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「秘密」 谷崎 潤一郎

主人公は20代の男性。気まぐれから浅草の寺での隠遁生活を始める。寺にいながら、刺激的で奇怪な事を求め、それに耽溺するという「秘密」を楽しもうとするうちに、女装に目覚める。夜な夜な世間の目を欺いて出歩いていたが、ある劇場で、美貌の女性に会う。それはかつて自分が捨てた女であった。その翌日から2人は逢瀬を再開するが、女の家までの往復は目隠しをされて人力車に揺られて行くため、「夢の中の女」「秘密の女」に好奇心を掻き立てられることになる。  女の秘密を暴くことに夢中になる男。秘密が秘密でなくなった時、男はさらなる刺激を求めて…。

番組オフィシャルウェブサイトより

☆ネタバレ注意☆

ラジオ文芸館の再放送で聞きました。変態的で(軽め)、ドラマチックで、ミステリアスで、虚しい話でした。男が女装に陶酔する描写や、女(かつて上海行きの船の上で短い関係を結んだ相手)と偶然再会した時のドラマチックな演出(女が男の耳元で囁く言葉“arrested at last ”=ついに捕まった。が印象的)、再び始まる逢瀬の日々と突然の結末。

男は人力車の中で女に懇願して一瞬目隠しを取ってしまい、そこで見たものから女の正体を突き止めてしまいます。そして女に興味を失う。

やっぱり夢は夢のままがいいということ。浦島太郎も欲を出して悲惨なことになったではありませんか。でもこのお話の場合相手が悪かった。刺激を求めているだけの男なので。女に興味を失った男は血生臭い刺激を求める様になる(その内容は明かされぬまま物語は終わる)。元から女の手には負えない男だったということですね。でも女にとっては一番愛した人だった様なので悲劇だけれど。これが人生かな😢💘でもこういう人(男)ってろくな死に方しない気がする。

それはともかく谷崎の表現力ってやっぱり素晴らしいなあと思いました。

「秘密」1911年11月中央公論(wikiより)




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