半世界

2018    119分　日本

「北のカナリアたち」の阪本順治監督が稲垣吾郎を主演に迎えて贈る人生ドラマ。過疎化が進む地方都市を舞台に、親の仕事を受け継いで淡々と人生を送ってきた40歳目前の主人公が、旧友との再会を機に、改めて互いの友情を確かめ合うとともに、これからの人生を見つめ直し、仕事と家族と真剣に向き合う姿を描く。共演は長谷川博己、渋川清彦、池脇千鶴。
　とある地方都市で、妻の初乃と中学生の息子・明と暮らす39歳の高村紘。父から受け継いだ備長炭づくりを生業とする紘だったが、今の仕事に特別な思い入れがあるわけでもなく、その一方で仕事を理由に家のことは初乃に任せきり。そんな単調な日常をただやり過ごすだけの毎日が続いていたある日、中学時代からの親友で、自衛隊員をしていた沖山瑛介が妻子とも別れて一人で突然の帰郷を果たす。紘は、同じ中学の同級生・岩井光彦も交え、久々に３人で酒を酌み交わす。瑛介は何か深い事情を抱えているようだったが、多くを語ろうとはしなかった。一方紘は、反抗期の息子に無関心なことを光彦に鋭く指摘され思いがけず動揺してしまうのだったが…。

allcinemaより

　

吾郎ちゃんの演技を見たのは本当に久しぶりでした。悪くなかったと思いますが、ミスキャストという気もします。吾郎ちゃんは繊細でナイーブなシティボーイというイメージが強いし、それが似合うのでちょっと山奥の職人という感じではないですね。真っ赤に燃えたぎる炭をさばいているシーンは、凄く練習したんだろうなあ、俳優も命懸けの仕事だと思いましたが。

個人的には奥さんの池脇千鶴さんの方がばっちり適役だったなと。素晴らしい👏

長谷川さんの演技を絶賛する人が多いですが、私には何だか臭く見てえしまいました。。。(ごめんなさい)。ちよっとコテコテすぎるかなと。熱演と言えばそうなのですけどね。いつ見ても背が高くて足が長くてカッコいい人だなあと思いますが。

個人的には3人の中では渋川さんが一番良かったです。役作りが一番板についていた感じがしました。でもやっぱり池脇さんが一番素晴らしかったと思います。『ジョゼ～』と『そこのみ～』で痺れましたがお母さん役もまた素晴らしいですねぇ。名女優✨

この映画を見て一番思ったのは幼なじみっていいなと。こういう友達羨ましいです。女は出産育児介護等で疎遠になってしまうことが多いですからね(勿論何十年も友達が続く女性同士もいると思いますが)。男の方がブランクがあってもこの3人みたいにまた友達に戻れるんじゃないかな。

厳しい話でしたがいい話でした。でも全てが予定調和という感じで(結末も早めに想像できました)、全く意外性が無いところがつまらないので凡作だと思います。

気になったのは紘の息子のケンカ。いくら炭が固くてもいじめられっこがいきなり数人をなぎ倒すのも『ピーナツバターファルコン』のレスリングシーン(小さなファルコンが大男、しかもプロのレスラーを投げ飛ばした)位違和感がありました。でもそれ以外は(3人のそれぞれの悩み)実際にもよくあることかなと思いました。

光彦のお父さんが紘に「お前はやることやったんだから」と言うシーンが印象的でした。天気雨はいつも切ないですね😢

★★★★★