グッバイ、ケイティ
- 2020/03/10
- 18:19

2016 88分 アメリカ/フランス
UNEXTより
凄く面白かったです。映画として。内容はかなり悲惨ですが。
舞台はアリゾナ。ケイティが荒野の中の一本道を歩くシーンが度々出てくるのですが、こんなところ一人で歩いていて大丈夫なんだろうかと思ってしまうような不毛の地という印象です。
とにかくケイティの人生が過酷です。母子家庭でお母さんが駄目親。働かず近所の家の男と不倫中。生活はケイティの肩にかかっている。ケイティはこの街から出るために売春をしてお金を貯めている。街の多くの男たちは彼女の顧客でその中には教師や警察官もいるという腐った街。そんな中整備工場の新顔ブルーノと恋に落ち、ケイティの人生に光が射したかと思われたが、負の連鎖で状況はどんどん悪くなる。それでも人を責めず困難に耐えるケイティがもどかしく悲しかった。おそらく幼い頃から耐えることを強いられて生きてきたのかもしれない。
『ガラスの城の約束』と被るところが多かったですね。毒親で貧困。街を脱出する為に貯金するが親に邪魔されるところも同じ。街から出る為に生きているところは『サーミの血』も思い出しました。ケイティはサーミの血の主人公エレ・マリゃとは対照的な性格だった。家族を捨てたエレ・マリャだったが、ケイティは自分が家を出たあとのお母さんの生活費のことも考えていた優しい娘だった。主演のオリヴィア・クックの演技がとても素晴らしかった。
腐った人たちの中で唯一ケイティに優しかったのはダイナーの女将さんとケイティを可愛がっていたトラック運転手のおじさん。あの人たちがいて良かった。整備工場の若い男はいい人だと思ったのにあの結末は一体何なのか。地獄に落ちろ🔥ブルーノにもがっかりだった⤵️⤵️
ウェイトレスものと言えば私には生涯忘れられない作品があり、それは『アフェア(情事の行方)』です‼️TVドラマですがどんな映画より印象的でしたね。ノアとアリソンの出逢いはレストランでした。あと『ヘッドライト』❗本作で長距離トラックのおじさんとケイティを見ていて『ヘッドライト』を思い出した。
ヒューマンドラマが好きな方にはお薦めです。とても辛い内容ですが。
★★★★★★★★★