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千年の祈り

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2007       83分  アメリ/カ日本

北京生まれのイーユン・リーが渡米して英語で書き、デビュー作にして数々の賞に輝き世界的ベストセラーとなった話題の短編集を「ジョイ・ラック・クラブ」「スモーク」のウェイン・ワン監督が映画化した感動ドラマ。アメリカで自由と孤独な一人暮らしをする娘と、北京からはるばるやって来た伝統を重んじる父、互いに相容れない価値観を持ち不器用なコミュニケーションに終始する一組の中国人親子の家族ゆえに生まれるわだかまりと
、それでも失われない深い絆をしみじみとしたタッチで描き出す。
 妻に先立たれ、北京で引退生活を送るシー氏は、アメリカに暮らす娘イーランのことを心配して、はるばる海を渡り彼女のもとへとやって来る。離婚して一人暮らしをしているイーランの生活は、シー氏の目には予想以上に荒んで見えた。娘の幸せを願い、何かと口を出すシー氏に対し、イーランは苛立ちを募らせますます心を閉ざしてしまう。一方、公園で出会ったイラン人マダムとはカタコトの英語で交わす会話を楽しみ、互いの境遇を重ねて心を通わせていくシー氏だったが…。

allcinemaより

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ブロ友さんがウェイン・ワン作品の記事を書いていたのを見て、昔録画していつか見ようと思っていた本作を探しだして(2時間位かかった😅)やっと見ました。

地味でしたがウェイン・ワンらしい空気感の作品だったと思います。北京に住むお父さんがアメリカに住む娘を12年ぶりに訪ねて来て、娘のイーランが空港に迎えに行くところから始まりますが、その時の娘の表情が冴えず、微妙な空気なことからお父さんは歓迎されていないということが分かります。それでも娘はお父さんを自分の住まいに滞在させて、彼女なりに気を使って相手をするのですが、お父さんは娘の生活にああでもないこうでもないと口を出してくる。忙しいのに昔話をしたり、娘の机の引き出しを勝手に開けて見たり交際相手のことを色々訊いてきたり。あまりにもうざすぎてイーランの苛々が募ります。見てる方もお父さんのお節介が目に余りました😣😩もう大人だしイーランにはイーランの生活があるからお父さんはちょっかいを出しちゃ駄目🙅‍♀️それを全然分かってない😩娘の心配をしてるというのは分かるんだけど、12年も会っていなくて、普段からこの父娘はあまり会話もしていなかったと思われるし、そういう距離の相手にあれこれ言える訳も無いし言っても通じない。ある日イーランが口火を切る。「いつ帰るの?」と。そこからズバッと本心を言う。お父さんはうつむいて黙ってしまう。その後のシーンがジャケットの画像なのですが(父娘が壁一枚隔てて隣同士の部屋にいる。お父さんは独白している)このシーンがホロリとさせます😢何か見ていて亡き父のことを思い出しました。私の父は小うるさいことは一切言わなかったし、イーランのお父さんみたいに自分を良く見せるための嘘をついたりはしませんでしたが、時々分かった様なことを言われてイラッとした私はズバッと言い返したこともありました。やっぱり父は黙っていました。思い出すと泣けます🙇娘の立場の人はイーランの気持ちが分かると思います。

 お父さんが公園で友達になったイラン人女性とのエピソードも泣けます。(☆ネタバレ注意☆)公園のベンチで度々お話をしていた二人でしたが(英語は片言だけで、お互い母国語で話すシーンも多かったがなんとか意思の疎通ができていた)、ある日女性が公園に来なくなった。女性の友達がお父さんに訳を話す。実は彼女は老人ホームに入ったのだと。イラン人女性はイーランのお父さんに、私の息子はアメリカで医師をしていて良い家に住み、お金持ちだと話していたが、息子はお母さんとの同居は望まなかったということです。女性の息子は自分の子供の面倒を母親に見てほしくないのだということでした。このエピソードは結局年寄りは邪魔にされるのかと思うと悲しくなりました😢💔本当の理由は分かりませんがいずれにしても寂しい話でした。

☆ネタバレ注意☆
わだかまりがあった父娘でしたが最後は仲良さそうに話していたのが何だか取って付けた様で違和感がありました。でも世界にたった一人の父と娘だし、それも有限だから険悪でいてはいけませんよね。

ウェイン・ワン作品はオンデマンドにも幾つかありますが、本作は見かけませんね。地味だからでしょうか?イーリン役の女優さんがとても綺麗だと思いました。

2012年にWOWOWのW座でオンエアされたのを録画したものを見ました。当時のW座は薫堂さんと水丸さんのコンビでした。この二人がオンエア後に感想を語り合うのが好きでした。水丸さんは2014年に急逝されましたので今となっては貴重な映像です。
因みに薫堂さんは本作はあまり好きではないと冒頭で言っていましたが、あとから良い作品だと言っていました。水丸さんは結構好きだった様です。イーランのお父さんと同年代だからと言っていました。

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ウェイン・ワンの新作が東京フィルメックスで上映されます。こういうのって首都圏では絶対都内限定なので…各県でやってくれればいいのになあと。叶わぬ夢ですね。

★★★★


コメント

ひささん

ありがとうございます\(^_^)/

小説の方も読まれたのですね。私も読んでみたいです。
小説だと映画とはまた印象が違うのでしょうね。

お父さんがイーランにお料理を作っているシーンは、アン・リーの『恋人たちの食卓』を思い出しました☺️

こんにちは

いい映画を思い出させてくれましたね。
イーユン・リーの短編集が素晴らしくて映画も観ました。どちらもレビューしたことがあります。
映画については「名作というわけではないが忘れられない印象を残す映画であり、何よりもタイトルがいい」と書きました。
「親と子が分かりあえるためには千年の祈りが必要なのかもしれない。
かみえるさんのこのレビューを読んでいつか短編と映画についてのエッセイを書きたいと思いました。拍手。

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かみえるです☺️🌷
三匹のにゃんずと地味に暮らしています。
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