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夏時間

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2019   韓国 105分


韓国期待の新鋭ユン・ダンビ監督による長編デビュー作で、第24回釜山国際映画祭で4冠に輝いた家族ドラマ。ある事情で祖父の家に引っ越した一家のひと夏の日々を、揺れ動く思春期の少女の視点から繊細に綴る。主演は本作が長編デビューとなるチェ・ジョンウン。夏休み。10代の少女オクジュは、父と弟ドンジュと祖父の大きな家に引っ越すことに。母親は家を出てしまい、父が事業に失敗したためだった。ドンジュがすぐに新しい環境に馴染むのとは対照的に、オクジュはなかなか慣れることができなかった。するとそこへ、離婚寸前の叔母まで転がり込んできて、ますます居心地の悪さを感じるオクジュだったが…。


allcinemaより

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とても良かったです。10代の少女の一夏の思い出と成長を描いた物語でした。揺れ動く少女の気持ちを繊細に巧みに伝えていて素晴らしかったです。昔八神純子の曲に「揺れては返す波のような気持ち その日その日で新しいの」という歌詞があったのを思い出します。

多感な時期に両親が離婚してしまいお父さんと弟とお祖父ちゃんの家に引っ越すことになったオクジュ。この設定はやっぱり可哀相。オクジュの気分は晴れません。対してマイペースの弟はすぐに環境に馴じんで楽しんでいる様子。離れて暮らしている母親と会ってお土産を手に帰ってきた弟にオクジュはやつあたり。号泣する弟。間に入って慰めるお祖父ちゃん。涙が出ました😭本作で最も素晴らしいシーンの一つでした。

オクジュのお父さんと妹(叔母さん)のやりとりも面白かった。妹は夫とうまくいっていなくて実家に転がり込んできた。子供たちに優しい叔母さんで良かったです😌お父さんと妹が屋台でするめを肴に呑みながら話す内容は中年クライシスあるあるでちょっとしんみり😢でもああいうところで呑んでみたいと思いました。呑めないけど雰囲気だけ😜

韓国作品は個人的に家屋もツボなんです。今作のお祖父ちゃんのお家は庭付きの大きな家。一番の特長は階段の真ん中にある観音開きの扉です。そこを閉めてカギを閉めると2階に行けなくなります。2階と一階を分ける時の為の扉らしいです。鍵は向こう側(2階側)からかける様になっています。オクジュが鍵をかけてしまって弟が開けてよーと扉をガタガタする。オクジュは「2階は私が使うって言ったでしょ」。兄弟あるあるですね。両親と姉と実家で暮らしていた頃を思い出して懐かしかったです。階段に扉はありませんでしたが。
2階のミシンの間(ジャケットの画像)が広くて景色も良くて最高です。コロナじゃなければあそこで気のおけない友だちたちと小パーティーは最高でしょう。テーブル代わりのアンティークなミシンもとても素敵でした。

時代決定はいつなのか分かりませんでしたがスマホは出てこなかった気がするので現代ではないのかな?はちどりと比較される作品らしいですが、はちどりのような男尊女卑、DVは皆無で平和でした。

リアルタイムでは心中穏やかではなかったオクジュですが、この頃を懐かしく振り返れていたら良いですね。弟と共に。お父さんも叔母さんも😌お母さんともこの頃より距離が縮まっていますように。この作品を見た大人は自分のこの頃を重ねたことでしょう。私の場合は昭和でコロナも無かったし今より平和な世の中でした。思春期って本当にあっという間に過ぎてしまいますよね。あの頃にもっと賢明に生きていればと思います😅(遅すぎ💔)
昨今は思春期に命を断ってしまう子供たちのニュースが後を断ちません。なんでもいいから(いじめは駄目です🙅‍♀️)とにかく生き抜いてほしいと思います。

瑞々しく切なく楽しく懐かしく。共感できる佳作だと思いました。それと沢山出てくる食のシーンが秀逸です。オクジュの食欲は彼女の気持ちに比例していました。


★★★★★★★★




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