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ようこそ映画音響の世界へ

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2019   94分 アメリカ

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すばらしき映画音楽たちという映画のサントラを作る人たちにフォーカスをあてた映画がありましたが(お勧めです!)、本作品は音響を担当する人たちにフォーカスをあてた作品です。

物凄く面白かったですし感動しました。今まで10数年間?映画の記事を書いてきて「これは絶対観てください」というようなことは言ったことは無いと思います(是非観てくださいはあるかも)。それは映画の好みというのは個人的なものなのでたとえばどんな傑作ヒューマンドラマでもホラー映画しか見ない人には意味が無いわけです。メタルを聴かない人にはメタルは騒音にしか聴こえない様に😔。

しかーし‼️本作は是非。全ての映画ファンに観ていただきたい‼️できれば映画館で。きっと感動します‼️そして映画を映画館で観る意味を再認識させられます。私はそうでした。

トーキー映画から現代の映画まで沢山の映画が登場しますしスピルバーグほか巨匠映画監督、音響担当者、他沢山の関係者たちが出演し映画における音響の歴史(進化の過程)、エピソード、情熱を語っています。映画史の勉強にもなりますし何より様々な名画における音響作成秘話があまりにも興味深いです。

個人的に感動したのは『スター誕生』(1976)『ナッシュビル』『普通の人々』‼️‼️どれも凄く大好きなのですが、どれもスクリーンで観ていないのです。それが短い時間でもスクリーンで映像を観ることができて、しかも音響に関しての解説を聞けるなんて夢みたいでした。ちらっと話すとスター誕生はストライザンドが当時はまだ珍しかった「ステレオ」で作ることにした。彼女は作品自体に600万ドル出資したが(それは知っていました)それプラス音響に100万ドルかけた。映画を観た映画会社が素晴らしい音に感動し「その100万ドルは私たちが出しましょう」と言ってくれて感動した。普通の人々のあの印象的なセラピーのシーンは何気ないですが音響を担当した人が、あのシーンを作るのにどれだけ苦労したか語られています。アルトマン(『ナッシュビル』)は個人的にファンなのですが、映像の秘話は聞いたことがありましたが、音響に関しては初めて聞いて、音響に関しても拘る人だったのだと知り本当に感無量でした。

この様なエピソードが沢山散りばめられており目から鱗必至です‼️皆さんの好きな映画もおそらく複数登場するのではないでしょうか。ブラックパンサーの映像でチャドリック・ボーズマンさんが映った時は胸がぎゅっとなりました🙇

動物の声を使った話も面白いです。一つ前の記事『シチリアーノ 裏切りの美学』にも動物が複数登場しました。これは比喩的な意味で動物の映像が使われているのですが(そのシーンに動物の声、音も入っています)、本作では音響アーティストたちが動物の声を使って成功した話が複数あります。一番ぶっ飛んだのは『トップガン』のあの戦闘機の音は動物の声がミックスされていること‼️😮

他にトリビアとしてへぇーと思ったのはゴッドファーザーはコッポラの前に12人の監督に断られていたという話。前聞いたような気もしますが改めて知って大ヒットしたので本当に引き受けて良かったなと。他にも映画ファンなら面白い話が沢山あります。巨匠たちや音響アーティストたちの若い頃の写真、エピソードも味わい深いです。

映画の世界では昔は(まだこの間まで)音は重要視されておらず映画会社の人たちは音に情熱を注ぐ人々に対して全く理解が無かった。重要なのは映像であると。しかしスピルバーグ、コッポラ、ルーカスら『音ヲタク』たちの登場、成功によって現代の映画は音ありきになった。本作はそこに辿り着くまでの音を追求してきた人たちの戦いの歴史でもあります。

ラストで複数の映画の名シーンと共に迫力ある音の波に連続して包まれた時鳥肌と共に涙が出そうになりました。映画館にいて良かったと実感する瞬間でした。この感動のために映画館があるのです。その為にアーティストたちは波を起こし続けるのです。素晴らしき✨✨MAKING WAVES✨✨

「良い仕事とは大勢の人たちの輪(和)である」という言葉にも感動しました。どんなに努力と才能があってもそれを信頼してくれる人がいなければ形にならないということですね。

一つ残念なのはアメリカの映画なので『すばらしき映画音楽たち』もそうでしたが、ハリウッドで知名度がある人たちがメインになっており、アメリカ人以外だとキュアロンなどやはり知名度がある人しか出ていないので、もっと世界中の音響環境が見たい気もしましたがそれだと散漫になってしまうのでしょうかね。まあハリウッドが技術的には最先端なのでしょうし、これはハリウッドの映画史ですが。因みに日本からは黒澤作品と冨田勲が登場します。

とにかく素晴らしいので観られる方は是非観てください‼️

★★★★★★★★☆

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