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人生はあるがままに


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 2020     93分 オーストリア

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Netflixより
   
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英語のタイトルはwhat we wantedです。
久しぶりにNetflixで好みの映画を見ました。
地味ですがとてもリアルで深く考えさせられる話でした。

アリスとニクラス夫妻(以下ニクラス夫妻)は不妊治療に行き詰まり医師に旅行を勧められ、サルディニア島の海辺のヴィラにやって来た。隣のヴィラには夫妻と思春期の男の子、まだ幼い女の子の4人家族が滞在しており、ニクラス夫妻は彼らとつきあうようになる。そこから雲行きが怪しくなり、仲の良かった2人はぎくしゃくし始める。事の発端はニクラスが隣の奥さんの裸を眺めていたこと(彼女は庭でトップレスで過ごしている)にアリスがイラッとしたことだったが、それ+ニクラス夫妻宅は改築中で、その打ち合わせを旅先でも電話でしていたが、進行状況が芳しくなく、それもアリスを苛々させる。しかし2人がぎくしゃくした根底にあるものは今までの辛い不妊治療へのストレスであり、それが旅先で噴出した形になった。2人はすれ違いから別行動に。そんな中衝撃的な出来事が起こる。

所謂「ホリデー物」ですが、普通のホリデー物とは趣が異なり若干苦い内容になっているところがポイントです。衝撃だったのは隣のヴィラの奥さん(占星術が趣味)がストレートに物を言う人で、ニクラス夫妻に「(あなたたちは)子供はできにくい」「母親にならなくても一人前になれる」の様な無神経なことをズバズバ言う。極めつけは長男の目の前で「この子は17の時にできちゃったの」😮ニクラス夫妻の神経はボロボロに(いますねこういう人って。自分が無神経なことをしていると気がつかない人。私の一番嫌いなタイプ)。アリスは全てが嫌になりニクラスに「いっそのこと家を売ろうか」と言い出す。夫妻の大ピンチ😱
隣家の長男はいつも一人で音楽を聴いていて家族を含め誰とも交わらない。ニクラスと別行動のアリスは苛々が頂点に達し呼び出し音が鳴っているスマホを歩きながらゴミ箱に捨てる。その直後に芝生に寝転ぶ隣家の長男を見かけたアリスは彼の横に寝転ぶ。長男曰く「スマホの捨て方がイケテたね。退路を絶った」(私の一番好きなシーンです☺️)。「退路を絶った」の実際の台詞は″burning bridges″でした(二人の会話でここだけ英語だった)。長男とアリスの会話。長男「この世で美しいのは音楽だけだ。ヘッドフォンを外したら窒息してしまう」アリス「外さなくていい」この辺りの台詞は哲学的だったなあ。で、そんな二人(芝生の上に並んで座っている)を背中から映すシーンが凄くいい。それに続くシーンが岩山の頂上に並んで座っている長男の父とニクラスのバックショット。何気にセンスの良い監督だと思います。アリスが一人で自動球出し機でテニスをやっている時に、先の自宅改築の打ち合わせの電話がかかってきて、アリスが電話に出るとその話がこじれてアリスの怒りはマックスに。その間も球出し機からのボールは止まらない。でも誰も打つ人はいない。このシーンも収拾がつかない状況を勝手にポンポン飛んでいくボールが表現していて好きでしたね😆アリスが現地の女性に不妊治療の苦しさをぶちまけるシーンも凄くリアルです。

本作が描いているのは、幸せは人によって違う。あなたの心が本当に求めているものは何なのか。ということだと思います。
隣家の夫妻がニクラス夫妻に複数回言う台詞、
「(子供がいなくて)幸運ね」が印象的です。

地味ですがヒューマンドラマが好きな人にはお勧めします。

★★★★★★★★






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