fc2ブログ

記事一覧

82年生まれ、キム・ジヨン

20201105001204b4a.jpg

2019       119分 韓国

日本でも女性を中心に大きな共感の輪が広がり社会現象となった韓国発の世界的ベストセラーを「トガニ 幼き瞳の告発」「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチョン・ユミとコン・ユの3度目の共演で映画化したヒューマン・ドラマ。幼い頃から様々な場面で不公平感と向き合い続けてきたヒロインの人生を通して、今もなお女性だけが日々直面している理不尽な生きづらさを浮き彫りにしていく。監督は本作が長編デビューとなる韓国期待の女性監督、キム・ドヨン。
 結婚・出産を機に仕事を辞めた82年生まれのキム・ジヨン。今は育児と家事に追われる忙しい日々だったが、次第に自分の母や友人が憑依したかのような言葉を発するようになる。ジヨンにその時の記憶はなく、心配した夫デヒョンは、一人で精神科医に相談に行くのだったが…。


allcinemaより


202011050012056b4.jpg 
20201105001207f79.jpg


はちどりの続編にあたる作品ということで、はちどりが印象的な作品だったので、本作も観ようと思っていました。原作は未読です。

やはりはちどりの続編的な内容でした。彼女たちが育った家庭は男尊女卑で、本作では大人になってもしんどい部分を被るのは女性であるという厳しい現実を描いていました。でも個人的な感想としてははちどりの主人公ウニの方がよりきつかったなと。彼女の理解者が身内にいなかったしDVを受けていたので。唯一の心の拠り所だった人物(塾の講師)とも辛いことになり。一方のジヨンは仕事を諦めたことや、義家族とのつきあいにストレスを感じていましたが、彼女の夫はジヨンをとても愛して大事にしていたのが救いでした。

この映画を見る直前にラジオの人生相談を聞いていたらジヨンと同じ様な状況の人からの相談でした。~結婚前はバリバリ働いていた。今は小さい子供がいるのでフリーで在宅で仕事をしているが、組織に属してバリバリ働きたい。それができない現状がとても辛い。「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んだら泣けてきた~という内容でした。
これは正にジヨンと同じ状況です。ジヨンは精神を病むのですが、その根本の原因が出産育児の為にキャリアを諦めたことでした。ジヨンは夫から子供を望まれた時あまり乗り気ではありませんでした。「(子供を持ったら)私の人生が変わってしまう」と言っていました。あのシーンから彼女が一番やりたかったことは仕事なのだと分かります。ジヨンは兄弟の学費のためにビジネスキャリアを諦めた母と長男教の父を見て育ってきたので自分は仕事をバリバリやりたいと思っていたが、憧れの女性上司に、女は仕事も母親業も頑張っても結局報われないと諭されます。
ジヨンは結婚して主婦になり母親になったがストレスが募るばかりで心の中は燻っていた。そして精神を病んでいく。確かに生きにくい世の中だし外でも身内の中でも理不尽なことはある。でも。ジヨンを見ていて思ったけど、全ての選択はできないのだから自分が選択したことに責任を持つしか無いと思う。先の人生相談の人も自分の意思で子供を産んだのだから子供が小さいうちはバリバリ働けなくても仕方ないと思う。それが自分の選択したことへの責任だから。なのでジヨンも自分の意思でキャリアを諦めたのだからそれで精神を病むというのは本末転倒と思う。ちょっと繊細すぎる感じですね。でも子育ては孤独だし家事も無限ループだから鬱々としていく気持ちはよく分かります。私も子供が小さかった頃の子育ての孤独感は今でも覚えています。育った環境が男尊女卑で不公平だったというバックボーンも影響しているというのも分かります。
旦那さんも自分の家族とのつきあいで結局ジヨンにストレスをかけていましたが、彼はジヨンを愛していて大切に思っているというところは救いでした。

個人的にきついなあと思ったシーン。ジヨンが学生の時バスの中で変な男に密着されてとても怖い思いをした。被害は無かったが父親からそのことを責められる。お前に隙があるからそういう目に遭うんだと。ジヨンはそんなことないと反論した。私も学生の時似た様な経験をしたときのことが甦った。私も父に同じことを言われた。私は反論しなかったがうん十年前のことだけど今でも思い出すと頭に来ます(父親はとっくに亡くなっていますが)。私に隙は無かった‼️そういうことする奴が野獣なだけだよ。
あと本作を観た直後映画館のトイレの個室の中でキョロキョロしてしまい心許なかったです😣基本的に外ではトイレは行かない方がいいと聞いたことがあります。でもそれって不可能ですよね。


★ネタバレ注意★
ジヨンは最後は心の拠り所をみつけることができたのが救いでした。それは書くことでした。これは特別な才能があったという稀有な例ですが、夫の理解と献身もありましたね。
幸福路のチー』のチーは映画を作ること。『行き止まりの世界に生まれて』の彼らはスケボーと、ビンはビデオを撮ること。そうして彼らは自分の居場所を見つけました。自分が自分でいられる何かをしていなければ人はつぶれていってしまいますよね。と、本作を見ても思いました。

私は原作を読んでいないので何も考えずに観られましたが、原作を読んでいる人は映画は物足りないという意見が多い様ですね。
本作のレビューを見ていると泣いている人も結構いたというのがありますが、私は共感できる部分もありましたが全く涙は出ませんでした。はちどりのウニの方が可哀想だった(はちどりも涙は出なかったけど辛かった)。

ジヨンさんのお母さんが娘思いの優しい人でとても良かったです😢💘

レディースデーに観ましたが、同じ列に複数の女性がいて、その内の一人(結構近い席)が終始咳をしていて(しかも初めはマスクをしていない状態で‼️)それが気になってとてもストレスフルな鑑賞になりました🙇多少は仕方なくても?(それも基本は御遠慮願いたいですが)あんな風に終始咳が出る状態で映画館に来ないでほしいです。私なら行きませんね。特にこの御時世では。


★★★★☆












コメント

まうさん

韓国の事情は知りませんが、男尊女卑なのだろうなと思わせるニュースはよく聞きますね。
出産した女性が働きにくいのは日本も同じですね。

本作はジヨンのお父さん(ジヨンの好物を知らないことに無関心が象徴されている)と、デヒョン(夫)のお母さんに違和感がありました。義母は息子夫婦のことに口を出しすぎです。
私みたいに殆ど何も言わない方が平和だと思います😑

主人公の気持ちはわかるんですけどね…
全ては自分が選んだ人生なので
やはり本末転倒、といわれちゃいますよね。年も若いから乗り越え方が不器用なのだと同情はしますが。
お国柄も有るけどハラスメントはなかなかキツいものがありました。
彼女のこれからが明るかったのは救いになりました。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kamieru

Author:kamieru
かみえるです☺️🌷
三匹のにゃんずと地味に暮らしています。
映画、私の猫のこと、テニス、通販で買ったもの、その他日常のことを書こうと思います。
ご訪問、コメント歓迎です❤️
よろしくお願いします☺️✨

月別アーカイブ

カテゴリ