フレンチ・イグジット ~さよならは言わずに~
- 2021/12/08
- 19:52
2020 153分
カナダ/アイルランド/イギリス
U-NEXTより
フレンチ・イグジットとは予告無しにキャンセルしたり、別れを告げずにいなくなるような意味らしいです。
ミシェル・ファイファーと彼女の息子役にルーカス・ヘッジズという魅力的な組み合わせなのでそれだけで見ようと思いました。
内容は風変わりなヒューマンドラマという趣でした。あまり関係のない人たちがパリのアパートで何故か一緒に暮らすという変な設定。コメディでもある様ですがダークコメディですかね。ちょっとウェス・アンダーソンを思わせる様な雰囲気を感じましたが、あんなに面白くないし、もっとずっとダークですね。万人向けではありませんが、独特の雰囲気なので好きな人は好きかもしれません。私はまあまあだったかな。基本悲しい話なので幸せな気持ちにはなりませんね。ミシェル・ファイファーは相変わらず素敵でした。ルーカス・ヘッジズも役に合っていました。それと黒猫が出てくるのですがこの猫が可愛いです。ストーリーのキーポイントにもなっています。
何故悲しい話かというとそもそも贅沢な暮らしをしてきた人が破産する話なので。彼女は貧しい暮らしを端からする気が無い。お金が尽きたときが自分の人生の終わりだと思っている。悲劇が前提なのですよね。でもこういう人っているでしょうね。最近読んだ本にたまたまそういうエピソードがありました。実在した人の話です。銀座のクラブの雇われママをやっていたが、時が経ち若いママに取って代わられ引退せざるを得なくなった。当時セレブたちが住んでいた高級マンションに住んでいたが、引退してから家賃を払えなくなった。数年家賃を滞納した後電気コードを身体に巻きつけ感電自殺したという壮絶な話でした。こういう人ってもう貧乏な暮らしはできないんだろうなと。そうなる位なら死を選ぶのかと。この元ママの場合は知りませんがマダム(ミシェル・ファイファー)は息子がいるのだから(猫も)それは駄目です。勿論天涯孤独でも死んでは駄目です。でも気持ちは分かるかなあ。華やかだった人は特にそうかもしれませんね。
本作は『老後の資金がありません!』(見てませんが)のフレンチ・イグジットバージョンですかね。
どうも暗い気持ちになる話でした。特に悲劇的なシーンはありませんが行き先が不安なので(母も息子も)暗い気持ちになりました。
監督は知らない人でしたがまだ若くてイケメンの人でした。キャストはなかなかユニークな面子でした。ミシェルとルーカスが好きな方はご覧くださいませ。
★★★★★★