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Peace ピース

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2010    75分 日本/アメリカ/韓国

これまでも『選挙』や『精神』という良質な作品を撮り上げてきた想田和弘監督が、平和や共存という難題に挑んだドキュメンタリー。想田監督の妻の実家がある岡山市を舞台に、福祉の仕事に従事する義理の父母の日常や、彼らの家に住み着いた猫たちとの何げない日常にカメラを向ける。義父母の仕事の大変さや、自宅の猫問題に関する夫婦のちょっとした危機を絶妙に切り取ってみせる。猫社会などから透けて見えてくる人類社会の縮図的構図にうなる。

柏木寿夫は養護学校を定年退職し、障害者や高齢者を乗せる福祉有償運転ドライバーとして働いている。一方、妻の廣子は、高齢者や障害者宅にヘルパーを派遣するNPO法人喫茶去を運営。彼らの自宅には、何匹かのノラ猫たちがいつも住み着いており、寿夫が猫たちとたわむれるのを妻は苦々しく思っている。



シネマトゥデイより

想田作品初めて見ました。序盤、猫のシーン以外はあまりにもつまらなく、見るのをやめようかと思いましたが、私は見始めた作品はよっぽどのことがなければ最後まで見るので、見続けていたら面白くなりました。特に黄色いヘルメットにゲートルのおじさんと柏木さんが、無言で回転寿司を食べるシーンは、お二人の表情から人となりが垣間見えるようで、なんだか泣きそうになりました。
他も色々と考えさせられるところがありました。

夫妻が生活支援をしている92才の独居老人は肺を患っているがPeaceを吸うのが唯一の楽しみ。ある日笑顔で戦争の記憶を語る。話を親身に聞きながら老人宅を出て車に乗ったとたんに足が出た駐車料金を愚痴る義母。一通りのルーティーンをこなすととどうしても一時間以内では収まらない。でも駐車料金は一時間分しか出ないと。現場は色々大変だとは思いますが、元からボランティアの部分が大きい仕事ならば(柏木氏はこの仕事には「お金には代えられないものがある」と、この仕事を目指す人たちの講習会で言っていた)あの様にビジネスライクな部分を見ると正直がっかりしてしまいました。だってNPOなのにね。

夫妻宅の庭での餌付けが常連の野良猫たちは、柏木氏が泥棒猫と呼ぶ白黒の新参猫(これがとても猫相が悪い😆身体の汚れ方も年季が入っている)が来るようになってから、ご飯を食べる場所を自ら隅の方に移動した。常連猫は泥棒猫に威嚇したりしているがケンカはせずに共存している。20年間野良たちを見てきた柏木氏曰く、野良猫たちの世代交代が進むと老いた猫たちは自然と姿を消し、そうなると二度と会えないそうです。そういう話は猫好きとして興味深いけど、ジャケットの「平和へのヒントは野良猫たちから教わった」の台詞は取って付けた様でピンと来なかった。猫の餌付けについても良い面悪い面共に考えさせられました。

私が好きだったのは何気ない街の風景や動物たちの映像です。池を泳ぐ鴨の行列や彫刻みたいに動かずに甲羅干しをしている亀たち。横断歩道の手前で鞄を沢山抱えて泣いている男の子と男の子に声をかける女性etc.どれも一瞬や短い映像で脈絡も無いけれど、人間(動物)観察が好きな人なら楽しめるのではと。撮影されたの2009年と思うので(映像の中に2009年のカレンダーがありました)猫他の動物を見ても人を見ても11年経っているけれど皆どうしてるかなあと思ってしまいました。

柏木氏の定年退職後も働くという生き方も勉強になりました。猫が好きなので猫を大事にしてくれるのは有り難いです。

好みは分かれる作品とは思いますが、私はそれなりに楽しめました。絶対お勧めという作品ではないかな。他作品もいずれ見たいと思います。


★★★★☆

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