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希望の灯り





2018  125分  ドイツ


東西統一後のドイツを舞台に、“負け組”とされた旧東ドイツ出身の人々のままならない日常と小さな幸せを綴ったクレメンス・マイヤーの短編『通路にて』を映画化したヒューマン・ドラマ。主演は「ハッピーエンド」「未来を乗り換えた男」のフランツ・ロゴフスキ、共演にザンドラ・ヒュラー、ペーター・クルト。監督は長編2作目のトーマス・ステューバー。
深夜の巨大スーパーマーケット。内気な青年クリスティアンは、ここで在庫管理担当として働き始める。未知の世界に戸惑うクリスティアンに、上司の中年男ブルーノは父親のような包容力で接し、仕事のイロハを教えていく。そんな頼りがいのあるブルーノだったが、東ドイツ時代への郷愁に囚われている。ある時クリスティアンは、菓子部門で働く年上の女性マリオンと出会い、心惹かれていくのだったが…。

allcinemaより
















原作はこちらの短編集に収められている『通路にて』。未読です。
著者のクレマンス・マイヤーがマリオンの夫役で出演しています。因みにほんの数秒。台詞無し。





映画館で初めて予告編を見た時から絶対観ようと思いました。雰囲気と音楽が素晴らしかったからです。実際に観てとても素晴らしかったです。如何にもヨーロッパの映画という感じでした(でも音楽の幅は広く、クラシックからゴスペルまで)。ヨーロッパ映画の雰囲気が好きな方にはおそらくヒットするのではないかなあと思います。

内容はスーパーでのシーンが殆ど。店を離れたプライベートシーンは少しだけ。殆ど『ドキュメント72時間(この場合はもう少し時間が長い)、ライプツィヒの巨大スーパーで(従業員編)』とでも言うべき世界です。正にそこで働く人たちの人生がそこにあります。クリスティアンは「僕は店に帰る。」と表現していました。家に帰るのではなくて店に帰る。正に人生そのものだなと思いました。

上の画像の日本版ジャケットに「ままならない人生にも美しい瞬間がある」とありますが、正にそういう瞬間を紡いでいる映画です。ストーリー自体は特にドラマチックな展開はなく、ほぼ淡々としているのですが、その淡々とした時の中にドラマチックな瞬間が沢山あります。

個人的に一番好きだったのはクリスティアンがマリオンに施した小さなサプライズです。あれをされて嬉しくない女性はこの世にいない。とても素敵だった😢💘

主演の二人がはまり役でした。マリオンは何とあの世界一変なおじさん(私的には。笑)、トニ・エルドマンの娘役の人ではないですか。この人は美人ではないですが、個性的なので一度見たら忘れられません。トニ・エルドマンではクールなキャリアウーマンの役柄であまり笑いませんでしたが、今作では表情豊かな女性を好演。いい女優さんですね。
クリスティアンのフランツ・ロゴフスキは『ハッピーエンド』でユペール様の放蕩息子役で、信じられないくらいKYな男を演っていましたが、あれも裏を返せば繊細な性格の人だったので、この人はナイーブな性格の人をやるとハマるんだなと。個人的にはこの人は顔を見ているだけでいいなと思うとても魅力のある人です。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190405-00010000-tjapan-movi


東西ドイツ統一に関して国民にどの様な影響があったのかということは知らないのですが、今作を見て、旧東ドイツ出身の人々の中には行き場を失ってしまった人もいるのだということを知りました。日本に生まれ育った私たちには分からない心境ですね。


原作は『通路にて』(英語のタイトルもそうなっています)なので邦題の『希望の灯り』は意味がよく分かりません。ブルーノが統一前、長距離トラックドライバーだった頃に「アウトバーンの向こうに○○が見えると帰ってきたと思って嬉しかった」と言っていた台詞と関係があるのでしょうか。彼には統一後に希望の灯りは無かったのです。でもクリスティアンにはスーパーに就職して、職場の人たちとの交流によって彼の人生に希望の灯りが灯った様に見えました。

スーパーの中の印象的なシーンで波の音がフューチャーされています。スーパーの中なんだから波の音が聞こえる筈は無いのだけれど。でもよく耳を澄ましてみると本当に聞こえるんです。それが冒頭のジャケットの画像に描かれています。日常の中にも耳を澄ませば、気をつけて見てみれば、美しい音や光景がある。只気がつかないだけで。

フォークリフトってこうやって使うんだ❗👀💡と初めて知りました(フォークリフトの講習会(授業)で上映されていた事故の映像は完全にスプラッタムービーでキモ可笑しかった。あれは監督の悪ふざけ?💧)。
勉強になった。

仕事が終わって従業員が帰る時に、出口でマネージャーが立っていて毎回従業員全員一人一人と握手をして見送る光景が驚愕だった😮日本では考えられない。あれはドイツ人の国民性なのでしょうか。今でもあの様な光景は実在するのでしょうか。
クリスティアンが入社間もなく勝手にフォークリフトをいじって、従業員の男性に本気で怒られていましたが、男性は怒ったあとにクリスティアンに声をかけて握手をするのです。心が綺麗な人だなと思いました。皆ああいう人ならブラック企業とか無いのにね。

アート系作品、ヒューマンドラマ、ヨーロッパの映画が好きな方は是非御覧ください。


★★★★★★★★

コメント

No title

> アンダンテさん

是非この素晴らしい雰囲気を味わってください☺️✨

No title

キネ旬に来たら観にいきます

No title

かずさん

とても素晴らしくて本当に見て良かったと思いました☺️

No title

予告を見てとてもいい雰囲気の作品だなと思っていました。
かみえるさんも同じだったようで嬉しいです(^-^)

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kamieru

Author:kamieru
かみえるです☺️🌷
三匹のにゃんずと地味に暮らしています。
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