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動くな、死ね、甦れ!


 
 
 
1989  ロシア 105分
 
 
本作で90年カンヌのカメラ・ドール(最優秀新人監督賞)を受賞した時、カネフスキーは54歳だった。それ以前に短篇一作と、押しつけられた企画の長篇一本をものにはしているが、無実の罪で映画学校在学中に逮捕され、8年を獄中に暮らしたこの男の実質的なデビューはやはり本作からなのだ。
 第二次大戦直後のソ連極東の収容所スーチャン。12歳のワレルカは母親と二人バラック暮らし。近所の同い歳の少女ガリーヤが列車の到着に合わせ開かれる市でお茶を売るのを真似て、ワレルカも営業開始。貯めた金でスケート靴を買うが悪童たちに奪われる。雪の校庭で行進練習。と突然トイレが溢れ返り、悪臭が学校中に漂う。イースト菌を使ったワレルカの悪戯だった。その日帰宅すると母は愛人と情事に耽っており、彼女に片想いの隣人の炭坑夫はそれを覗いて憤然と立ち去る。言うなれば吹き溜まりのこの町。発狂した元学者は配給の小麦に泥を混ぜむさぼる。収容所では15歳の娘が特赦になろうと妊娠を望んで男に体を開く……。日本人捕虜も多く、ワレルカは彼らと親しい。連中が口ずさむ異国の童謡は少年の内なる主題歌だった。母に例の悪戯を白状させられたワレルカは学校を退学になった。腹立ちまぎれに以前殴られた機関士に復讐しようと、パチンコを持って出かけた彼。ふと、線路の連結を変えたのが大事故につながって、恐ろしさから貨車に飛び乗り祖母の家に赴けば、新しい愛人のいる彼女は彼をとことん疎んじた。やがて、ウラジオストックで強盗団の仲間入り。だが、夏になって“守護天使”ガリーヤが彼を探し出し連れ帰る。しかし、故郷を目の前にし、彼らは後を追う強盗団の姿に気づかずにいた……。
 映画の枠が描かれる物語に呑み込まれるような強烈なラストは、それまでの映画の終焉すら意識させる。傷だらけの登場人物たち。色彩に溢れたモノクロの撮影。すべて真実以上の真実。誰だって少年のその後を知りたいと願うから、監督は同じナザーロフとドルカーロワの主演で続編「ひとりで生きる」を撮ることになる。
 
from allcinema

 
TV初放送だそうでしたが気になったので見てみました
この監督さん存在も知りませんでしたが非常に強烈な作品だったので他作品も是非見たいと思いました
しかしカンヌでカメラドールの作品が何故今頃TV初放送なのでしょうか?権利上の問題とか色々あったのでしょうか?
しかしこの様な貴重な作品を無料放送してもらえるのは有難いことです
 
監督自身の記憶を元に作られたと解説で言っていたので監督の自伝的作品ということでしょうか?
だとしたら凄い少年時代です(@_@。
非常に殺伐としていてます
最もこの時代はこういう凄い(厳しい)生活を送っていた子供が大半だったのかもしれません
自分が経験していない世界なので想像するしか無いのですが見ているととてもリアルに感じたのでで多分この時代ってこうだったんだろうな~と思いました
 
 
ワレルカが家を出る前にガリーヤと話すシーン
「遠くに逃げる。手に職つけるよ。(自分にもスターリンとレーニンの)刺青があったらなぁ。」
と言うシーンが印象的。これは彼がスターリンやレーニンの信望者ではなく単に12歳にしてそれらの刺青が自分の身を守ってくれると思った訳です(それらの刺青を入れていたお陰で命拾いした男の話をガリーヤに聞かせる)
時代の厳しさを感じますねm(__)m
 
この作品はトリュフォーさんの『大人は判ってくれない』(1959)を彷彿とさせる作品ということでしたが確かにワレルカが
「母さんは僕よりも他人の言うことを信用するんだ。」
という台詞やワレルカが逃亡先で海辺を走るシーンはアントワーヌ少年を思わず思い出してしまいました
が、アントワーヌとワレルカはタイプが違うと個人的には思う
アントワーヌはあまり気持ちを表情に出さない人だな~と思ったけどワレルカは思いっきり出します
ワレルカの表情を見ているだけで飽きなかった(~_~;)(大げさと言えばそうなので好みは分かれるかもしれないけど私は好きです)
親友役のガリーヤ役の女の子もとても芸達者で二人はいいコンビです
あと線路の上を歩いているシーンでは『スタンド・バイ・ミー』(1986)を思い出してしまった
スタンド・バイ・ミーとは結末が違いすぎるところも時代を象徴していましたが(-_-;)
 
ワレルカはママに女手一つで育てられて時代が不安定な上に家庭環境も不安定で厳しい環境の中唯一の理解者がガリーヤだった
本当に彼女の存在はワレルカにとって貴重だったと思う
しかし時代は彼らにとって厳しすぎたという大変重い物語でした
 
思わずロベール・ブレッソンさんの『少女ムシェット』(1967)(今まで見た子供が主人公の映画の中で一番殺伐としていて最も辛いと思った作品)を思い出してしまいました
 
登場人物の大半が叫んで(怒鳴って)いたり精神を病んでいる人や負傷兵も出てくるし下水溝から溢れ出る汚水はこの街とそこに暮らす人々のカオスと疲弊した心を象徴している様だったし全てが殺伐としていて精神を逆撫でされるシーンも少なくなかったけれどそんな中でもワレルカの盗まれたスケート靴をガリーヤと二人で取り返しに行った帰りに二人で爆笑するシーンやワレルカが収容所の日本兵たちと仲良くしているシーンは心が和んだし度々BGMに流れる古い日本の曲も情緒がありました(日本の曲を挿入曲に使うというとカリウスマキさんを思い出しますがカリウスマキさん作品もわびさび的なものを感じていいけれど今作はもっと極限状態の厳しい世界でしたm(__)m)
 
 
全般が断片的なシーンを繋ぎ合わせた感じで作りもラフなのでそういうのが体質に合わない方は好きじゃないかも知れないけど私は凄い勢いと説得力を感じたし今までに見たことのないタイプの作品だったのでとても印象に残りました
ヒューマンドラマが好きな方は一見の価値有りと思います
 
 
只見て幸せな気持ちになれないことだけは確かです
 
 
あとタイトルの意味がイマイチ分かりませんでした
 
 
 
TV(BS)にて
 
☆☆☆☆☆☆☆

コメント

No title

tedさん


私は全然通ではないし通であることに興味も無いです
映画は所詮エンターテイメントですからね
ゴダールも殆ど未見ですよ
見る気はあるんだけど追いつかないんです
(^^;)
映画も音楽も自分が気になったものを見る(聴く)のがいいと思いますよ
ホラー専門オールドファッション専門でもいいと思います
好みの問題ですからね
でも普段見てないものを見ると発見はありますよね
p(^-^)q

No title

随分と面白い題名の映画ですね!
これは初耳でした!
ロシア映画なんて、またツウですね~^^;
欧州映画は最近見て無い…。久々にゴダールでも挑戦してみようかなと思います笑。

No title

りゅうちゃん


私がこんな呪文の様な言葉を口にする訳がありません(笑)


このタイトルも終戦直後という殺伐とした時代を象徴していると思います

No title

お疲れ様です

今一段落してランチしながらPC開いて、ブログのタイトルを見て、何があったの?!!って・・・・・そんな気持ちでブログ開きました(^-^)
内容みてこういうお話しだったのね~~~って、安心しちゃいました~~♪

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三匹のにゃんずと地味に暮らしています。
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