幼い依頼人
- 2020/11/14
- 05:42

2019 114分 韓国
2013年に韓国で実際に起こった児童虐待死亡事件を「エクストリーム・ジョブ」のイ・ドンフィ主演で映画化した衝撃の実録サスペンス・ドラマ。共演はユソン、チェ・ミョンビン。監督は「私は王である!」のチャン・ギュソン。出世することしか頭にない若い弁護士のジョンヨプ。なかなか就職できず、仕方なく臨時で児童福祉館に勤めていた。そんなある日、継母から虐待を受けていると訴える10歳の少女ダビンとその弟に出会う。しかしその時はあまり深刻には考えていなかったジョンヨプ。その後、晴れて法律事務所に就職した彼だったが、ダビンが自分の弟を殺したと告白をしたことを知る。衝撃を受けたジョンヨプは、真実を解き明かしダビンを守るべく彼女の弁護士となることを決意するのだったが…。
allcinemaより
辛い話でした🙇上のジョンヨプが子供たちをハンバーガーショップに連れていったシーン。弟が食べ方を知らなかったので姉のダビンがこうやって食べるのよと食べ方を教え、弟がその様に食べるとハンバーガーの中身がこぼれます。いつもご飯をこぼすと継母に虐待されているので「こうして食べるとこぼれちゃうよ‼️」と弟が取り乱し、ジョンヨプが「落ち着け。ハンバーガーはこぼしながら食べるもんだ」と宥めます。子供たちの境遇が象徴されているシーンで悲しかったです😢今時ハンバーガーショップに行ったことが無い子も珍しいし(ファストフードを摂らない主義の御家庭くらいかと)、ご飯をこぼすことに取り乱すのが何より悲しかった🙇
それ以外の画像も見てるだけで又泣けてきます😭でもダビンが弟を殺したと告白し、それで世間は納得し、ダビンはそのまま家に帰るという展開があまりにも有り得なくてそこでドン引きしていまいました。10歳の女の子がいくらまだ幼い弟とはいえ、一人の人間を撲殺するなんて無理だし、何よりもその時彼女の顔には派手に痣があって虐待されされているのは明らかで、問題の絶えない家庭であるということも分かっていたのに、何故彼女は両親の元に帰されるのかというのが理解できなかった。日本でも虐待を行う親が行政の介入を頑なに拒否して結局行政は何もできなくて子供が命を落とす結果になるという悲惨なことが起きているけれど、この場合既に幼い一人の命が失われているのに何故こういう展開になるのかというのが理解できなかった。近所の人たちもいつも虐待の音を聞いていたのに誰も通報もしないし。虚しい世の中です。
元になった事件をネットで調べてみましたが、映画よりもより複雑だったので、個人的には事実をなるべく忠実に再現してほしかったなと思いました。映画はやっぱりエンターテインメントな趣が強いかなという印象です。
劇中に字幕でありましたが韓国でも虐待の数は年々増えているよ
うです。コロナになって以降家庭内DVが増えていると聞きますが、子供が女性が被害に遭わないように祈るばかりです。
子役の二人がとても素晴らしかったです。ダビンのクラスメートのぽっちゃりした男の子も可愛かった。ジョンヨプは『エクストリーム・ジョブ』に出ていた人ですね。今旬の俳優さんなのでしょうか。共に普段2枚目半(3枚目寄り?)だけどやる時はやります💨という役で、それが合っていますね。
本作は見ている人が少ないようですが、こういう境遇の子供たちが沢山いるということを知ってもらう為にも多くの人に見てほしいと思います。
最近見た韓国作品は、はちどり、キム・ジヨン、本作と精神的に辛いものが多いです😣スウィング・キッズも悲しかったなあ🙇(因みに私的お勧めはスウィング・キッズです。物凄く悲しいですが)。でも韓国映画大好きです。本作は見ていてはちどりを思い出しました。はちどりのウニもDVを受けていたからです。ダビンが耳から血を流していたシーンでウニの耳のうしろのしこりを思い出しました。あれは彼女の苦しみの塊です。しこりは除去できても心の傷は消えませんね。
★★★☆