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我らが愛にゆれる時

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2008     115分 中国

難しい決断を迫られることになった2組の夫婦の苦悩を、『北京の自転車』のW・シャオシュアイ監督が切実に描き、第58回ベルリン国際映画祭銀熊(脚本)賞に輝いた秀作。

シアオ・ルーと離婚後、2人の間に生まれた娘ハーハーを引き取って育てながら、いまや新しい夫ラオ・シエと暮らすメイ・チュー。一方シアオ・ルーはドン・ファンという名の女性と再婚していた。そんなある日、ハーハーが白血病と診断されるが、メイ・チューとシアオ・ルーの骨髄は移植手術には適さないことが判明。そこでメイ・チューは、シアオ・ルーと新な子どもをもうけることを決意し、彼に相談するのだが…。


WOWOWより


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在りし日の歌に深く感動したので、この監督の過去作を見ようと思いました。本作品のTV放送を昔録画した記憶があり、探しても無かったのですが、諦めた時にひょんなことから発見できました。因みに2012に録画したものでした。当時内容(ストーリー)が重かったので、落ち込みそうで見なかったような記憶があります。

最近見たなかで最も強烈な作品でした。自分も元夫もドナーになり得ないので新たに子どもをもうけるという発想が凄い。今も夫婦ならまだ分かるけどもう破綻した二人ですからね。
私ははっきり言ってメイ・チューにはついていけなかったし呆れてしまった。子どもを救いたい一心なのは分かる。確かにハーハーには時間が無い。でも全ての命は平等に大切でありメイ・チューにはハーハーが全てかもしれないが各人には各人の生活、幸せがあるのだから。メイ・チューは他人のことは眼中に無いのがドン引きだった。

★★ネタバレ注意★★人工受精に失敗したメイ・チューはそれでも諦めずシアオ・ルーに直談判する。ここまで来ると狂気の沙汰と思えた。万が一将来ハーハーの命が助かったとしても生まれてきた子はどうなる?事実を知ったら?私(僕)はお姉ちゃんの命を救うために生まれたの?となる。NEVER LET ME GO(カズオ・イシグロ)を思い出してしまいます。事実は直隠しにされてもひょんなことから父親はラオ・シエではないと知ってしまうかもしれない。
そもそも発想自体に無理があると思う。医学的知識は無いけれどメイ・チューが言っていた「今作れば9ヶ月後に救える」は有り得ないでしょう。ネットでちらっと見てみたらドナーは10歳以上で一定の体重があることとなっていました(正しい情報かは分かりません)。赤ちゃんはドナーになれないでしょ?それまでハーハーには化学療法で頑張ってもらって将来に希望を持つということかな。そもそも姉妹(弟)だって適合するか分からないのに。

やっぱり発想自体に無理がある。こういう例が実際にあるのかは分からないけれど、人道的に正しくないと思うので、私がメイ・チューならこういう選択はしない。

それはともかくメイ・チュー役の女優さんが渾身の演技で凄かった。ある意味もっと凄いのがメイ・チューの現夫。運命の全てを受け止め達観している仏様みたいな人(詳しくは作品をご覧ください)。

私はメイ・チューにはついていけなかったけれど、それ以外の登場人物たちの気持ちは分かる気がしました。色々考えさせられました。

『在りし日の歌』でも、もしもう一人こどもがいたならということがテーマになっていましたが、一人っ子政策が中国にもたらした闇を映画で勉強しています。

それにしても重い話でした🙇

この監督の作品は他に『北京の自転車』をかなり前に見ています。とても大好きでした。この監督の作品はどこを探しても以下の4作品しかありません。

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でも実際はもっと沢山作品があるのです。しかし見る術が無い😢ソフト化されていないのかな?分からないけど。ワン・シャオシュアイコンプリートボックス出たら高くても買います。

重い話ではありますが、ヒューマンドラマ派の方にはお勧めです。


★★★★★★★★

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