ヤクザと家族 The Family.
- 2021/03/07
- 08:46

2021 136分 日本
「新聞記者」「宇宙でいちばんあかるい屋根」の藤井道人監督が綾野剛を主演に迎えて贈る社会派ヒューマン・ストーリー。ヤクザの親分に拾われ、初めて自分の居場所を見つけた主人公が、暴対法の施行によってヤクザの置かれた境遇が一変する中、理不尽な運命に戸惑いながらも己の矜持を貫こうともがく不器用な生き様を見つめていく。共演に舘ひろし、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗。
1999年。両親を亡くし、荒れた生活を送る19歳の山本賢治。ある日、行きつけの食堂で、偶然居合わせた柴咲組組長・柴咲博をチンピラの襲撃から救う。やがて義理人情に厚い昔気質の柴咲は、自暴自棄だった山本に手を差しのべ、2人は父子の契りを結ぶ。こうしてヤクザの世界に足を踏み入れた山本は、初めて“家族”という居場所を手に入れる。柴咲組の一員となり、次第にヤクザの世界で男をあげていく山本だったが…。
1999年。両親を亡くし、荒れた生活を送る19歳の山本賢治。ある日、行きつけの食堂で、偶然居合わせた柴咲組組長・柴咲博をチンピラの襲撃から救う。やがて義理人情に厚い昔気質の柴咲は、自暴自棄だった山本に手を差しのべ、2人は父子の契りを結ぶ。こうしてヤクザの世界に足を踏み入れた山本は、初めて“家族”という居場所を手に入れる。柴咲組の一員となり、次第にヤクザの世界で男をあげていく山本だったが…。
allcinemaより
どうしても気になり、最寄りの館ではもう上映終了していたのでちょっと遠くの館まで駆け込みで行ってきました。
面白かったです。2時間16分飽きずに観れました。
役者が良かったですね。舘ひろしはミスキャスト。全然ヤクザに見えない。他は良かったです。綾野剛惚れ直しました😣💘
素晴らしかった😢✨
細野竜太役市原隼人も惚れ惚れしました。いい俳優だなあとしみじみ。ヤンキー時代、ヤクザ時代、足を洗ってからも全部良かった。
敵対する組の若頭川山役駿河太郎のチンピラぶりも凄かったな。本当にチンピラにしか見えなくて。
山本の兄貴中村役北山有起哉も複雑な立場を繊細に演じて光っていました✨
主役を食ったのではないかと思う位強烈な存在感を放った木村翼役の磯村勇斗は菅田将暉がブレイクしだした頃を思わせました。お見事‼️👀💡
他の役者さんも良かったです‼️(舘ひろし以外🙇💧)
カメラワークと音楽が斬新で印象的でした。特にこのシーン。まだヤンキーだった山本がヤクザに追われるシーンです。ユニークなアングル、物凄く重厚なサントラがインパクトがあった。
ストーリーはシンプルで分かりやすい。でもシンプルすぎるのか?次はああなってこうなるというのがオチまで含めて全部分かってしまいました。そこは意外性が全く無かったです。でも役者が良かったのでそれだけで満足しました。
一つ気になったのは各々が喜怒哀楽の表現が大袈裟だったこと。例えば柴咲組の組員(山本の後輩)が銃撃された時山本はその場で目に涙を浮かべて立ち尽くしていましたが、そんなことしてる間に早く救急車を呼ばないの?と結構白けました(敵はプロだから死んでいると分かっているにしても違和感があった)。極道なんて元からいつ死ぬか分からないのだしいちいち喜怒哀楽を見せていたら務まらないでしょう。由香の前でだけ弱みを見せるのは分かる。闘争の時は怒りを見せても良い。でもそれ以外はポーカーフェイスじゃないとね。おやじがいよいよという時中村がおやじに覆い被さるように泣いていたのも白けたなあ。スマートじゃない。あそこは俯いて咽び泣いてほしかったなあ。その方が泣けるのに。ドラマチックな物語だから演出上は大袈裟にした方が良いのだろうけど私の様に感じる人もいます。
一番疑問だったのは由香が安易に山本を受け入れたこと。あの展開は有り得ない。お役所仕事の人が極道と暮らすなんて。娘のことを思ったら絶対に有り得ない。それとラストシーン。何故彼はあそこにいたのか?有り得ない。百歩譲って逃げられたのだとしてもあんなところにいてはいけない。
ついでに言うと水中のシーンがその前のシーンと繋がっていないので(顔が綺麗すぎる)そこも白けました。ついでに柴咲組の古株達の密漁は有り得なさすぎて全然笑えなかった。
違和感を感じる部分もありましたがトータルではとても面白かったです。中村の台詞「義理人情じゃ食っていけないんだよ」に思わず頷いた私でした😑一番インパクトがあったのは木村翼ですね。もうヤクザの時代は終わった。怖いものなんて無い。ああいう若い人って実際にいそうで怖い。
この作品を見ながら思い出していたのは『ゴッドファーザー』のマイケル。
日本のヤクザ映画をほとんど見ていないのでそれらと比較できないというのもあるのですが、本作に出てくる人達が皆胆力が無いと感じてしまい。ことごとくマイケルが脳裏に浮かび彼は冷静、冷徹であったと。あれこそが極道であると。物語としてもあれこそがThe Familyであると。私の勝手なイメージですがそう感じていました。ああいう大名作と比べてはいけませんが。
最近見たものだと『アイリッシュマン』。ラッセル(ジョー・ペシ)は一見本当に普通の穏やかなおじさんなんだけど悪党で。そこが絶妙で。デ・ニーロ演じた男は完全に仕事に徹している殺し屋だったし。そこが面白かった。彼らは些細なことにいちいち一喜一憂はしていなかった(様に見えた)。そこは民族性も違うし比べちゃいけないのかな。
なのでエンターテインメントとしては良い作品と思いますがずっと任侠もの、マフィアものを見てきた人には好みが分かれるのではと思いました。
私は語れるほど見ていませんが、私の感覚では極道ものとしてはもう少しなのではないかと。山本の人生にフォーカスしたヒューマンドラマの趣だと思います。でも邦画にしてはとても面白かったと思いました‼️
実は『すばらしき世界』と迷ったのですがこちらの方が評判が良かったのでこちらにしたのですが、すばらしき世界の方を高評価している人もいますね。『すばらしき世界』も観たいです。間に合えば😢
話ついでに私の大好きな映画、実在したマフィアの物語シチリアーノ裏切りの美学超お勧めです。『ヤクザの家族』で如何にも悪党の死に様そのものだった光景が幾つかありましたが、裏切りの美学の主人公トンマーゾ・ブシェッタは敵が沢山いましたが71歳で病死するまで生き延びました。とても好運だったと思います。でも晩年も銃を抱えて寝ていました(映画の中でそうしていました)。あれも極道の宿命だなと思って見ていました。
因みにこれの前に観たのが『花束みたいな~』なのであまりにもギャップがありました😅そこが映画の良いところですが☺️✨
花束みたいな~と言えば、大ヒット御礼で最寄りの館でも近々上映後に都内での舞台挨拶の生中継があるそうです。そういう回は絶対に混むので私は行きません😣コロナじゃなければそういうこと考えなくていいのにね😢💔
★★★★★★☆