はちどり
- 2020/08/06
- 19:59

2018 138分 韓国/アメリカ
これが長編デビューとなる韓国期待の女性監督キム・ボラが、急速な経済発展を続ける1994年の韓国を舞台に、男性優位社会の中で様々な理不尽に傷つけられながら孤独な日常生活を送る14歳の少女の葛藤と成長を繊細に見つめた思春期ドラマ。主演は本作が映画初主演のパク・ジフ、共演に「それから」のキム・セビョク。
1994 年、ソウル。両親とそれぞれに問題を抱えた姉と兄と暮らしている中学2年生の少女ウニ。仕事で忙しい両親の関心はもっぱら長男の大学受験のことだけ。ウニのことなど気にかける素振りもみせることはなかった。ウニは学校でもクラスメイトに馴染めず、孤独な日々を送っていた。そんなある日、ウニは初めて自分に関心を示してくれる大人と出会う。それは通っていた漢文塾に新しくやって来た女性教師のヨンジ。彼女に少しずつ心を開き、いろいろな悩み事も相談するようになるウニだったが…。
allcinemaより
是非観たいと思っていましたが、こちらには来ないと諦めていました。ところが来ていたので観られました🙌
きつい作品なんだろうなとは思っていましたが、想像以上にきつかったです。感想を一言で言うなら「青春は楽しいものとは限らない」です。実際ウニの場合は生き地獄に近い。
まず父親がモラハラ気質。両親は長男第一で長男のウニへのDVも黙認状態。親友に裏切られる。ラブラブだった彼とも上手く行かない。ウニを慕っていた後輩とも意外な展開に。唯一心を許せる人は漢文講師のヨンジだったが。。。
個人的な辛い状況に運命的なことが重なって絶望的な状況になります。それでも耐えるウニなのでした。
私は娘二人に両親という家庭に育ち、男尊女卑というものもDV
も身近に感じて育つことは無かったですが(父親に手をあげられたことはありました。一度だけですが)、他の部分ではウニと被るところもあったので、過去の自分を思い出して辛いものがありました。特に思春期特有の女子の友情の脆さですね。私は去られる立場が多かったので、もう何十年も前のことですが今でも思い出すと悲しい気持ちになります。それと私は普通に大事に育ててもらったと思いますが、親も一人の人間で完璧ではないので嫌いな部分もありました。そういうことが色々と心の中を駆け巡りましたね。
辛い気持ちになりましたが、ウニの置かれている状況は次元が違いました。しかもそれがまだこの間のこと(1994年)というのがとても重く感じました。
★★ネタバレ注意★★
完全ネタバレになるので御注意ください。
ウニが心の拠り所としていたヨンジは突然ウニの前からいなくなり、その後不慮の事故で亡くなります。ここで気が弱い子なら自殺してしまうかもしれません。でもウニは生前のヨンジに言われた「悲しいときは自分の10本の指を見るの。指を動かしてみて。不思議な気持ちになるから。」の言葉を思い出して自分の指を見つめます。私が一番泣けたシーンでした😢
私は人生でこの経験はありません。若くして恩師や同級生が亡くなったことはありましたが、自分の家族や親友が突然いなくなったことはありません。それは想像を絶する辛さだと思います。ウニは本当に強い子でした。よく頑張ったと思います。因みにこれは監督個人の経験だと聞きました。何処から何処までが事実なのかは知りませんが。
ウニがお母さんを大声で呼んでも応えないシーンなど意味不明なところもありましたが、総じて心に残る作品になりました。
1994年に韓国で何が起きたかご存じの方、或いは実際にそれを経験した人が見るととてもリアルな作品なのだろうなと思います。
ラストシーンで少しだけ大人になったウニの弾けたような表情がとても印象的でした。一番辛いときを乗り越えたのだと思いました。ああ良かったなと。
町山さんが解説で、この物語の続編になるのが『82年生まれ、キム・ジヨン』なのだと教えてくれました。この小説は前からずっと気になっていましたが未読です。とても興味がありますが、あらすじを聞くと辛い話なので、読んだら落ち込むのかなと思います🙇やっと何とか辛い思春期を乗り越えて生きてきたのに、大人になってからも辛いままだなんて辛すぎます💔
韓国で暮らしたことがないのでどれだけ生きるのが大変なのかは分かりませんが、一流大学を出ても就職できないという話(ニュース番組で見ました)だけでも大変そうだと思います。日本も相当生きにくいですけれどね。どうして世の中こんなに生きにくいのでしょうね。
こんな話ですみませんが長尺なのでトイレがギリギリでした😵💨夏場はこまめに水分摂らないと危険ですが、その反動も危険な長さでした💧
★★★★★★★