画と言えるでしょう。宿命の演奏シーンをバックに事の顛末が語られるシーンは白眉ですが(泣きました😭)、個人的にはちょっと長すぎるかなと。もう少し短くてもいいかなと思いました。
それと和賀が早くから意味なく登場しすぎるのはやめた方が良かったと思います。


個人的には松本清張原作の映画はいつ見てもサスペンスとしては面白いとは思わないけれど、人間の業の部分を描きたい様なので(そこが核と思われる)、そう思って見ると、サスペンス的に「?」の部分があっても何となく納得してしまう様な感じがあります。

でも今作は和賀の内面があまりにも描かれないので、動機がよく分かりませんでした。そこが残念でした。


今こういう重厚な邦画は無いですね。
個人的には昨今の邦画はあまり惹かれる所が無くて、絶対に観たいという情熱が湧かないのですが、今作の様な作品を見ると、邦画の素晴らしさを実感します。見て良かったです。

この監督の作品では『鬼畜』が強烈に印象に残っています。緒形拳は今作の三木よりも鬼畜の方がはまり役では?


★★★★★★★

コメント

No title

かずさん

私はNetflixとU-NEXTを契約していてこれは有料なので元を取らねばと思うのですが、primevideoもAmazonの年会費を払っているから見れる訳ですが、primevideoはあまりラインナップが充実していないのかなという印象ですが、たまにこういうのもあるのでチェックしないとと思いました。

No title

たくさんリメイクされていますよね!
こういう古い時代に作られた作品も見てみたいな。
Amazon prime videoでやってるなら見れる!

No title

小倉日記面白そうですね。でもやっぱり辛い話ですね。やっぱり清張だなと思いました。鴎外と言えば森鴎外の舞姫のモデルは誰だったのかといつも思っています。鴎外はそれに関する物は生前に全て燃やしたということで。。。残念です。それこそ日記や手紙の一つも遺っていれば。。。と誰もが思っていると思います(笑)鴎外の原作は明治の言葉なので読むのが凄く大変ですが、今まで読んだ幾つかは全て感動しました。でも高瀬舟は海外作品にそっくりなものがあって、きっとその作品をパクったんだなと思いました。

No title

> 飛行機雲さん

記事中にも書きましたがあのシーンは全体(宿命と共に事の顛末が語られるシーン)が若干長いですね。でも基本がセンチメンタルな話だし放浪シーンはその要なので削れなかったのかもしれません。
原作を読んだ人が言うにはこれは特に原作が長いのでこの尺に納めるのは無理があるらしいです。

清張原作の映画で好きなものを訊いたつもりでしたが、私の書き方を見たら原作作品になっていますね😑

清張の原作は一つも読んでいませんが映画はいくつか見ました。その中で印象に残っているのは今作と「鬼畜」です。それと「影の車」これも加藤剛が出ています。心理サスペンスと言っていいと思います。怖かった、トラウマになったというレビューが多いです。私もけっこうトラウマになりました。

No title

映画「砂の器」は清張ものの中でもセンチメンタルに流れすぎているところがイマイチだと感じました。親子二人があちらこちらを放浪するシーンが長すぎて「ウ~ン」という感じでした。

松本清張の小説はたいてい好きなのですが,いくつかを挙げるとすれば『眼の壁』,『ゼロの焦点』,『けものみち』あたりですかね。それと,芥川賞を受賞した『或る「小倉日記」伝』はよい小説だと思います。

No title

> 飛行機雲さん

辛口ですか⁉️
沢山ほめているつもりですが(笑)

どのあたりがお好きではないのでしょうか?
清張原作作品でお好きなものはありますか?

No title

かなり辛口ですね。(笑)
私は松本清張の作品は比較的好きなのですが,「砂の器」は世間で言われているほどよいとは思いません。

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