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きみの鳥はうたえる

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2018     106分 日本


 函館シネマアイリス開館20周年記念作品として、佐藤泰志の同名小説を、舞台を東京から現代の函館に移して映画化した青春ストーリー。主演は「素敵なダイナマイトスキャンダル」の柄本佑、共演に「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の石橋静河と「空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎」の染谷将太。監督は「Playback」「THE COCKPIT」の三宅唱。函館郊外の書店で働く「僕」は、失業中の静雄と小さなアパートで一緒に暮らしていた。そんな中、ふとしたきっかけで関係を持った同僚の佐知子が、毎晩のようにアパートへ遊びに来るようになる。佐知子と恋人のような関係になりながらも、静雄も加えた3人で過ごす気ままな青春を謳歌していく「僕」だったが…。

allcinemaより

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北の地に暮らす普通の若者たちの日常を描いたお話で、特にドラマチックな展開等は無いのですが、とても好きでした。等身大と言うのでしょうか。刹那的に生きている様に見える3人の若者たち、本屋の寂しそうな店長や大人になりきれていないおじさん従業員、マイペースな静雄のお母さん。皆こういう人っていそうだよねと思わせるところがリアルでした。でも私の感想を一言で言うと役者が良かったです。特に石橋静河さんが素晴らしい。WOWOWの「W座からの招待状」で見たのですが、ナビゲーターのイラストレーター信濃八太郎さんが、彼女のことを「性別を超えた人としての魅力がある」と表現していましたが、私もそう思います。本当に素敵な人。「僕」の柄本さんも良かったなあ。柄本さん演じる「僕」は適当を絵に描いたような人で、劇中で「お前ほんと誠実じゃないよな」と周りの人に言われるシーンが複数回出てくるのが彼の適当な人となりを象徴している。遊ぶこと以外は全てが面倒くさそうで、佐知子のことが好きなのだが、僕の適当さが嫌になってきた佐知子が他の人に目を移しそうになっても「別にいいけど。面倒だし。」という態度が、今こういう無気力な人って多そうと思わせた。私は昔僕に性格がそっくりな人とつきあったことがあって、全てがそっくりだったのでその人を思い出しました。その人は世界的大事件のことをどう思うかと訊いたら「どうでもいい」と言ったのが衝撃で、今思い出しても信じられない。今も全てがどうでもいいと思いながら生きているのだろうか。「僕」は佐知子の存在により少しだけ変わることができた。映画はそこで終わるので彼らのその後が気になります。ぶっちゃけ彼らを見ていて思ったのは「W座からの招待状」のナビゲーター小山さんも言っていましたが、「若いな」ということです。僕と佐知子はアルバイト。静雄は無職だが彼らはいつも遊んでいた。ダーツバー?やクラブ、呑みに行ったり。よくお金があるなと不思議だった。ああいうことって若い内しかできないよねと小山さんが言っていたが、そういうこところが青春だなと。

冒頭で僕が「この夏がずっと続くと思っていた」と過去形になっているところから分かるように、そんな楽しい彼らの夏も永遠には続かなかった。3人で楽しく過ごした夏は2度と戻らない。その幸せな短い時を切り取ったそういう青春映画でした。

見終わってから原作は佐藤泰志の作品だということを知りました。だから好きだったのかなと思いました。と言うのは『そこのみにて光輝く』がとても大好きだったからです。地方で特に将来への展望も無くその日暮らしの人たちの人生がテーマのところが好きです。本作の舞台は函館で、行ったことがないので函館の街を垣間見れて良かったです。夜景も出てきました。原作は読んでいませんが、原作は80年代の作品で、映画は現代の設定の様なので原作とはまた違うのかもしれないですが、若さは儚いというところは同じかなと。

三宅唱作品は3本目でした。三宅唱も佐藤泰志と同じく北海道出身なんですよね。場所は違いますが。なので本作の監督に抜擢されたのでしょうか?分かりませんが。
私が見たのは『やくたたず』と『playback』という初期の2本なので、本作はずいぶん垢抜けたなあという印象でした。出ているのも旬の俳優さんですしね。でも根底のところは『やくたたず』に近いものを感じました。あっちの方がモノクロの映像、雪で半端なく寒そうなところ、狭い世界の人間関係のしがらみなどがヘビーでしたけれども、北の地に生きる普通の人たち。青春。というところは同じですね。本作の脚本が三宅唱自身になっていたので、なんか分かるなと思いました。因みに『やくたたず』の時クレジットが何から何まで全て三宅唱一人でやっていたのが印象に残っていますが、あれからここまでよく頑張ったなあと思いました😢💘

本作は特にドラマが無いからか人によってはアピールしない様で、低評価の人も結構いる様ですが私は見て良かったと思いました。

右が監督さんです。

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★★★★★★★


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Author:kamieru
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