ドキュメンタリーを見ました
- 2020/07/15
- 23:48
プロフェッショナル仕事の流儀「ぶれず、おごらす、侮らず~洋食店店主・島田良彦~」を見ました。
4代続く老舗で大人気店。この店の特徴はとにかく手間隙かけること。私が感動したのは油を手作りしていたことです。食材を揚げたり炒めたりする油ですね。仕入れた上質のお肉から脂身部分だけを切り落としたものを時間をかけて液体の油にするのですが、店主曰く、「これが全ての基本(要)です」と。ラーメンで言うところのスープですよね。洋食ですからやっぱり油が肝ですよね。分かるなあと思いました。油を手作りって初めて観たので感動しました。
油の味見をして「いい感じです」と御満悦のシーン
ピカピカ‼️✨✨✨
因みにお値段は3000円~5千円。決して安くはないですが、人は本当に美味しいものにはお金を出しますからね。
私がいつも一流の職人と言われる人を見て思うのは綺麗だなと。規則正しい生活をしているので肌が綺麗だし表情もきりっとしている。全身が凛としているのですよね。島田さんもそうでした。私みたいなだらけた人間から見ると後光が差して見えます。本当に。🙏
印象的だったシーンやエピソードは沢山ありますが幾つか挙げます。
3代目のお父さんが病床で余命幾ばくの時に良彦さんに問いかけた。「俺のあと店をやっていけるか?」良彦さんは精一杯務めますと答え、それが最後の会話になった。それを胸にずっと頑張って来た。ずっと精進してきたがそれでもお父さんの代の常連さんは一人また一人と店を離れていった。「あの店は味が落ちた」と辛い噂も耳に入った。そんな中でもずっと贔屓にしてくれる人もいた。良彦さんは日々邁進した。そして今では不動の大人気店。そんな店もコロナ禍は免れなかった。多くのキャンセルが出る中長年にわたり贔屓にしてくれた女性が亡くなり、その49日法要を店でやりたいと遺族が言ってくれた。世が世なのでどうするか話し合いの後、店で法要の食事会が行われることに。個人的にはこのシーンがとても心に残りました。食事会の始めに店主が献立を口頭でお客様に伝えました。「○○さん(贔屓にしてくれた故人の女性)が好きだった○○と~△▽と~。。。で行きますんでよろしくお願いします」思わず涙が出そうになりました。故人が愛した献立を最期のお別れに精魂込めて作る😢生前「あなたの料理は本当に美味しい」といつも言ってくれた人。これは正に実録『バベットの晩餐会』in上野だなと。感謝の全てを腕によりをかける。今書いていて胸が熱くなって泣けてしまいました😭
他にはお客さんが来たとき「いらっしゃいまし」と言う。まかない時(スタッフのお昼ごはん時)全員立っている(お客さんがいつ来てもすぐ接客できる様に)等が江戸っ子と言うのでしょうか。昔気質の姿勢でカッコいいなあと思いました。
店主の言葉で一番印象的だったのが
「夢中になれることがあるって幸せです」
です‼️本当にそう思います。勿論お仕事のことです。
良彦さんは子供の頃からお父さんの仕事する姿に惚れて、もう小学校の卒業時文集に「家業を継ぎたい」と書いたそうですが、子供の頃の夢が実現してそれがずっと続いているというのがなんて素晴らしい人生なのかと羨ましいです。勿論大変なことは沢山あると思いますし商売というのは何をやっても大変だと思います。が、やりたいことがはっきりしていてそれを続けていて生活できているというのは全く無駄の無い人生だし理想の人生だと思います。
看板メニューはカツレツで、肉1枚につき肉叩きで10~15回、1日1000回叩くそうです。そのせいなのかここ数年手が痺れているそうです。整体で全身をマッサージしてもらっているシーンがありましたが痛いと悲鳴をあげていました😣
美味しいものを作るのは気力体力なのですね。
良い番組を見せてもらいました。
島田良彦さんが人として魅力的でした。
折角4代続いている老舗なのでこれからもできる限り続いてほしいと思いました。