君の誕生日
- 2021/06/03
- 19:25

修学旅行中の高校生を中心に多くの犠牲者を出したセウォル号沈没事故の悲劇を背景に、息子を失った家族の深い心の傷と過酷な再生への道のりを描いたヒューマン・ドラマ。主演は「ペパーミント・キャンディー」のソル・ギョングと「シークレット・サンシャイン」のチョン・ドヨン。監督は巨匠イ・チャンドン監督のもとで経験を積み、本作が長編デビューとなるイ・ジョンオン。
最愛の息子スホの死を受け止めることができず、悲しみに暮れる母スンナム。仕事のため海外に単身赴任していた夫ジョンイルがようやく帰国しても、どうしても心を開くことができずにいた。スホの妹イェソルは、そんな両親に戸惑うばかり。そしてスホの誕生日が近づく中、支援者からのスホの誕生会開催の申し出にも頑なに拒絶するスンナムだったが…。
最愛の息子スホの死を受け止めることができず、悲しみに暮れる母スンナム。仕事のため海外に単身赴任していた夫ジョンイルがようやく帰国しても、どうしても心を開くことができずにいた。スホの妹イェソルは、そんな両親に戸惑うばかり。そしてスホの誕生日が近づく中、支援者からのスホの誕生会開催の申し出にも頑なに拒絶するスンナムだったが…。
allcinemaより
この世に悲劇的な事故は沢山ありますが、私が特に忘れることができないのが東日本大震災の大川小学校の生徒たちとこのセウォル号の事故です。言葉になりません。
本作はセウォルゴ号の事故で亡くなった息子を持つ家庭のお話ですが、セウォル号のシーンは出て来ないのでその部分の生々しさはありません。焦点は息子を失ってボロボロになっている家庭です。遺された3人が再生していくまでの物語です。
何故この家庭にはこんなに大変な試練が。。。🙇とこの二人(スンナムとジョンイル)を見ていて思いました。事故のことは本当に不幸ですが、ジョンイルは赴任先の国でアクシデントがあり、家庭がとても大変な時にスンナムと娘の側にいてあげることができませんでした。人生ってどうしてこんなにしんどいのかと彼らを見ていて思わずにはいられませんでした。
でも結局は息子の美しい心が一家を再生に向かわせます。息子スホの誕生日会(彼を偲ぶ会)は泣かずに見られません🙇(ティッシュかタオルをご用意ください😭)それ以前のスンナムの固く閉ざされた心と慟哭ぶりはとりつく島が無くいささか極端とは思いましたが(悲しいのは彼女だけではないのだから)こういう頑なな役をやらせたらチョン・ドヨンの右に出るものはないのではないでしょうか。本作を見ながら『シークレット・サンシャイン』を思い出していた方は多いでしょう。私もそうでした。やはり子供を失う母親の役でした。とても衝撃的な作品で忘れることができません。あのチョン・ドヨンは凄かったです。本作でもやっぱり素晴らしかったです。そして夫(スホの父親)役がソル・ギョングですからこれが素晴らしくない筈がありません。ジョンイルは自分だって悲しいし家族の為に一生懸命生きてきたのに頑なにジョンイルを拒絶するスンナムに戸惑いながらも責めたりしない優しい男をいつものように完璧に演じていました。特に空港のシーンは胸に突き刺さりました🙇(書いていて涙が😭)。ジョンイルをサポートする妹、スホを偲ぶ友人たちとスホと運命の縁があった女性も良かった。スホの妹役も上手だった。悲しいお話ですがお勧めできます。
子どもを失う悲劇に見舞われながらも一生懸命生きていく夫婦の物語ということで在りし日の歌を思い出しました。趣が違うので比較はできませんが。
★★★★★★★★