The Hand of God
- 2021/12/19
- 23:49

2021 130分 イタリア
「イル・ディーヴォ」「グレート・ビューティー/追憶のローマ」のパオロ・ソレンティーノ監督が、自身が青春時代を過ごした1980年代のイタリア・ナポリを舞台に自伝的要素を盛り込み撮り上げたNetflix映画。サッカーとマラドーナを愛する少年が家族や親戚たちと織りなす喧騒と団らんの日常と、そんな彼に訪れた突然の悲劇とそこからの再生の物語を描く。主演はフィリッポ・スコッティ、共演にトニ・セルヴィッロ、テレーザ・サポナンジェロ。Netflixでの配信に先立ち一部劇場でも上映。
allcinemaより
先日まで最寄りの劇場で上映されていたので行こうと思っていましたが、1日1度の上映であっという間に終わってしまい😢それから間もなく配信されたNetflixで鑑賞。
育った街での思い出。その頃の自分と家族。周りにいた人たち。当時の世相。キュアロンのROMAと共通するものを感じました。ROMAは主人公が自分ではないのと、本人の年齢が違いますが(ROMAは子供で本作は思春期)。あれもほぼ実話だそうですが本作もそうらしいです。
何て言うのかとても変な映画でした。出てくる人たちが皆変。ファビエットとその家族は普通だけどそれ以外は皆変。夏なのに毛皮を着てるおばさんとか。少年を誘惑するお婆さんとか。密漁者の男も普通じゃない。突然両親を亡くした悲劇やマラドーナへの熱中は分かるけどそれ以外はソレンティーノの頭の中の世界という印象でした。オカルト的なエピソードがあったり。そこがROMAと違いますかね。ナポリが自分にとって大きな存在であるというのは伝わりました。それはこの作品に関しての『ソレンティーノの視点』というショートフィルムがあり、そこにも溢れていましたね。この街で37年暮らしたと言っていました。自分も同じ街で子供の頃から40年暮らしたので気持ちは分かります。ナポリは「ナポリを見て死ね」と言われますし、マラドーナもいたし、本当に特別な場所だったのでしょうね。美しい風景も沢山出てきます。★★ネタバレ注意★★でもフィリッポは若くして街を出ていましたがソレンティーノは37年暮らしたということは事実とは違うのかな?そこら辺は分からないけど。
個人的に辛かったのは両親が揉めるシーンですね。お母さんの怒りが激しすぎて思わず音を絞ってしまいました。ROMAもキュアロンの両親が上手くいかないシーンがあって悲しかったなあ。子供の頃のああいう記憶っていつまでも鮮明に残るのでしょうね。勿論幸せだった家族の風景も。
凄く不思議な作品なので好みは分かれると思いますが、私は好きでした。良くも悪くも印象的です。ちょっとブラックユーモアが過ぎているのではというところはありましたが。。。過ぎた日々が切ないのは皆同じですね。主演の俳優がとても良かったです。
あとエンドロールの音。これもROMAと対照的でしたね。ROMAは本当に心が穏やかになる音。あの映画の最も印象的だった部分の一つ。神の手は何の音か分かりませんでしたが(船の音?)どう聞いても穏やかな音ではなかったです。それぞれ個性が現れているなあと。
マラドーナの『神の手』シーン久しぶりに見ました。
同じことを度々言ってすみませんが😅世界最強のDFと言われたパオロ・マルディーニが
(対戦して一番大変だった選手は)
「ディエゴ・マラドーナだね。手に負えなかったよ」
と言っていたのを思い出します。
今日偶然ですがマラドーナさんの遺品が競売に出されるというニュースを見ました。なんだか寂しいですね。
★★★★★★★