サンダーロード
- 2021/04/19
- 21:48
2018 92分 アメリカ
アメリカ・インディ映画界期待の新鋭ジム・カミングスが監督・脚本・編集・音楽・主演の一人5役を務め、人生の曲がり角で負のスパイラルから抜け出せなくなった中年警官を主人公に、真面目に取り組むほどに空回りしていくままならない日々を、ほろ苦くも心温まるタッチで描いたオフビート・コメディ。
最愛の母の葬儀でいきなり踊り出し、参列者を凍りつかせた男ジム・アルノー。妻とは別居中で、警察官の仕事も失敗続き。何もかもが上手くいかないジムにとって、幼い娘クリスタルと過ごす時間が唯一の心の支えだった。しかし、そのクリスタルとのコミュニケーションも近頃はぎこちなくなってしまう。そんな中、妻が娘の単独親権を主張していることを知り、いよいよ追い詰められていくジムだったが…。母の葬儀で躍りだし参列者をドン引きさせたというエピソードが非常に気になり鑑賞。如何にもサンダンス映画祭でウケそうな作品だなと思いました。これを見て『リトル・ミス・サンシャイン』を思い出したのは私だけ?
ジムは根は真面目だがあまりにも要領が悪く、常に周りをぎくしゃくさせてしまうし空回りの連続。なので彼の唯一の希望娘ともうまくいっていない。ジムと娘とのやりとりは本当に面白くて(完全にコントです)声を出して笑った。葬儀の躍りのシーンも笑った。他も色々面白い。ジム・カミングスの演技は完璧と思う。
でも。。。これは映画だから誇張されているのだと思うけれど、もしこれがリアルだったらジムは明らかに障害がある人なので普通に社会生活が送れないと思うし、すぐにカウンセリングを受けなければならないでしょう。何をやってもうまくいかないのは彼に障害があるからなのです。それを理解してしまうと笑えなくなります。そしてこれがリアルならば彼は娘とも暮らせないと思います。養育者として相応しくないので。
この作品のレビューで「これはコメディではない」と言っている人が少なくないのはそこでしょうね。これがリアルなら状況は本当に深刻です。娘はどうなりますか?私はそこのところが引っかかりました。最後の妻に対するあの行動もどうなの?ちょっと有り得ない。
なのでこれは手放しで「面白いし泣ける。最高!」と言える
作品ではないと思います。とても印象に残る作品ではありますが。ラストの演出は最高です。泣けました。
とりあえずジム・カミングスは一人で何役もこなし凄い才能と思う。もしかしたら大成功するかも。
娘役の女の子もお茶目で可愛かった。
★★★★★★☆