私はいったい、何と闘っているのか

2021     114分　日本

お笑い芸人つぶやきシローの同名小説を「愛しのアイリーン」「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」の安田顕主演で映画化した人情コメディ。スーパーの万年主任にして妻と３人の子どもに囲まれたマイホームパパの主人公が、一見平穏な日常を送りながらも頭の中でだけはいつも闘い続ける奮闘と空回りの日々を、地味で不器用な中年男の悲哀とともにユーモラスに綴る。共演に小池栄子、岡田結実、ファーストサマーウイカ、伊集院光、白川和子。監督は「デトロイト・メタル・シティ」「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」の李闘士男。
　地元に愛されるスーパー“ウメヤ”で働く45歳の伊澤春男は、スタッフの信頼も厚く、店長にも頼られる存在ながら役職はずっと主任のまま。それでも家ではしっかり者の妻と３人の子どもたちに囲まれ幸せな日々を送っていた。しかし、一見平凡そうな春男だったが、実は常に空気を読み周囲に気を遣いまくっていた。彼の頭の中はいつも戦場となっていたのだった。そんなある日、思わぬ形で店長昇進の可能性が舞い込んでくる春男だったが…。

allcinemaより

安田さんが好きなので観ました。肩の力を抜いて観られて、たまたま一人だったので周りを気にせずに笑わせてもらって楽しい時間を過ごしました😆💓

安田顕に外れ無しと思っていますがやっぱり本作も良かったです🙌沢山笑わせてもらって(特に店長に昇格の話に街頭で一人浮かれている時、散歩中の犬に唸られ、飼い主が犬を抱いてそそくさと立ち去るシーンがウケました🤣)家族絡みのストーリーにはしんみりとさせられました😢(でも小梅(飴)がきっかけで知り合うか⁉️いつどの様に連絡先を交換したのだろう？)。個人的には過去の回想シーンとタクシーの中のシーンが胸キュンでとても良かったです🥺あとカレーを食べるお店のシーンが最高でした。いつ行っても誰もいなくて女将さんはワンピースを着て必ず素敵なイヤリングを着けている。若い頃かなりモテただろうなと思わせる。無愛想で口数が少ない。ラストの落ちは泣けました😭愚痴る春夫は確かに報われない部分もありますが、素敵な家族と家があって、この御時世でもきちんと働けていて、そして愚痴を溢す場所と美味しいカツカレーがあるのだからとても幸せだと思います。主任としてスーパーでの問題に対処する部分は現実的には駄目でしたが物語的には良かったです。

春夫がカレーを食べて泣きながら愚痴る場面。「スターは凄いけどその裏で働いている人が沢山いるんだ。どうして皆裏側を見ないんだ　」思わず「見てるよ」と言ってしまいました。映画も裏方有りき。

このシーンを見て昔見たダイヤモンドのドキュメンタリー番組を思い出しました。ベルギーのダイヤモンドで有名な街。そこの工房で働く職人のお爺さんが言っていました。「仲間には出世した奴もいる。でも誰かが裏方をやらなきゃならないだろ」と笑顔で。カッコいいなあと深く心に残っています。タッキーも若い頃から裏方になりたいと言っていてそれを貫きましたね。彼は出世パターンだけど。

春夫の脳内呟きは如何にもつぶやきシローさんらしかったです。先日たまたまつぶやきシローさんがラジオ番組に出てこの映画について話していました。「何で今頃(映画化)」「原作本は買わなくていいので)図書館で借りて読んでください。皆で持ち回りで読んでね」に爆笑🤣スタジオ内も爆笑。流石お笑い芸人ですよね。最高に面白かった。

小池栄子さんは以前からいい女優さんだなあと思っていますが本作も良かったです。安定感がありますよね。しかし私は本当に芸能人を知らないんだなと。新しい店長と高井さんとガッキーを知らなかったし初めて見ました。伊集院光はスーパーの店長役が既に定番化？似合うけど😆

春夫みたいな旦那さん最高ですね愛情深くて。出世はしないけど。身内ネタですみませんが私の息子も春夫パターンで、お嫁ちゃんの連れ子と自分の実子を共に大切に育てています。お嫁ちゃんは息子を大切にしてくれているので何だか息子の家庭を見る様でしたが👀(年代と家族構成違うけど)。自分と血の繋がらない子を育てるって大変だろうなと涙が出る思いになるけど、愛があれば問題ないみたいですね。

ひとつ疑問が。春夫の年収であんな素敵な家に住めるのかな？そこは映画かな。とぼけた末っ子の男の子も可愛かった。

個人的には良い映画だと思います。特に映画ならではの突出した映像などは無いのでテレビドラマ的かもしれませんが和めました。最近見た映画だと『街の上で』も普通の人の普通の話でスペクタクルな要素は何も無いけど良い映画だと思いました。

★★★★★★★★