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二ーチェの馬/・・・アカデミー賞まだ見てないんだけど・・・





2011  154分 ハンガリー/フランス/スイス/ドイツ


「ヴェルクマイスター・ハーモニー」「倫敦(ロンドン)から来た男」など独自の文法で映画芸術を極めるハンガリーの鬼才タル・ベーラ監督が厳粛な眼差しで綴る壮絶な生と死の寓話。荒涼とした大地が広がる人里離れた農場に暮らす貧しい農夫とその娘が、日々の単調な生の営みを繰り返しながら少しずつ追い詰められていくさまを、精緻に構築された美しくもダイナミックなモノクロ映像と静謐かつ緊張感触れるタッチで描き出す。








私の住んでいる地域には名画座と言われる映画館は今までもこれからも永遠に無いので憧れが大きい。でも実際都内に行くには遠すぎる。ので時々ネット上で名画座ではどんな映画が上映されているのかな~と見たりしている
そんな中にこの『ニーチェの馬』がありとても興味を惹かれあらすじを読んで益々見たいと思っていた。先日ラッキーなことにwowowで放送されたので喜んで見ました

作品のHPがありますので詳しくはこちらをどうぞ
HPに載せられている細野晴臣さんのコメントも素晴らしかった

いや~凄いですこれ(゜.゜)
この作品はドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェが1889年にトリノの広場で馬につらくあたっている御者の元に駆け寄り馬の首を抱いて泣きそのまま発狂したという逸話にインスパイアされて作られたそうです
ニーチェの哲学については勉強不足で知りませんがそれにしてもこの作品は見る者が精神を病んでいく様な内容です
「人間の尊厳を問う作品」と解説されているが私にはどういうことなのかよく理解できなかった(-_-;)
一つ思い出したのはいつかラジオでジャーナリストが
「日本国憲法は国民が必要最低限の人間らしい暮らしを送るために定められていてそこ(人間らしい暮らし)には娯楽も含まれているが現実的にはそこまでいっていない人が沢山いる。」
という言葉でした

この作品を一言で表すなら「絶望」とか「非人間的」しか思い浮かばない
その位悲惨です
この絶望感はロベール・ブレッソンの『少女ムシェット』以来でしょうか(@_@。
でもあの世界とは全然違う静謐さですけど


☆プチネタばれあるかも☆


荒地の中の一軒家に年老いたお父さんと娘が二人暮らし。家畜は馬が一頭のみ
水道なんて無いから娘が毎朝寒風吹きすさぶ中(というか完璧に嵐状態。枯葉が舞いまくり土埃で前が見えない)ちょっと離れたところにある井戸まで水を汲みに行く
お父さんは片腕が使えないので日常生活は使えるもう片方の腕で全てをやっているが着替えは不自由なので朝晩娘が手伝う
食事は朝は焼酎を二口だけ。二回目の食事は茹でたじゃがいもを一個だけ。スープどころか水を飲んでいるシーンが無く液体は朝の焼酎だけらしい
電気は無いので暖と明かりはかまどとランプ
家には壁と屋根はあるけど床が土(地面)になっていてどう見ても寒そう

これ全てどう見ても人間の暮らしじゃないと思うけどさらに試練が襲いある日生活の糧である荷馬車の馬が動かなくなり井戸が枯渇しランプが点らなくなる

お父さんはついに家を出る決心をし最小限の荷物をまとめて荷車を引っ張り娘と馬と徒歩で街へ向かうがすぐに引き返して元の暮らしに戻るがもはや残されたものは生のじゃがいものみ

あそこで何故引き返したかの説明が無いのでその理由が分からなかった
嵐で行くのを断念したのか(徒歩で行くのは無理ってこと?)やはりこの地以外では生きられないと思ったのか
焼酎をもらいに来た酔っ払いが「街は崩壊した。」と言ってたから?
戻っても餓死するしか無いのに何故??

彼らには『大草原の小さな家』の一家みたいに友達もいないしこの地には降り注ぐ日差しも無いし家に留まっていても助けは来そうにないし・・・手持ちのお金がいくらあるか知らないけど(焼酎をもらいに来た酔っ払いが置いていった小銭があったけど)お金があっても街に行かないと物資には代えられないしそれ以前に街まで行く算段が無いという感じで(街までどの位か分からないけどあの辺鄙さからするに結構遠そう)どう見ても絶望的に見える

あの父子を見てるともはや人間らしい心はとっくに失い只命を繋ぐ為だけに毎日を無機的に生きているのみなので「生きるって何だ?」と思ってしまった

二人の家を馬車に乗った流れ者の一行が通りかかり井戸の水を飲んでいくシーンがあった
一行を追っ払おうとする娘に若者が「一緒にアメリカに行こう。きっと気に入る。」と言い娘は「どこにも行かないわ。」と言う
一行が立ち去る時おじさんがお水のお礼にと娘に本を1冊渡した
暗い部屋の中で娘が本をゆっくり声に出して読む
「朝はやがて夜に変わり夜にはいつか終わりが来る。」
(個人的にはこの環境で娘が文盲でないのが不思議だったが。)
この父子には朝日が射す日はあるのかと思ってしまう

作品中で何度も繰り返されるBGM(↑リンク先のホームページのトレイラーで聞けます)も重々しく悲壮感漂い且つ気持ちが煽られる(情緒不安定にさせられる様な)独特のものなので是非映像と共に経験してみてください

この監督さんの作品て初めて見たんですが以前から『倫敦から来た男』が気になっていました
今作を見て又是非見たいと思いました(他作品も)

どなたかのレヴューで今作品は考えるものではなく「感じる作品」とありましたが(二
ーチェの思想に詳しい人が観ても理解できるというものでもないないと)私もそう感じました

とにかく強烈な作品でした

難しいけどビターズエンド系好きな方は一見の価値有り
私は見れてとても良かったです


TV(BS)にて
☆☆☆☆☆☆☆




アカデミー賞授賞式録画はしたけどまだ見ません
でも今日(もう昨日ですね)の朝刊の一面にダニエル・デイ=ルイスの小さい顔写真と主演男優賞という見出しが目に留まり
さっきもラジオで各賞の内容言ってたけどこういうのって後でゆっくり見ようとか思っててもその前に勝手に耳に入って来ちゃうんですよね(^_^;)
スポーツの試合と同じでこういうのはやっぱり生で見るのが一番いいですね
色々な都合でなかなかそうは行かない時もあるけど

まぁ(作品はまだ見てないけど)D・Dルイスは3回目の受賞はあの人なら驚かないけどジェニファー・ローレンスの主演女優賞はあの若さでもう獲ってしまって凄いな~
(゜o゜)というのとこんなに早く獲ってしまってこの先大丈夫なんでしょうかと老婆心ながら思ってしまいました
何度もノミネートされても獲れない人もいるからその差はどこにあるのかなぁと思ってしまいますね

とりあえず授賞式ゆっくり見てみます☆

コメント

No title

tedさん


非常に壮絶なので全く眠くならないですよ

是非ごらんください

No title

これも気になってるんですよ。
なかなか、ヨーロッパ映画っぽい感じみたいですね。
眠たくなりそう…笑。
でも、いずれ見てみますよ^^

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