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ノマドランド

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   ジェシカ・ブルーダーの世界的ベストセラー・ノンフィクション『ノマド:漂流する高齢労働者たち』を「ファーゴ」「スリー・ビルボード」のフランシス・マクドーマンド主演で映画化した人生ドラマ。リーマンショックを機に家を手放し、キャンピングカーで全米を移動しながら季節労働の現場を渡り歩くノマド(遊牧民)生活を始めた女性を主人公に、厳しい現実と向き合いながらも、ノマド仲間たちと温かな交流を重ね、自らの責任と覚悟を胸に、自由で誇り高き旅をつづける姿を、アメリカの美しい自然をバックに前向きな筆致で綴っていく。共演には「グッドナイト&グッドラック」のデヴィッド・ストラザーンのほか実在のノマドたちも多数登場。監督は前作「ザ・ライダー」で注目を集めたアメリカ在住の中国人監督クロエ・ジャオ。 

 ネバダ州の企業城下町に暮らしていた60代女性ファーン。リーマンショックの影響で長年住み慣れた我が家を失った彼女は、亡き夫との思い出を詰め込んだキャンピングカーでの車上生活を始める。アマゾンの集配センターで短期バイトの職を得たファーンは、そこでリンダという女性と知り合う。彼女も車上生活を送る現代のノマドの一人で、ファーンはアリゾナの砂漠で行われるノマドの集会に誘われるのだったが…。


allcinemaより


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あまり多くを知らずに観ました。冒頭の方でファーンがアマゾンの倉庫で働くシーンを見た時に、これは以前ネットで読んだ話だ❗👀❗と思いました。それは今アメリカでは高齢者の貧困層が増えているという話でした。家が無くキャンピングカーで暮らしており、仕事場はアマゾンの倉庫であると。そういう人々の中には元弁護士等裕福だった人もいるというところに深刻さを感じました。ベン・アフレック主演の『カンパニー・マン』が思い出されました。エリートビジネスマンだったボビは、リーマンショックでリストラされ、いきなり貧困になるのです。ゴルフをしているシーンだったと思うのですが、クレジットカードが使えませんと言われてショックを隠せないのです。文字通り生活が一変する瞬間を見て、こういうことは誰にでも有りうるのだと怖くなりました。ファーンの場合は元から質素な生活をしていたと思われ、ボビーとは違いますが、それでも夫と家を失い車での生活を余儀なくされます。

ファーンの場合は元から流浪の生活が嫌いではないらしく、妹や知人に一緒に暮らそうと言われても結局流浪の生活を続けます。でも身体が動く内は良いけれどそれができなくなった時はどうするのかなと。『ヨコハマメリー』という映画がありました。横浜界隈で長年娼婦を続けた通称メリーさんという女性のドキュメンタリー映画です。彼女は高齢になっても娼婦を続けていた様でしたが、最晩年は老人ホームで過ごした様です。メリーさんは現役の頃は、ビルの廊下で寝ていたりしていた様なので、そんなにお金が無かったのかなと思いきや、ちゃんと老人ホームに入るお金を貯めていたんだなあと感心しました。何が言いたいかと言うと、ファーンは愛車が壊れた時にその修理費を工面できず、妹に借りていたのですが、そういう経済状況の人は当然老人ホームには入れませんよね。しかしファーンの場合は頼れる人がいるのでいざという時は頼れますが、天涯孤独でお金も無い人はどうするのかなと。そういう人の為のホスピスの様なところに行くのでしょうか。劇中に高齢のノマドの民が出てきますが、その人が安楽死の方法を色々調べていると話すシーンがありました。病院で死を待ったりしないと。しかし人に迷惑をかけずに死ぬということはできないと思います。何処で死んでも遺体の処理が必要なので。そういうことは考えているのかなと。私はなるべく人に迷惑をかけずに死にたいです。

その様なことを色々と考えた作品でした。流浪の民を続けている人には自らの意志でそうしている人と、それしか生活していく方法が無くやむを得ずそうしている人がいるのだと思います。前者はいいけれど後者は厳しいと本作を見て思いました。何処でも車を駐められる訳ではないし、冬は寒いし故障もするし。具合が悪くなっても近くに病院が無いところも多いだろうし。趣味でキャンピングカーを持っていて時々乗る人と、そこで生活している人では全く違いますね。『サウンド・オブ・メタル』も主人公たちがキャンピングカーで暮らしていました。彼らはミュージシャンなのでライブハウスを回っていたのですが、ファーンはアマゾンの倉庫、石売り場、レストラン等仕事があるところ(いずれも肉体労働)を転々としていました。肉体労働も60代だときついですね。やっぱりいつまで仕事できるのかなと見ていて思ってしまいました。

映画としては淡々としているのでドラマチックな展開を望む人には向きません。個人的には『ミナリ』よりこちらの方が面白かったです。作品を見ていてマクドーマンド以外の人たちは本当のノマドの民なのだなと分かったし、ノマドの人たちが実際にどのような暮らしをしているのかということを垣間見れて勉強になりました。

作品を見ていて色々な作品やことが脳裡に浮かびました。ロードムービーなのでロードムービーも思い出しました。人生で最も衝撃を受けたロードムービー『イン・トゥ・ザ・ワイルド』。彼の目的地もアラスカでしたね。死ぬ前に旅を選ぶ『天国の口、終わりの楽園』。映画じゃないけどRUSHのニール・パート。最愛の奥さんと娘さんを失い、失望しバイクで独り旅に出ていた(その後現役復帰。昨年病気により死去)。いつかTVで見た冒険家の話。「世の中は窮屈すぎる。地球は丸いのに家は四角い。旅先で死んだとしても全くかまわない」。etc

本作を観ても色々な人生があるなあと思いました。
私がファーンなら妹宅か誘ってくれた友人宅で暮らします。流浪の民として生きていく気力、体力、スキルが無いので。


本作は今年のオスカーの作品賞の本命と言われているのですか?個人的な感覚ですが、本作も『ミナリ』も地味な作品という印象です。共に嫌いではないないですし、ノマドランドは良い作品とは思いますが。去年のオスカーを席巻した『半地下の家族』がインパクトがあって、エンターテインメント性も高かったので対照的な印象ですね。今『マンク』も見ているのですが、とにかく台詞が多すぎて個人的にはあまりハマりません。見た中では個人的には『サウンド・オブ・メタル』と『シカゴ7裁判』が良かったなあ。

マクドーマンドはやっぱり素晴らしかったと思います。でも本当のノマドの人々の中に、ポンとマクドーマンドを入れたという感は否めませんね。だったらドキュメンタリーの方が良かったのでは。でもドキュメンタリーでは集客ができないので有名女優が必要だという訳ですよね。悪くはないけれど中途半端な感じはしますね。


★★★★★☆

コメント

ラティファさん

そうですよね。漠然とというのが結構ありますよね。私もあります。

コメントありがとうございます☺️

No title

うーん、理由ですか・・・  
考えてみたのですが、漠然となんとなくで・・・

>以前にだれも知っている人が出ていない
これ、あったかもです。

ラティファさん

以前にだれも知っている人が出ていないと不安の様なことを言われてましたがそういうことでしょうか。

ラティファさん

誤脱

明確な理由が
です

ラティファさん

説明ありがとうございます。
ではなぜ「思っていたよりずっと良かった」のてしょうか。これは期待していなかったということですよね。
重箱の隅ですみませんが。ちょっと気になったのですよね。
まあ私もあまり期待していなかったというのはよくあるし、それに明確ないつもあるわけではないですが何かしら理由はありますよね。

No title

いえいえ、
>タイトルにメタルがあったのが違和感があったのでしょうか。

それは全くなかったですよ^^  というか、メタルってタイトルに入っていたのは、ほとんど意識してなくて、後半の「聞こえるということ」という処が印象に残っていたんです。

私にとっては、これがアコースティック系バンドでも、クラブDJであっても、見る前の期待度(あまり期待しなかった)は同じだったし、見終わったた感想も変わらなかったと思います☆彡  
この映画で主人公が、どの音楽をやっているか?ってことは重要じゃなかったんです♪

ラティファさん

御覧になったのですね☺️

こういう暮らしをできる人ってある意味羨ましいとも思います。自由ですし身一つで生きられる訳ですから。普通の人には無理ですよね。

イントゥ~。実話というのが凄いですね。アラスカ死ぬほど好きな人この世に沢山いますね。分かる気がします!(行ったこと無いけど)
あの映画でクリスティン・スチュワート演じるギターを弾く少女がジョニ・ミッチェルと呼ばれていたのがとても印象に残っています。


サウンドオブメタル。ラティファさんが「思っていたよりずっと良かった」と仰っていたので、当初はあまり期待していなかったのが残念でした。タイトルにメタルがあったのが違和感があったのでしょうか。でもお気に召した様で良かったです☺️

No title

kamieruさん、こんにちは!
こちらのレビューを見て、あちこち、kamieruさんと同じでした。
私もこういう生活は無理だ・・って思ってしまいました。

『イン・トゥ・ザ・ワイルド』
私もこの映画を見ながら頭にその映画が浮かんでいました。良い映画でしたよね、風景とかも素晴らしかったし。

>個人的には『サウンド・オブ・メタル』
私も同じです。 ミナリとか、他の作品は未見なのだけれど、『サウンド・オブ・メタル』の方が私は胸に響きました。

そう言えば

昔のデスメタラーと文通していたとき私はいつもare you on the
road?と言っていました。彼はツアーをしていたからです。パイロなど自前だと言っていたのを懐かしく思い出します。
昔ロードじゃないですけど。メタル系のライブに行くとよく同じ顔を見ましたよ。友だちになった人もいました。私がまだステイホームではなかった時代の話です。

まうさん

以前ラジオでキャンピングカーのオーナー(日本人、日本在住)は有事の時に最適だと言っていました。とくにペットがいる人。確かにその通りだと思いました。避難所はペットが受け入れられないところも多いですから。一緒にクルマのなかなら安心ですよね。でもそうだとしてもどこにとめればいいのかとか考えてしまいますね。夏や冬なら冷暖房も必要だし😣悩みます。持ってないけど。

今日はミナリの後こちらを見ました。
一国一城を持ちたい、とハウスレス。
対照的なようでどちらも自分達の居場所を探しているのかなと思ったり。
アメリカの高齢者の現実にこの様な現実が有るなんてはじめて知りました。
ファンの一人で生きて行く気力、スキル…そうですよね私も絶対無理。
「また、どこかの旅先で」その言葉はノマドを選んだ(えらばざえるしかなかった)人々の心の支えでもあるのかしらと思いました。

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