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バーニング 劇場版





2018  148分  韓国

村上春樹の短編『納屋を焼く』を「シークレット・サンシャイン」「ポエトリー アグネスの詩(うた)」の韓国の名匠イ・チャンドン監督が舞台を現代の韓国に移して映画化したミステリー・ドラマ。作家志望の田舎の青年が、偶然再会した幼なじみと彼女が連れてきた都会のイケメン男性と織りなす不思議な交流の行方を、美しく幻想的な映像とともにミステリアスな筆致で描き出す。主演は「ワンドゥギ」「ベテラン」のユ・アイン、共演に新人のチョン・ジョンソとTV「ウォーキング・デッド」のスティーヴン・ユァン。
小説家を目指しながらアルバイト生活を送るイ・ジョンスは、街で幼なじみのシン・ヘミと偶然の再会を果たす。するとアフリカ旅行に行くというヘミに、留守の間、彼女が飼っている猫にエサをあげてほしいと頼まれる。ある問題で実家暮らしを余儀なくされたジョンスは、ヘミのアパートに通い、姿を見せない猫にエサをあげ続ける。半月後、ヘミがようやく帰国することになり、空港へ迎えに行くと、アフリカで出会ったという謎めいた男性ベンをいきなり紹介され、戸惑いを覚えるジョンスだったが…。

allcinemaより












イ・チャンドンが好きなのでどうしても観たくて、片道35kmを運転して観に行って来ました。インディペンデント系作品上映館でしか上映されないので、県内では現在上映館は2館❗いつものことですが。しかし、イ・チャンドンは熱心な映画ファンにはメジャーだと思うので、短期間でもいいから街のシネコンでも上映して欲しい❗


原作未読、NHKで放送されたドラマ版未見。2時間半と長かったが飽きずに見れました。映像が綺麗で各役者も良かった。猫も可愛い。ストーリーは微妙です。話の内容を知らずに見たので、へぇーこういう話なんだー👀という感じ。

ジョンスとヘミにベンが加わってから微妙な三角関係になり、その後ヘミが失踪。その頃からベンの家に以前はいなかった猫が。ヘミの猫だと確信するジョンス。ベンの家でヘミが持っていた時計も発見。疑心暗鬼炸裂のジョンス。でもへミに何があったのかは最後まで明かされない。衝撃のクライマックスだがそれさへも真実かどうか分からない。

この監督の過去の作品には無かった「真実は視聴者の御想像にお任せします」スタイルだった。つまりミステリーとしては雰囲気ものになってしまっています。雰囲気もので構わないという人にはそれでOK。私は十分楽しめたけれど、ミステリーであるならばやはり真実を説明してほしかったです。それがあったらかなりの傑作だったと思う。説明が無いからいいのだという意見もあるとは思うがミステリーと謳うのならばやはり納得のいくオチはつけてほしい。

今作を見ていて『光』(2017)を思い出した。大森監督の方。同じ島で育った同級生の男女と彼らを慕っていた少年3人の話。島で育っていた時代も因縁があった人たちだったが、大人になって島を出た後もそれが続く。大人になった少年曰く、「全部島のせいだ。あの島は昔から腐ってた。」閉鎖的な環境で育ったからまともな大人になれなかったのだと。
育った環境は大きい。ジョンスとヘミにもこの3人と共通するものを感じた。(特に少年とジョンス。母が駄目夫に愛想を尽かして家庭を捨ててしまった境遇が同じ。)
そして現在の韓国の状況。ジョンスは大学を出ているけれど就職できずアルバイトをしている。韓国は本当に就職難らしい。日本以上の学歴社会というのもよく聞く。以前一流大学を出ても就職できない人をTVのニュースで見てその過酷さを感じた。ジョンスの場合それに加えて問題のある父親がいて。
学歴の無い(と思われる)ヘミは美貌に磨きをかけることを選んだのか。彼女は借金が嵩んでいる様だった。整形で大金を使ったのだろうか。何か他にも?(その状況で何故アフリカに半月も旅行できるのか不思議だ。) ヘミの仕事の関係者(ヘミはデパートで客の呼び込みパフォーマンスをしていた)が「女は本当に大変。化粧してもしなくてもとやかく言われる。女の為の国は無い。」と言っていたのがしみじみした。事実かも。
しかしどの国にもベンの様なお金持ちもいる。何処でも貧富の差は大きいのねと彼ら3人を見て思う。ベンは何の仕事をしているのか分からないがお洒落なマンションに住んでポルシェを乗り回している。働いているシーンは一切出てこず、いつも暇潰しをしている様に見える。お金持ちのボンボンか或いは違法なことをしているのか。お金に不自由しないから友達にも女にも不自由しない。やりたい事は好きにできる。だから退屈しているのかよく欠伸をしていて、それを見つめるジョンスと目が合うと営業スマイルをするベンの表情が印象的だった。ヘミを愛しているというジョンスを鼻で笑うベン。全てが対照的な二人。

そんな感じの映画です。ミステリーの説明はありませんが、雰囲気は引き込まれるので御興味のある方は見てみてください。特にジョンスの実家の庭で3人が日没を眺めながら過ごすシーンが最高です。

舞台になっていたジョンスとヘミの地元の町(村?)の風景が自分が暮らす地域と似ている感じ(山並は見えないけど田圃が多く寂れていて殺風景な景色)なのが憂鬱な気持ちになりました。自分の家の周りは住宅地ですが、車でちょっと走るとああいう感じの風景です。ビニールハウスは見かけませんが寂れてます。寂れた景色を見ていると心も寂れます。でも都会に住みたいとも思わないけど。


因みにイ・チャンドン作品未経験の方への私のお勧めは『ペパーミント・キャンディー』と『オアシス』(2002年ヴェネチア国際映画祭で監督賞と新人賞(ムン・ソリ)を受賞。)です。個人的にはオアシスが特に好きですがペパーミントキャンディーも名作です。両方とも言葉にならない位感動しました。イ・チャンドン関連作品を網羅したボックスを出してくれたら高くても絶対に買います。個人的には最も出して欲しいものです。


★★★★★

コメント

No title

> The caged pantherさん

はい、よっぽどこの監督が好きです。
そこ笑う所じゃないですよ。

井浦新良かったですよ。
でもこの監督タイプじゃないです。音楽の使い方とか。。。絵も好きじゃなかったです。描いていることは分かるけど。

No title

こんにちは。

片道35kmとは、よっぽどこの監督がお好きなんですね(笑)。

「光」は三浦しをんの原作を読みました。私が持つ彼女のイメージとはだいぶ異なる小説で(もっとソフトな話を書くと思っていました)、結構ハードな内容に少し驚いた記憶があります。映画は観ていませんが、たしか井浦新が主演で話題になっていましたね。

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