ふたつの名前を持つ少年
- 2020/05/09
- 15:20

2013 108分 ドイツフ/ランス
実話を基に、ユダヤ人強制居住区(ゲットー)からたった一人で脱走したわずか8歳の少年が、ナチスの執拗なユダヤ人狩りから懸命に逃げ延びる壮絶なサバイバルの行方を描いた戦争ドラマ。原作はウーリー・オルレブの児童文学『走れ、走って逃げろ』。主人公の少年はオーディションで選ばれた双子の兄弟アンジェイ・トカチとカミル・トカチが2人で分担して演じている。監督はドキュメンタリーを中心に活躍するペペ・ダンカート。
1942年、ポーランドのワルシャワ・ゲットー。8歳の少年スルリックは、父親の“絶対に生きろ”という言葉を胸に、たった一人で脱走する。ユダヤ人だと気づかれないようポーランド系のユレクを名乗り、森の中で出会った孤児グループと行動をともにする。しかしドイツ軍に追われて再び一人になると、ついには飢えと寒さで行き倒れてしまう。危うく命を落としかけたところを、ひとり暮らしのヤンチック夫人に救われるユレク。夫人は一人でも生き延びられるよう、ユレクにポーランド人孤児としての架空の身の上話とキリスト教の作法を教え込む。しかしそこにもゲシュタポが現われ、またしてもたった一人で過酷な放浪を強いられるユレクだった。
allcinemaより
存在を知りませんでしたが、とても辛い、でもとても素晴らしい映画でした。何故こんなに良い映画が世に知られていないのかと。残念に思います。
何も知らずに見ましたが最後にユレク(スルリック)のモデル御本人が登場し、その時はじめて実話だと知り驚愕( ゚Д゚)それとユレク役は双子が分担して演じているというのも後から知り、それも驚愕
(; ゚ ロ゚)そっくりで全く気がつかなかったし、どのシーンもほぼ完璧な演技と思うので天才双子だと思います。
映画の内容は終始少年の逃亡劇です。どんなに逃げてもすぐに追っ手がやってくるし、逃亡は過酷を極めるので、見ている方も「何故こんなに何度も辛い思いをしなければならないの?何も悪いことしてないのに。まだこどもなのに」という気持ちで一杯になります。ドイツ兵が悪魔に見えました。
ユレクは農家を転々としながら逃亡を続けるのですが、門前払いする人も少なくなく、僅かな報酬の為にユレクを利用する人もいました。反対に助けてくれる人、自分の身を危険に晒しながらもユレクを守ってくれる人もいました。後者の人たちに感謝します。自分もそういう人間でありたいです。
戦争映画のレビューでいつも同じことを言っていますが、戦争は只々悲惨なもの。絶対にしてはいけない。と改めて思いました。
どんな時も生きることを諦めなかったユレクの勇姿を是非見て頂きたいです。
★★★★★★★★☆