日々と雲行き
- 2020/08/26
- 22:02

非常に辛い、身につまされる映画でした。このコロナ禍で家や仕事を失った方、収入が激減した方も少なくないと思うのですが、今この時期に見ると本当に辛いし、他人事じゃないと思う人は多いのではないでしょうか。特にこの夫妻は今まで裕福な暮らしをしていたので、そこから転落していくのはかなり辛いと思います。二人は家とヨットを売り、安いアパートに引っ越しました。ミケーレは現金が必要な時は家にあった美術品をエルサに黙って売っていました。
エルサは現実を受け止め、夢だった美術の仕事も諦め現実的な職に就き働き始めるのですが、ミケーレがどうしようもなく駄目で。2ヶ月も失職したことをエルサに言えなかった。お金が無いのに友人たちと会食した時に奢ってエルサに呆れられる。バイク便の配達やアパートの内装のアルバイトをしてみるもののまったく続かない。行き詰まって元共同経営者の元を訪ねるも憎まれ口を叩いてケンカになっただけ。家では文句ばかり言い、挙げ句の果てに仕事の面接にも行かなくなった。いつまでたっても腹を括れないのです。あまりの不甲斐なさによくこんなんで会社経営してたなと思ってしまいました。こんな調子だから乗っ取られたのでしょうけれど。
エルサの台詞。
「浮気なのかと思った。以前浮気をした時と同じ顔をしていたから。そっち(浮気)の方が(失職よりも)まだ良かった。」
分かるわーと思ってしまいました。QOLは最重要ですもの。特に二人の年代ではね。
でもエルサは立派だった。良くない行動はあったけどいつも現実と向きあっていたから。やっぱり女は強いのかな。
二人が横になっている画像は天井の絵を見ているんです。エルサの専門分野の古い絵です。システィーナホールを思い出してしまいました。本物じゃなくて大塚国際美術館のですがレプリカでもとても感動的です。スクロヴェーニ礼拝堂の美しさも忘れられません。
寝転んで絵を見るって凄く幸せですよね(やったことないけど凄く幸せだと思う)。この瞬間は二人にとって生涯記憶に残るでしょう。
二人は天井の絵を眺めながら何を話していたのでしょうか。
気になった方は作品を見てみてください😌✨
★★★★★★★