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最後の決闘裁判

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2021   アメリカ 153分


今なお真相は闇の中と言われる一つの強姦事件を巡り、中世フランスで実際に行われた決闘裁判を「エイリアン」「グラディエーター」のリドリー・スコット監督が映画化した歴史ミステリー。妻が強姦されたと訴える夫と、犯人とされた夫の旧友が、群衆が見守る中、互いの正義と命を懸けて繰り広げる決闘裁判の行方をミステリアスに描き出す。主演はマット・デイモンとアダム・ドライヴァー、共演にジョディ・カマー、ベン・アフレック
 14世紀のフランス。騎士ジャン・ド・カルージュの妻マルグリットが、強姦被害を訴える。犯人とされたのは従騎士のジャック・ル・グリ。しかし目撃者もなく、無実を訴えるル・グリと重罰を望むカルージュの主張はいつまでも平行線のまま。そこで真実の行方は、神が正義の者を勝利に導くと信じられていた、互いの生死を懸けた決闘裁判に委ねられることに。それは、カルージュが負ければ、マルグリットも偽証の罪で火あぶりとなるあまりにも非情な裁判だったが…。


allcinemaより


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終了間際に駆け込みで観てきました。是非観たいと思っていましたがとても面白かったので本当に観て良かったです。とても迫力のある映像は劇場で観るべき作品ですね。

よく昔の人の経歴をwikI等で見ると死因が決闘になっている人がいるのが印象的です。それまで一度も決闘に負けたことは無かったが最後の決闘で負けて死亡の様な。何度も銀行強盗をして捕まらなかったが最後の強盗で逮捕された人を思い出します(これはディスカバリーチャンネルか何かで見た実際に最後の一回で捕まった強盗の話)。本作品は実話なのでとても興味深いですね。

本作品の特徴は何と言っても同じシーンを各登場人物別の視点で描いていることでしょう。それは『羅生門』がベースになっているそうで(詳しくは分かりません)、レビューでも羅生門を挙げている人が多かったですが、私も見ていて羅生門も思い出しましたが私的には『アフェア 情事の行方』でした。アメリカのドラマで完結まで5年程ありました。日本ではWOWOWで放送されて本国より一年遅れ(かそれ以上)で放送されたのでいつも待ちくたびれましたが、それでも初めて見たときから全てがあまりにも面白かったので(特に同じシーンの再現で登場人物別の視点が微妙に違うところ)5年間いつも待ち焦がれて最後まで飽きずに見ました。元からドラマはあまり見ないのですがそんな私もが人生で一番没頭したドラマです。
なのでそういう構成に慣れているので本作のレビューに多かった「同じシーンが繰り返されるのがくどい」というのは私は感じませんでした。それぞれの視点の違いを見る為には繰り返されるのは必要だからです。尺は153分と実際長く、見きれる体力的あるだろうか、トイレは大丈夫かなと心配しましたが大丈夫でした。最後まで楽しむことができました。

フランス人の話なのに何故英語なのか。ブラック・パンサーの時も何故アフリカの民の話なのにアフリカの言語ではないのかと思いましたが、今作は特に時代的にもフランス語であるべきと。そこが一番違和感がありましたね。ハリウッド映画だから仕方ないのでしょうけど。

戦闘シーンと決闘シーンは見ごたえがありました。それだけでも館に行った価値がありました。お城で撮影していて臨場感があったし衣装も素敵でした。各人の心理描写も良かったと思います。


キャスティングがとても良かったと思います。無骨なジャン。スーパーチャラ男のピエール。強かなル・グリ。ひたすら美しいマルグリット。意地悪な姑。掌返すマルグリットの友人。何と言ってもおバカ丸出しの国王。皆良かったですねー。それにしても人間とは野蛮な生き物ですね。結局は武力で決着をつける。それはこの物語から何百年も経った今でも変わっていない。いつの世も血が流れている。人類は根本が進化しないんだなと思わせます。

今作で一番よく理解できなかったのがマルグリットの本音ですね。微妙な表情の彼女の真意は女性の私でも摘みかねるところがありました。ネタバレになるから何も言えないけど怒涛の人生をよく頑張って生きたなと。

個人的にアダム・ドライヴァーが素敵すぎて見とれてしまいました😍前からいい俳優だなとは思ってましたが、こんなにセクシーだったっけ?みたいな。甲冑が似合うし😍ロン毛も素敵。あれは700年前も今でもモテるよねー😌💕
真面目な話をするとル・グリは自分の欲しいものを強かに手に入れてきたけれども結局はそれが裏目に出ましたね。彼の最後の台詞は人間てこういうものだなと思わせました。
因みにこの役は当初はベン・アフレックの予定だったのがスケジュールの都合でアダムになったのだとか。アダムがあまりにもぴったりだったのでアダムで良かったと思いました。
余談ですがベン・アフレックがJloと復縁してたなんて全然知りませんでした。お似合いですし破局して17年後の復縁なんて素敵です。このまま幸せでいてくれるといいですね。でもなんかまた別れそう😣


一つ謎なのがマルグリットは屋敷に一人でいた日に強姦事件に遇ったのですが、あの日何故彼女は一人になったのかということ。ジャンは遠征する時に絶対一人になるなと言って行ったけれど一人になってしまった。姑と待女は意に介さずに出掛けてしまった。ル・グリと一緒に屋敷に来た男は何故彼女が一人のことを知っていた?どう考えても複数の人が示し合わせた様に見える。でも何の為に?そこはミステリーです。原作を読んでみたいですね。どういう状況で事件が起きたのかが気になります。強姦事件は事の発端になりましたが、それ以前から両者には因縁があった様ですね。


リドリー・スコット関連作品は全部は見ていませんが、つい最近Our  Friendを見ました。製作総指揮ですが。へぇー製作リドリー・スコットなんだと思いました。その前はアースクエイクバード(製作)をネトフリで見ました。なかなか面白かったです。監督作品で見た中で一番好きなのはテルマ&ルイーズですね。とても衝撃的な作品でした。この人の関わる作品を見ていると設定は違っても結局ヒューマンドラマが根底にあるのだと思います。アースクエイクバードはサスペンスだったけど人の心の闇を描いているのだなと。どの作品も苦しむ心が根底にありますよね。


個人的には今作の様な作品はとても映画らしいと思いますし、劇場に相応しい映画だと思います。今後も素晴らしい作品を作ってほしいと思います。


★追記★

本作を観て帰宅してから気になって羅生門を再見しました。昔に見て詳細を覚えていなかったからです。羅生門の場合は3つのストーリーと最後の落ちのストーリーが全部違うので、本作の様な同じシーンを見せられてくどいという風に思う人はいないのではないでしょうか。そこは流石ですね。面白かったです。構成もだけど役者たちが凄かった。原作の芥川龍之介は文豪ではないという人がいるけれど私は好きです。


★★★★★★★★

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