ポルト
- 2021/08/30
- 14:29

2016 76分
ポルトガル/フランス/アメリカ/ポーランド
ブラジル出身の新鋭ゲイブ・クリンガー監督が、ジム・ジャームッシュ製作総指揮の下、記念すべき長編劇映画デビューを飾ったラブ・ストーリー。ポルトガル第2の都市ポルトを舞台に、アメリカ人の青年とフランス人女性が繰り広げる儚くも情熱的な行きずりの恋の顛末をほろ苦くもロマンティックに綴る。主演は2016年6月に惜しくも他界したアントン・イェルチン。共演にリュシー・リュカ。
ポルトガル北部の港湾都市ポルト。26歳のアメリカ人ジェイクは家族が住むリスボンを離れ、この地で孤独な日々を送っていた。一方、32歳のフランス人留学生マティ。考古学を学ぶ彼女は、ソルボンヌの大学で知り合ったポルトガル人の教授ジョアンとともにこの地にやって来た。恋人でもあるジョアンから求婚されているマティだったが、何よりも自由を大切にしたいと考えていた。そんな2人は夜のカフェで出会い、引っ越してきたばかりのマティの新居で一夜をともにするのだったが…。
ポルトガル北部の港湾都市ポルト。26歳のアメリカ人ジェイクは家族が住むリスボンを離れ、この地で孤独な日々を送っていた。一方、32歳のフランス人留学生マティ。考古学を学ぶ彼女は、ソルボンヌの大学で知り合ったポルトガル人の教授ジョアンとともにこの地にやって来た。恋人でもあるジョアンから求婚されているマティだったが、何よりも自由を大切にしたいと考えていた。そんな2人は夜のカフェで出会い、引っ越してきたばかりのマティの新居で一夜をともにするのだったが…。
allcinemaより
存在を知りませんでしたが動画配信サイトで何を見ようかとずっと迷っていた時に発見してその瞬間に見始めました。
本当に切ない作品で(。>д<)只々切なかったです。アントン・イェルチンの最後の主演作ということも切なさ倍増でした。
☆ネタバレ注意☆
このブログでも何度か取り上げていますがイェルチンさん主演の5to7が物凄く好きで、生涯でもっとも好きな作品の一つですが本作は5to7と共通項が多かったです。監督さんは5to7を見て本作を作ったのかなと思う位。独り暮らしをしている青年が好きになったのは年上の美しいフランス人女性。性格は自由奔放。彼女は煙草をすう。夫(恋人)がいる。彼女は彼を選ばず恋は叶わない。でも確かにその時二人は共にいてそこには何かがあった。これが共通点です。本作は5to7より孤独感と生々しさが強いところが強烈でした。アントン・イェルチンはとても演技が素晴らしい俳優だったと思いますが、こういう役は本当に秀逸だったなあと改めて思いました。
ワンナイトスタンド(一晩の情事)と数時間の話なのですが、二人にとってはそれ以上のものがありました。それに彼女が気がつくのはずっと後なのですけれど。あの時あんなに幸せでも一緒の未来はないんだなあ。なんで人との縁とはこんなに儚いものなのか。。。と。・゜・(ノД`)・゜・。。現実的に考えれば彼はその日暮らしをしていたので彼女が彼ではなく教授の方を選ぶというのは当然だと思うけれど、あの一晩はお互いにとって忘れ難いものだと思うので生涯記憶に残ることは確かです。そのくらい特別な時間でした。物語は二人の出会いから数年後で終わっていましたが、その時彼女は彼とのことを回想していました(その時のシーンが5to7を彷彿とさせるものがありました。窓越しに見る雨のシーンです。5to7は二人の初デートのシーンで状況は対照的でしたが)。そのシーンを見て今からでも再会してほしいと思ってしまいました。今からなら上手く行くかも。でもその時の彼は何処で何をしているかは分かりませんでした(まだポルトガルにいるかどうかも分からない)。ロメールの『冬物語』の様な幸福な結末は多分とても少ない。
この作品は時間軸が頻繁に前後しますが混乱することはありませんでした。ラストシーンが秀逸で切なさに胸が張り裂けそうになりました。幸福とは一瞬であるという儚さを象徴していて。オゾンの『ふたりの5つの分かれ路』のラストシーンを思い出しました。
因みに当初の予定はギリシャロケだったのが予算の都合でポルト(ポルトガル)になったのだそうです。ギリシャだったらどんな感じだったのかなと。ギリシャと聞くと『エーゲ海の旅情』を思い出しますが。あれも年上女性と年下男性とのロマンス。ワンナイトスタンドが瓢箪から駒になるお話😮やっぱりこういう設定は絵になる場所じゃないと駄目なのでしょうか。
この映画を見ていて他に思い出した作品は『ラブ・アフェア 年下の彼』これはイスキア島が舞台のやはり美しい女性と年下の彼の短い恋のお話。邦題は低俗ですが内容はシリアスです。この出逢いで彼女は人生が変わりました。英語のタイトルはWHILE WE WERE HERE このタイトルが全てを表しており、ポルトと共通するものがあります。この作品は作品自体もとても好きですが、この作品の記事の中で書いた、この映画が僕の人生を変えたという人の話がとても印象に残っています。
人生を変える出逢い。皆さんの記憶にもありますでしょうか?
Anton Yelchin forever😢✨👼✨
★★★★★★★★★