イリュージョニスト
- 2021/03/13
- 22:22

2010 80分 イギリス/フランス
長編デビュー作「ベルヴィル・ランデブー」で世界的に高い評価を受けたシルヴァン・ショメ監督が、フランスの喜劇王ジャック・タチが娘へ遺した幻の脚本を、タチをそのまま主人公のキャラクターとしてアニメ化したハートフル・ヒューマン・ストーリー。時代遅れの老手品師と純真な少女との切なくも美しい心の交流を、ノスタルジックかつペーソスあふれるタッチで綴る。
1950年代のパリ。かつての人気も今は昔、初老の手品師タチシェフは、寂れた劇場や場末のバーを巡るドサ回りの日々。そんなある日、スコットランドの離島を訪れたタチシェフは、ひとりの貧しい少女アリスと出会う。手品師を何でも叶えてくれる“魔法使い”と信じ、島を離れる彼に付いてきてしまうアリス。やがて、言葉も通じないながらも一緒に暮らし始めた2人。落ちぶれた自分を尊敬の眼差しで慕うアリスに、いつしか生き別れた娘の面影を重ね、彼女を喜ばせるべく魔法の呪文とともにプレゼントを贈り続けるタチシェフだったが…。
1950年代のパリ。かつての人気も今は昔、初老の手品師タチシェフは、寂れた劇場や場末のバーを巡るドサ回りの日々。そんなある日、スコットランドの離島を訪れたタチシェフは、ひとりの貧しい少女アリスと出会う。手品師を何でも叶えてくれる“魔法使い”と信じ、島を離れる彼に付いてきてしまうアリス。やがて、言葉も通じないながらも一緒に暮らし始めた2人。落ちぶれた自分を尊敬の眼差しで慕うアリスに、いつしか生き別れた娘の面影を重ね、彼女を喜ばせるべく魔法の呪文とともにプレゼントを贈り続けるタチシェフだったが…。
allcinemaより
『我らが愛にゆれる時』と同じディスクに入っていたので、何気なく見ましたが。。。いやー。。。傑作でした‼️『ヴェルヴィル・ランデブー』は結構前に見て、ストーリーは覚えてないけどお婆さんたちがぶっ飛んでいたのと面白かったこと、独特の絵が印象的だったのは覚えています。本作はあれとは趣が違いしみじみとしたお話でした。小説の様なお話。オー・ヘンリーの小説を思い出してしまいました(切ない話が多いので)。
★★ネタバレ注意★★
『ぼくのエリ、200歳の少女』じゃないけど尽くし損と言いますか。少女の欲望もエリの血液調達も切りがなく永遠に続くのでいずれは破綻する運命かと😢💔少女の場合はお父さんが富豪であれば問題無いのですが、しがない(売れない)マジシャンで😢
でもお父さん(なんちゃってお父さんだけど)立派でした。慣れない仕事までして睡眠不足になってまで働いて凄く苦労したのに一言もこぼさなかった。そして飛ぶ鳥跡を濁さず😢💔
一つ疑問が。少女はマジシャンと会うまでは働いていたので世の中に王子様はいないということは分かっていた筈ですが。そこがちょっと無理があるかと。暖炉だって火をくべないと暖かくならないし、洗濯物も冷たい水で洗わないと綺麗にならないし。それを身をもって知っている筈なのに。そこはお伽噺的でしたね。
個人的に一番ガツンと来たのは腹話術師とピエロに象徴される人生の悲哀の描きかた。特に腹話術師が商売道具の人形を売ってホテルの部屋も引き払って路上で酔い潰れている姿と、ショウウィンドウの中で一人寂しく座っている彼の元相棒(人形)とその足の間に置かれたfreeと書かれた紙切れはあまりにもやるせない🙇彼が少女が作ってくれたシチューを食べるとき、テーブルの向かいに座らせた人形の頭が傾く度に椅子から立ってそれを直すシーンも彼の孤独感が象徴されていて胸が締めつけられました😭
あと兎🐇。マジシャンと兎の最後のシーンは泣かずに見れない🙇
以前マジシャンのドキュメンタリー番組で聞いた本番直前に自殺したマジシャンの話が忘れられません。素人が考えても厳しい仕事だと思うし、孤独な仕事なのでしょうね。
しみじみしたお話ですがユーモアも沢山散りばめられているし、各登場人物が皆味わい深いし(上の車中の画像の子供(おじさん?)の表情とか笑えますよね)、風景も街中も移動中もどれも良く。旅をしたくなります。
ジャック・タチ作品は語れるほど見てはいませんが、本作のマジシャンはいでたちも動きもジャック・タチそのものでした。本人が本人に遭遇する絵(画像3番目)は面白いですね😆
ということでとても素晴らしい作品でしたが少女のその後が気になりました。素敵なコートも靴も働かないと買えないけど。若い恋人もお金持ちの御子息じゃなければ先行き厳しいと思うけどなあ。彼モテそうだし。幸せになれたのかな。
私はアニメはそんなに見ませんが、こういう傑作を見るとアニメの魅力を実感します。因みに2010と言えば私が生涯で一番愛しているアニメ、ヒクドラが生まれた年ですね。その裏で(裏かな?)こういう傑作もあったのだと新しい発見でした。
★★★★★★★★